Deep Sky Memories

横浜の空で撮影した星たちの思い出

ちょうこくしつ座銀河(NGC253) を再処理

昨夜は眠れなくて先日撮ったちょうこくしつ座銀河(NGC253)の写真を再処理していました。再処理といっても Lightroom の現像パラメータの調整だけですが。

NGC253 (2017/9/30 23:40)
NGC253 (2017/9/30 23:40)
笠井 BLANCA-80EDT (D80mm f480mm F6 屈折) / Kenko-Tokina スカイメモS, D30mm f130mm ガイド鏡 + QHY5L-IIM + PHD2 による自動ガイド/ OLYMPUS OM-D E-M5 (ISO200, RAW) / 露出 6分 x 10コマ 総露出時間 60分 / DeepSkyStacker 3.3.2, FlatAide Pro 1.0.18, Lightroom CC で画像処理, フルサイズ換算 1920mm 相当にトリミング

露出補正とレベル補正とハイライト・シャドー補正です。だいぶ渦巻き銀河らしい姿になってきましたが、元が露出不足だし月明かりのかぶりもひどいのでこれ以上は無理かな…

ちょうこくしつ座銀河は M82 と同様の「スターバースト銀河(爆発的星形成銀河)」で、天の川銀河から最も近いスターバースト銀河です。*1 写真では銀河の中心部にオレンジ色の輝きが見えますが、どうやらこのあたりで猛烈な勢いで星が生まれているようです。そしてそこから銀河の外に向かって激しい勢い(毎年太陽10個分)でガスが吹き飛ばされているのだとか。*2

宇宙で起こっていることもさることながら、それを解明するための人類の努力にも気が遠くなるような凄みを感じます。なんでそんなことがわかるのか、どうやってそんなことがわかったのか、理解が全然追いつかないのですが、そんなことにも思いを馳せながら星を見ていきたいと思います。

ちょうこくしつ座銀河(NGC253), かに星雲(M1) (2017/9/30)

9月30日は久々に Deep-Sky を撮影しました。元気がなかったのでベランダからですが、ちょうこくしつ座銀河(NGC253)とかに星雲(M1)を撮りました。ちょうこくしつ座銀河は初めての撮影。

土曜日は疲れて一日中寝ていて、昼過ぎに一晩中晴れの予報を見たものの、外に出るのは億劫で、かといって南向きのベランダから撮れる天体には目新しいものがないし、などと気が進まない感じでしたが、そういえばかに星雲はどうだろう?とふと思い出しました。

かに星雲昨年11月に撮影したのですが、この時はレデューサー使用(f288mm)だったので小さくしか写りませんでした。オートガイダー導入前の昨年10月にはレデューサーなし(f480mm)で60秒露出を試してみたのですがブレまくりで失敗していました。

今ならオートガイダーで6分露出ができるのでレデューサーなしでも撮れますが、一つ気がかりが。かに星雲といえば赤いフィラメントですが、こういう赤い光は光害カットフィルターなしだと写りが悪いのです。

今まではレデューサーなしの撮影では光害カットフィルターを外していました。レデューサーなしだと約2.8倍の露出時間が必要になるのですが、*1 ガイド精度的に、というか極軸合わせの精度や機材の撓みなどの問題があるので、露出時間をこれ以上増やすのは無理です。

それで今までは光害カットフィルターを外して光量を倍にすることで露出を稼いでいました。先日の亜鈴状星雲(M27)もフィルターなしで撮っているのですが、レデューサー使用・フィルターありで撮ったものと比べると星雲の赤い色が薄く霞んでしまっています。

というわけで、今回はレデューサーなし・光害カットフィルターあり、での撮影を試してみようと思い立ったわけです。前回は90秒露出で、6分露出ならその4倍、露光量は約1.5倍なので前回よりはよく写るはず、と。


22:30頃から機材の設置を始めて23:00頃には極軸合わせも終わったのですが、かに星雲が昇るのは深夜遅く。それまでの間に何かを撮ってみようと思い、ちょうど南中する前のちょうこくしつ座銀河(NGC253)を狙うことにしました。

横浜の空でも肉眼で見えるディフダ(デネブ・カイトス)から南に星を辿ってスムーズに導入できました。さすがにライブビューでは見えませんが、60秒露出で試し撮りするとぼんやりと細長い姿が浮かんでいたので、月が沈む前でしたが無理やり撮ってみました。

NGC253 (2017/9/30 23:40)
NGC253 (2017/9/30 23:40)
笠井 BLANCA-80EDT (D80mm f480mm F6 屈折) / Kenko-Tokina スカイメモS, D30mm f130mm ガイド鏡 + QHY5L-IIM + PHD2 による自動ガイド/ OLYMPUS OM-D E-M5 (ISO200, RAW) / 露出 6分 x 10コマ 総露出時間 60分 / DeepSkyStacker 3.3.2, FlatAide Pro 1.0.18, Lightroom CC で画像処理, フルサイズ換算 1920mm 相当にトリミング

条件も悪く正直期待していなかったのですが、思った以上によく写りました。露出不足気味ではありますが、中心部の暗黒帯の複雑な模様がちゃんと写っています。というか、でかいですね… 写真を見てびっくりしてしまいました。

ちょうこくしつ座銀河は、本で見た記憶はある、ぐらいの認識だったのですが、デネブ・カイトスを見てふと思い出したのでした。たまたま先日小惑星探査機 OSIRIS-REx が地球スイングバイの際にこの近くを通ったので*2、なんとか観測できないかなと星図を見ていた時に目にとまって憶えていたからです。*3

そんな感じで予備知識なしに思いつきで撮ったわけですが、撮ってよかったと思える天体でした。


月が沈んだ後、かに星雲が高度45度を超えたあたりの01:30頃、そらし目でなんとか確認できるおうし座の暗い方の角の先の星(ζ星)に望遠鏡をなんとか向けて、すぐ近くのかに星雲を導入。

極軸がズレていて調整のため2回撮影を中断しましたが、2:00過ぎになんとか撮影開始。8枚撮ったところでまた赤緯方向にガイド星がズレていってしまったので予備のカットは撮らずに薄明前に撮影終了。結果はこんな感じでした。

M1 (2017/10/1 02:12)
M1 (2017/10/1 02:12)
笠井 BLANCA-80EDT (D80mm f480mm F6 屈折) / Kenko-Tokina スカイメモS, D30mm f130mm ガイド鏡 + QHY5L-IIM + PHD2 による自動ガイド/ OLYMPUS OM-D E-M5 (ISO200, RAW) / 露出 6分 x 8コマ 総露出時間 48分 / DeepSkyStacker 3.3.2, FlatAide Pro 1.0.18, Lightroom CC で画像処理, フルサイズ換算 1920mm 相当にトリミング

露出は足りているかと思ったのですが、まだ露出不足気味ですね… 赤いフィラメントはぼんやりとは写っていますが期待したほどはっきりは写りませんでした。無改造のデジカメではこんなものなんでしょうか。でもこのくらいの焦点距離だと、かに星雲のもやもや感(カニ玉感?)がだいぶ見えてきて気持ちいいです。

縮小画像では目立ちませんが、等倍で見ると赤経方向のガイドエラーがはっきり見えていました。その分ディテールも潰れているはずです。RMSは±1.4〜1.5秒で経験上スカイメモSとしてはベストに近いはず。普段は極軸のズレで赤緯方向にガイドが流れて結果的に星が丸く写って目立たないのですが、今回は極軸を追い込んで赤緯方向のエラーが抑えられた分目立ってしまったようです。

やはり換算1000mm級の直焦はスカイメモSには荷が重いようです。そろそろちゃんとした赤道儀を買ったほうがいいですかね…

*1:レデューサーが0.6倍なので (\frac{1}{0.6})^2 で約 2.78 倍。

*2:参照: 小惑星探査機「オシリス・レックス」を観測しよう - AstroArts

*3:ちなみに OSIRIS-REx は当日雨天で観測できませんでした。

帰ってきた2673,2674黒点群

天候と体調に恵まれずすっかり Deep-Sky はご無沙汰で、またまた太陽なのですが…

先日のエントリでこんなことを言っていました。

大抵の黒点の寿命は太陽の自転周期よりも短いので一度裏側に回ったらそれでさよならなのですが、大きな黒点だと消えずに一周して戻ってくることがあります。2673黒点群はどうなるでしょうか。
2673黒点群

まさかと思ったら本当に戻ってきました。びっくり。しかも二つも。

【注意!】 太陽の観察・撮影には専用の機材が必要です。専用の機材があっても些細なミスや不注意が失明や火災などの重大な事故につながる危険性があります。未経験の方は専門家の指導の元で観察・撮影してください。

太陽 (2017/9/26 10:12)
太陽 (2017/9/26 10:12)
笠井 BLANCA-80EDT (D80mm f480mm F6 屈折), OLYMPUS EC-20 2x TELECONVERTER (合成F12) / Kenko-Tokina スカイメモS / OLYMPUS OM-D E-M5 (ISO200, RAW) / 露出 1/1250s / Lightroom CC で画像処理

少し雲がかかってしまいましたが…

左やや下に見えているのがかつての2673黒点群、左やや上に見えるのがかつての2674黒点群です。一周して新しい番号が振られてそれぞれ2682黒点群、2683黒点群と呼ばれています。

大規模フレアで賑わった元2673黒点群は周囲に白斑の広がりが目立ちますが黒点自体はすっかり小さくなって一頃の禍々しさもどこへやら。実際勢力も衰えているそうです。*1

2673黒点群

2日に撮った時にはまだあまりに小さくてスルーしていた2673黒点群ですが、その後もりもりと大きくなったあげく7日には11年ぶりという規模の巨大フレアを起こして新聞沙汰になるほど話題になりました。

ちょうどその頃は天気が悪くて発達した2673黒点群を撮れなかったのですが、今朝になってやっと撮影できました。太陽の自転で西の方に回っていっていて見えなくなる寸前でした。

【注意!】 太陽の観察・撮影には専用の機材が必要です。専用の機材があっても些細なミスや不注意が失明や火災などの重大な事故につながる危険性があります。未経験の方は専門家の指導の元で観察・撮影してください。

太陽 (2017/9/9 11:08)
太陽 (2017/9/9 11:08)
笠井 BLANCA-80EDT (D80mm f480mm F6 屈折), OLYMPUS EC-20 2x TELECONVERTER (合成F12), Kenko PRO ND-100000 77mm / Kenko-Tokina スカイメモS / OLYMPUS OM-D E-M5 (ISO200, RAW) / 露出 1/1600s / Lightroom CC で画像処理

太陽の向きは太陽の自転軸が垂直になるように調整しました。西端の少し南に見えているのが2673黒点群です。真横に近い斜めから見ている形ですが、それでも随分な大きさなのはわかります。2674黒点群もまだくっきりと見えていますね。

大抵の黒点の寿命は太陽の自転周期よりも短いので*1一度裏側に回ったらそれでさよならなのですが、大きな黒点だと消えずに一周して戻ってくることがあります。2673黒点群はどうなるでしょうか。

探訪!となりの銀河の DSO

DSO (Deep-Sky Objects)と呼ばれる天体のうち散光星雲、惑星状星雲、散開星団球状星団、といった天体は通常数百〜数万光年の距離にあり、同じ天の川銀河の中にある天体です。そして他の銀河の中にもそういった星雲・星団があり、その銀河の住人の目を楽しませているに違いありません。

そんなよその銀河の中の天体を僕らも一緒に見て楽しむことができるでしょうか?先日撮ったさんかく座の銀河 M33 は、アンドロメダ銀河 M31 と並んで天の川銀河に近い銀河ですが(約270万光年)このくらい近いと銀河の中にある DSO が地球からでも見えたりします。

先日の M33 の写真から M33 の中にある星雲・星団を探してみました。小さな望遠鏡で撮ったぼんやりとした写真ですが、それでも拡大してみると銀河内の DSO がいくつか確認できました。*1

M33 (拡大) (2017/9/3 01:28)
M33 (拡大) (2017/9/3 01:28)
笠井 BLANCA-80EDT (D80mm f480mm F6 屈折), 笠井 ED屈折用0.6xレデューサー (合成F3.6), LPS-D1 48mm / Kenko-Tokina スカイメモS, D30mm f130mm ガイド鏡 + QHY5L-IIM + PHD2 による自動ガイド/ OLYMPUS OM-D E-M5 (ISO200, RAW) / 露出 6分 x 8コマ 総露出時間 48分 / DeepSkyStacker 3.3.2, FlatAide Pro 1.0.19, Lightroom CC, Photoshop CC で画像処理, ピクセル等倍切り出し

無改造のデジカメなので赤い星雲の写りが悪いのですが、それでも明るいものはピンク色の斑点として写っています。

左上の少し広がったピンク色の斑点(中央部が露出オーバー気味ですが)は散光星雲 NGC604 です。ちっぽけなようですが M33 の直径が約6万光年ですから、これはかなり大きな星雲です。というか、知られている限りで最大級の大きさで、オリオン座の大星雲 M42 の約50倍もの大きさだそうです。*2

きっと M33 北部(?)の星では○○大星雲みたいな名前がついて天体写真の定番のターゲットとして天文誌の表紙を飾ったりしてるんでしょうね。

写真の中央、M33 の中心部から少し右上にある小さなピンク色の斑点も散光星雲で NGC595 です。これもかなりでかい星雲です。この写真だと色で星雲と識別できるのはここまでで、あとはぼんやりとしか確認できませんが、NGC/IC に含まれるものについては一応印をつけておきました。

その他、一部は NGC/IC 天体とも重なりますが、Aいくつ、という形で番号が降られている星団(stellar association)があります。stellar association はゆるい星の集まりで、散開星団が時間と共にばらけていったものだそうです。*3 たくさんあるので印はつけませんでしたが、上の写真でぶつぶつしたちぎれ雲のように見えるのがそれです。でもノイズなのか星の粒なのかわかりづらいですね…

最後に球状星団が一つ見えています。写真左下の C39 というのがそれです。M33 では最も明るい球状星団だそうです。*4 と言っても光度は15.9等ですし、小さくて恒星にしか見えません。すばる望遠鏡の撮った高解像度画像*5 で見ても見分けがつきませんでした。どうやってこれが球状星団だとわかったんでしょうね…

そんなわけで、銀河外から失礼して M33 の中の DSO をのぞき見してみました。あちらからもこちらの M42 や M8 なんかが見えているのでしょうか。

M33, M45 (2017/9/2)

昨夜は深夜から朝方にかけて晴れそうという予報だったのですが、日没後は空一面に雲が広がり正直期待してませんでした。しかし0時前にはすっかり晴れ。公園に出撃するかベランダで済ますか迷って結局ベランダで。正直途中で曇るかと思っていたのですが、結局は朝まで快晴でした。出撃すればよかったかな…

今回はベランダからはちょっと厳しい M33 を狙いました。M33 は普通に三脚を立てると見えないのですが、一本の脚をベランダの縁の部分に乗り上げるように設置するとギリギリ見えます。

いつものようにドリフト法で1時間近くかけて極軸を合わせて、アンドロメダ座のアルファ星アルフェラッツからはるばる東へと星を辿って M33 を導入。まだ月が出ていたのですが、とりあえず撮影をはじめました。レデューサーとLPS-D1 使用で6分露出です。

可能なら12枚撮ろうと思っていたのですが、2時を過ぎた頃からオートガイダーの映像にベランダの天井が見えてきて結局9枚で終了。やっぱり出撃した方がよかったかなぁ… 最初の1枚は月明かりで背景が明るいのでボツにして結局8枚コンポジットです。

M33 (2017/9/3 01:28)
M33 (2017/9/3 01:28)
笠井 BLANCA-80EDT (D80mm f480mm F6 屈折), 笠井 ED屈折用0.6xレデューサー (合成F3.6), LPS-D1 48mm / Kenko-Tokina スカイメモS, D30mm f130mm ガイド鏡 + QHY5L-IIM + PHD2 による自動ガイド/ OLYMPUS OM-D E-M5 (ISO200, RAW) / 露出 6分 x 8コマ 総露出時間 48分 / DeepSkyStacker 3.3.2, FlatAide Pro 1.0.19, Lightroom CC で画像処理, フルサイズ換算 1150mm 相当にトリミング

去年撮影した時は90秒露出でした。うーん。露出時間が4倍になっても4倍よく写るというわけにはいかなかったようで… でも淡い部分もだいぶはっきり見えてきて迫力が出てきました。

去年ベランダで撮った時にはベランダの天井からの照り返しで強いカブリが出ていましたが、今回は巻きつけフードが効いたようで露出時間の割にカブリは軽微でした。とはいえ無傷ではなく FlatAide Pro と段階フィルターで処理しています。

M33 の撮影が早く終わってしまったので、薄明前までの間 M45 プレアデス星団を撮ることにしました。M45 はなんとか肉眼で見えるので直接導入できました。

M45 (2017/9/3 02:42)
M45 (2017/9/3 02:42)
笠井 BLANCA-80EDT (D80mm f480mm F6 屈折), 笠井 ED屈折用0.6xレデューサー (合成F3.6), LPS-D1 48mm / Kenko-Tokina スカイメモS, D30mm f130mm ガイド鏡 + QHY5L-IIM + PHD2 による自動ガイド/ OLYMPUS OM-D E-M5 (ISO200, RAW) / 露出 6分 x 8コマ 総露出時間 48分 / DeepSkyStacker 3.3.2, Lightroom CC で画像処理, フルサイズ換算 1150mm 相当にトリミング

これも去年の秋に撮った時は90秒露出で露出不足でしたが、6分露出だと青い星雲がかなり見えるようになりました。光害のカブリの中から無理やりあぶり出しているので階調が失われているのが残念ですが…

今回はフラットがイマイチ合わなかったのですが、FlatAide Pro はこういう広範囲に星雲が広がっている対象には使いにくいので段階フィルターでごまかしています。

M45 を撮ったあとはフラットとダークを撮って、ダークを撮っている間 ISS の飛来を肉眼で眺めていました。ISS は M45 のすぐ上をかすめていきました。そうと知っていたら撮っていたのですが… 残念。

今回また PHD2 のガイドパラメータをいじりました。前回変更を見送った「積極性」を70から85に変更。これが効いたようで、RMSエラーは1.3〜1.4秒になりました。0.2秒の改善。

機材のたわみによると思われる赤緯方向のズレは相変わらず発生しています。アリミゾにしてからはズレの量は減っているようですが。BLANCA-80EDT のアリガタ兼三脚座の底にはコルクが貼ってあるのでこれがよくないのかも。剥がしてしまうのも手ですかねぇ。

2674黒点群

あいかわらず曇り空が続いてますが今日は晴れ。また大きな黒点(2674黒点群)が出たということで太陽を撮ってみました。

【注意!】 太陽の観察・撮影には専用の機材が必要です。専用の機材があっても些細なミスや不注意が失明や火災などの重大な事故につながる危険性があります。未経験の方は専門家の指導の元で観察・撮影してください。

太陽 (2017/9/2 12:31)
太陽 (2017/9/2 12:31)
笠井 BLANCA-80EDT (D80mm f480mm F6 屈折), OLYMPUS EC-20 2x TELECONVERTER (合成F12), Kenko PRO ND-100000 77mm / Kenko-Tokina スカイメモS / OLYMPUS OM-D E-M5 (ISO200, RAW) / 露出 1/1250s / Lightroom CC で画像処理

2674黒点群 (2017/9/2 12:31)
2674黒点群 (2017/9/2 12:31)
上の写真を拡大

この写真、宇宙天気ニュースの SDO 衛星の写真と比べると太陽の向きがずいぶん違います。この写真は DSO を撮る時と同じように天の北極が上になる=地球の自転軸が垂直になる向きにカメラをセットして撮影しているのですが、SDO 衛星の写真は太陽の自転軸が垂直になる向きになっているようです。

太陽の自転軸に対して地球の自転軸が傾いているので向きがズレるのですが、それにしてもこんなに傾いてたっけ?と思って国立天文台の「太陽の自転軸」で調べてみたところ、今日は21.46度も傾いていました。前回(7月14日)は3.46度だったので気づかなかったのでした。

というわけで21.46度回転させたのがこちら。

太陽 (2017/9/2 12:31)

これで SDO 衛星の写真とほぼ同じ向きになりました。

太陽を撮るときはいつもそうですが、熱のせいか像の揺らぎが激しいので20枚以上撮って一番クッキリ写っているカットを現像しています。ピント合わせも大変ですが、そのままだと液晶画面に直射日光を浴びた自分の顔が写り込んで非常に見づらいので頭から黒いTシャツをかぶって作業しています。道行く人から見ると異様な光景だと思いますが仕方がありません…

太陽面のグラデーションが偏っているのはNDフィルターが微妙に傾いているせいだと思います。フィルター面からの反射光によるものと思われるカブりが左に少しズレていて、それで左側が明るくなっています。前回書いたようにフィルターはフード内にはめ込んだラバーフードに取り付けるという変なことをやっているのでなかなかレンズと平行になりません。

NDフィルターの取り付け方法
NDフィルターの取り付け方法

太陽の撮影は、金環食の時に買ったフィルターがもったいないので撮っている、というスタンスなのであまりお金をかける気もなく、細かいことは気にしないことにしています…