Deep Sky Memories

横浜の空で撮影した星たちの思い出

M42 を wavelet 処理してみたけど…

あぷらなーとさんのブログ記事「ハッブル宇宙望遠鏡に迫る試み②」を見て先日撮った M42 の写真を RegiStax で処理したらどうなるか試してみました。

ベースは「M42 の HDR 合成」の最後に出てきたトーンカーブ調整のみのやつです。

これが、

M42中心部 (2017/10/26) (HDR)
M42中心部 (2017/10/26) (HDR)
笠井 BLANCA-80EDT (D80mm f480mm F6 屈折) / Kenko-Tokina スカイメモS, D30mm f130mm ガイド鏡 + QHY5L-IIM + PHD2 による自動ガイド/ OLYMPUS OM-D E-M5 (ISO200, RAW) / 露出 30秒 x 8コマ, 1分 x 8コマ, 2分 x 10コマ, 4分 x 10コマ 総露出時間 72分 / DeepSkyStacker 3.3.2, Lightroom CC で画像処理

こうなりました。

M42中心部 (2017/10/26) (HDR, wavelet)
M42中心部 (2017/10/26) (HDR, wavelet)
DeepSkyStacker 3.3.2, RegiStax 6.1.0.8, Lightroom Classic CC で画像処理

明るい中心部のもやもやしたところや筋状のガスの流れが浮き上がってきました!

…なのですが、暗部のノイズがひどくなっていますね… 36枚コンポジットですが、暗い部分は実質的に8枚なのでノイズがかなりあり、wavelet 処理でそれが強調されてしまいました。

Wavelet 処理のパラメータは、Dyadic、Gaussian で、こんな感じ。

Layer Denoise Sharpen 設定値
1 0.10 0.100 8.0
2 0.00 0.110 24.0
3 0.00 0.100 4.0

denoise とか色々いじってはみましたが焼け石に水で、そのくせ肝心の中心部のディテールが落ちてしまうのでこんなところに落ち着きました。

なお、なぜか wavelet 処理後の画像は彩度が落ちるので LR で元の画像と同じくらいの色調になるように彩度を上げています。

というわけで wavelet 処理で強調するならコンポジット枚数を稼いでツルツルになるまでノイズを減らさないとダメっぽいです。

月 (2017/11/5)

CMOSカメラでの天体撮影、今回は土星を、と思っていたのですが寝過ごして(昼寝)逃してしまいました。というか土星はもうシーズン過ぎてて厳しいですね。ということで今回も月面の撮影です。

コペルニクス付近 (2017/11/5 21:14)
コペルニクス付近 (2017/11/5 21:14)
笠井 BLANCA-80EDT (D80mm f480mm F6 屈折), 笠井FMC3枚玉2.5倍ショートバロー (合成F15) / Kenko-Tokina スカイメモS / QHY5L-II-M / 露出 1.00ms x 300コマをスタック処理 / AutoStakkert!2 2.6.8, Lightroom Classic CC で画像処理

ラングレヌス、ペタビウス付近 (2017/11/5 21:35)
ラングレヌス、ペタビウス付近 (2017/11/5 21:35)
笠井 BLANCA-80EDT (D80mm f480mm F6 屈折), 笠井FMC3枚玉2.5倍ショートバロー (合成F15) / Kenko-Tokina スカイメモS / QHY5L-II-M / 露出 1.00ms x 300コマをスタック処理 / AutoStakkert!2 2.6.8, Lightroom Classic CC で画像処理

AS!2 の Sharpened の出力を LR で露出補正、トーンカーブ調整しています。ピントは Focusing Tools の Contrast (Edge) Detection で頑張ったつもりですが、こんなものですかね…

例の縞ノイズはゲインを下げたら消えました。ゲイン10で撮影しています。どこまで上げて大丈夫かはまた今度調べようと思います。

もう何年も月を撮っているのにクレーターの名前をあまり知りません。これから憶えていきたいと思い、ちょっと名前を書き込んでみました。

21_14_19_g4_ap586_conv-caption

21_35_53_g4_ap376_conv-caption

ペタビウスは好きなクレーターの一つなのですが名前なかなか憶えられなくて… 今度こそ憶えます。ペタビウス。階段状のクレーター壁が時計の文字盤の縁のようで、中央丘から放射状に伸びた谷が時計の針のように見えて、それで名前は知らなくても「あの時計みたいなやつ」として憶えているクレーターです。

ラングレヌスはちょっと六角形ぽい形が目立つので気にはなってました。フェンデリヌスとフルネリウスは気にしてませんでした。これからはちょっとは気にしてみたいと思います…

メシエとメシエAは小さなクレーターですが彗星の尾のように伸びた光条がかわいくて名前がメシエカタログのメシエということで、数少ない名前を憶えているクレーターの一つです。メシエは彗星観測家ですが*1、ひょっとして彗星みたいな光条にちなんでメシエの名前が付いたのでしょうか?

他の小さなクレーターは後日改めてチェックして書き込んでいこうと思います。

ちなみに月全体の写真はこの後に撮ろうとしていたのですが、雲が出てきて撮れませんでした。一面に雲が拡がってしまったのであきらめて撤収したのですが、撤収作業中に雲がどんどん流れていって撤収完了後にはすっかり晴れ。でも、もう一度機材を組み立てる元気はなくてそのまま部屋に引っ込みました。まあシーイングも悪そうだったし…

*1:メシエカタログは元々「彗星と紛らわしい天体」のカタログ。

RegiStax 6 で wavelet 処理してみたけど…

先日のエントリで「また今度」って言ってた件。

AutoStakkert!2 (AS!2)の Sharpend じゃない方の出力を RegiStax 6 で wavelet 処理してみました。

ファイルを開くところでまずつまづいたのですが、wavelet 処理だけしたければスタック済みの画像を RegiStax のウィンドウにドラッグ&ドロップすればいいようです。

wavelet 処理、原理がさっぱりわからないんですが、 触った感じだと異なる空間周波数のレンジ毎にパラメータを変えてシャープネス処理をかける感じでしょうか?パラメータはどこから手を付けていいのかわからない感じがありますが、とりあえず HIROPON さんのサイトを参考にしてみました。

Wavelet scheme は Dyadic、Wavelet filter は Gaussian で、Layer 1から3までだけいじってみました。こんな感じ。

Layer Denoise Sharpen 設定値
1 0.00 0.100 8.0
2 0.00 0.110 24.0
3 0.00 0.100 8.0

結果はこれ。

月面 (2017/11/1 19:23) (wavelet処理)
月面 (2017/11/1 19:23) (wavelet処理)
笠井 BLANCA-80EDT (D80mm f480mm F6 屈折), 笠井FMC3枚玉2.5倍ショートバロー (合成F15?) / Kenko-Tokina スカイメモS / QHY5L-II-M / 露出 0.50ms x 300コマをスタック処理 / AutoStakkert!2 2.6.8, RegiStax 6.1.0.8 で画像処理

こんなところに落ち着きましたが、正直 AS!2 の Sharpend と変わらないというか、むしろ負けてる?左下のティコの白飛びがキツくなっています。画像の縁が白くなってしまうのも気になるところ。

Layer 1 は一番細かいパターンを強調するので解像感を上げるため大きな値を設定したいところですが、反面ノイズも強調されてしまうようです。今回の画像の場合、例の縞ノイズが目立ってしまうので抑えめにしてあります。

でもまだ結構目立つので、思い切って Layer 1 をマイナス値に設定してみました。

Layer Denoise Sharpen 設定値
1 0.05 0.100 -3.0
2 0.00 0.110 24.0
3 0.00 0.100 8.0

結果はこれ。

月面 (2017/11/1 19:23) (縞ノイズ除去)
月面 (2017/11/1 19:23) (縞ノイズ除去)

縞ノイズがほぼ消えました。解像感もほとんど変わらない感じです。こんなことをするための RegiStax ではないはずですが、まあ、結果オーライということで…

縞ノイズの件はおそらくカメラの問題なので置くとして、正直月面に関しては AS!2 の Sharpend の方が高品質に見えますが、これは僕が RegiStax を使いこなせてないだけなんでしょうか… 惑星だとまた違うのかな?

CMOSカメラで月面撮影 (2017/11/1)

今日は体調不良で会社を休んで夕方まで寝ていました。外は快晴。17時頃から気晴らしにベランダから月を見ていました。先日うっかり買ってしまったバローレンズ(笠井FMC3枚玉2.5倍ショートバロー)のファーストライトを兼ねて。

アイピースはセレストロン 8-24mm ズームアイピース。望遠鏡は 8cm F6 なので 8mm にセットすると150倍です。明るい像でよく見えます。コントラストの低下も感じません。いつも撮っている月の写真をモニターいっぱいに写したのを鑑賞距離で見るくらいの解像感です。

ビクセン NLV2.5mm (480倍)も試してみましたが、さすがに過剰倍率が過ぎて、暗いしぼやけてるし埃の影みたいなのがいっぱい見えるしで、なにがなにやらわからない感じで使い物になりませんでした。NLV2.5mm はバローレンズなしの192倍でもかなりコントラストが落ちるので期待はしていませんでしたが…

西の空の土星も見てみましたが150倍だと豆粒より小さい土星がぽつんと空に浮かんでいる感じでまだまだ小さいです。輪ははっきり見えますがカッシーニの間隙は見えません。480倍だとぼやけてやはり見えないのですが、像の大きさはこのくらいでやっと惑星を見てる気になれますね。やはり20cmクラスの望遠鏡が欲しくなります…

ひとしきり眼視観測を楽しんだ後は、いつものように2xテレコンで月を撮った後、これまでずっとやってこなかったCMOSカメラでの月面撮影にチャレンジしてみました。

カメラはいつもオートガイドに使っている QHY5L-II-M です。モノクロカメラですし、ピクセルサイズは3.75μmで、解像度的には E-M5 とほとんど変わりません。敢えてこのカメラで撮る意味はないのですが、今時主流の月・惑星撮影の手法を試してみたくてやってみました。

例の2.5倍バローレンズを、これもまた先日買ったばかりのビクセンのフリップミラーの直視側に付けて、バローレンズのスリーブに QHY5L-II-M を挿します。

が、カメラ本体がアイピースと同じ31.7mm径なのでどこまででも挿せてしまって、どの位置で留めていいのかわかりません。位置が違うとバローレンズの拡大率が変わるので困るのですが… まあ今回はお試しなので適当な位置で留めました。

キャプチャーソフトは最初 FireCapture 2.5 を使おうとしたのだけどカメラを認識しなかったので、SharpCap を使うことにしました。QHY は SharpCap 推しのようですし。QHY の公式サイトでは 2.9 を配布していますが、SharpCap の公式から 3.0 をダウンロードしてインストール。これは問題なくカメラを認識しました。

ピント合わせにはえらく苦労しました。ライブビューの映像はシンチレーションでものすごく揺れていてピントが合ってるのか合ってないのかよくわかりません。Focusing Tools から Contrast (Edge) Detection を使ってみましたが、スコアが安定せず使いこなせませんでした。

適当なところであきらめてとりあえずキャプチャを開始します。露出時間 0.5ms (1/2000s)にしてゲインを適正露出に見える60に設定。あとはデフォルトの設定。フレーム数を600フレームに設定して約20秒。

キャプチャーしたAVIを見るとものすごく像が揺れていて、こんなんで大丈夫かと思いつつ、AutoStakkert!2 で開きます。これも初めて使うソフトでよくわからないのだけど、一応 HIROPON さんのサイトで予習してたのでわかる範囲でなんとか使いました。

まず image stabilization anchor を適当なクレーターにセットして、Image Stabilization は Surfacfe, Cropped を選択、Quality Estimator は Global を選択して Analyse を実行。

Alignment Points は Auto AP で。設定はとりあえずデフォルトのまま。Stack Options では出力形式は TIF にして、Sharpend にチェックを入れて他はデフォルトのまま(フレームの50%をスタックする設定)で Stack を実行。

結果出てきた画像(Sharpend の方)がこれです。

月面 (2017/11/1 19:23)
月面 (2017/11/1 19:23)
笠井 BLANCA-80EDT (D80mm f480mm F6 屈折), 笠井FMC3枚玉2.5倍ショートバロー (合成F15?) / Kenko-Tokina スカイメモS / QHY5L-II-M / 露出 0.50ms x 300コマをスタック処理 / AutoStakkert!2 2.6.8 で画像処理

月面 (2017/11/1 19:53)
月面 (2017/11/1 19:53)
笠井 BLANCA-80EDT (D80mm f480mm F6 屈折), 笠井FMC3枚玉2.5倍ショートバロー (合成F15?) / Kenko-Tokina スカイメモS / QHY5L-II-M / 露出 0.50ms x 300コマをスタック処理 / AutoStakkert!2 2.6.8 で画像処理

想像以上にそれっぽい写真になってびっくり。もっと不自然な仕上がりになるかと思ってました。しかし、横縞のノイズ?が画面全体に乗っています。これはなんなんでしょう?AVI上でも見えるのでカメラの設定の問題でしょうか?

RegiStax による強調処理はまた今度。でも縞ノイズが邪魔になりそう…

ちなみに E-M5 でワンショットで撮った写真はこちら。

月齢12.6 (2017/11/1 18:24)
月齢12.6 (2017/11/1 18:24)
笠井 BLANCA-80EDT (D80mm f480mm F6 屈折), OLYMPUS EC-20 2x TELECONVERTER (合成F12) / Kenko-Tokina スカイメモS / OLYMPUS OM-D E-M5 (ISO320, RAW) / 露出 1/125s / Lightroom CC で画像処理

この写真を等倍表示で見たほうが綺麗に見える気がします。が、実際にはワンショットで撮った画像はシンチレーションであちこち歪んでいたり、一部の小さいクレーターは潰れて見えなくなっていたりするので、スタックした画像の方が本来の姿に近いはず、ですかね?

これからも色々試してみたいと思います。惑星も試してみたいけどさすがに小さすぎて無理かな?

M42 の HDR 合成

一昨日 M42 の写真で DeepSkyStacker (DSS) の HDR 合成がうまくいかない的な事を書きました。

が、DSS の Entropy Weighted Average (HDR) で出力した画像をよく見ると短時間露出のフレームで得た情報がちゃんと反映されていました。

M42 の中心部にある四重星トラペジウムは星雲の一番明るい部分と重なっていて長時間露出では真っ白に飛んでしまいがちですが、DSS の HDR 出力にマイナス補正をかけるとちゃんと4つの星に分離していました。

トラペジウム (2017/10/26 01:49) (HDR)
トラペジウム (2017/10/26 01:49) (HDR)

4分露出の画像では4つの星が白飛びしてくっついて星雲の光とも混ざって一つの固まりのようになっていて、いくらマイナス補正をかけても固まりのままでした。

ということは、適切にトーンマッピングすればいわゆる HDR っぽい絵になるはず、ということで、DSS の出力を Nik CollectionHDR Efex Pro で処理してみました。

初めて使うツールでいまいちよくわからないのですが、こんなん出ました。じゃん。

M42 (2017/10/26 01:49) (HDR Efex Pro 使用)
M42 (2017/10/26 01:49) (HDR Efex Pro 使用)
笠井 BLANCA-80EDT (D80mm f480mm F6 屈折) / Kenko-Tokina スカイメモS, D30mm f130mm ガイド鏡 + QHY5L-IIM + PHD2 による自動ガイド/ OLYMPUS OM-D E-M5 (ISO200, RAW) / 露出 30秒 x 8コマ, 1分 x 8コマ, 2分 x 10コマ, 4分 x 10コマ 総露出時間 72分 / DeepSkyStacker 3.3.2, Lightroom CC, HDR Efex Pro で画像処理, フルサイズ換算 1000mm 相当にトリミング

うーん、、、??ソレっぽいんですけど、なんか「絵」ですね、これ。

もう少し調整しょうかなと思ったのですが、HDR Efex Pro の設定って自動的には保存されないようで、あちこちいじったのを再現できなくなってしまいました。Lightroomプラグインとして使ったので勝手に保存されるものだとばかり…

元画像には情報が残っているのだからトーンカーブ調整だけでなんとかならないかとがんばってみたのがこれ。

M42 (2017/10/26 01:49) (HDR: トーンカーブ調整)
M42 (2017/10/26 01:49) (HDR: トーンカーブ調整)

こっちの方がいいかなぁ。トラペジウムもなんとか見えます。

でも全体的にコントラストが落ちてねむい感じになってしまってます。ピンク色のガスのうねりとかコントラストがある方が見栄えがするので元の方がいいかなぁ…

月面X (2017/10/27)

10月27日は20時頃からいわゆる「月面X」だったのですが、以前書いたように月面Xにはあまり興味がないですし、会社帰りでは間に合わない時間ということもあって撮るつもりはなかったのですが、先日の徹夜がたたって体調を崩し、今日は会社を休んで夕方まで寝ていて、起きて外を見ると晴れた空に月が浮かんでいるので、これは撮るしかないのかなーと…

ただ撮るのもつまらないので、30分ごとに撮影して月面の陰影の変化から「X」が浮かび上がる連続写真を撮ろうと、18:00から撮影開始。しかし19:00頃から雲が出てきて20:00には完全に厚い雲に覆われてしまいました。それでもなんとか19:30に雲の隙間からギリギリ「X」になっているのが撮れました。

ということで撮れた4枚の写真をアニメーションGIFにしてみました。

https://rna.sakura.ne.jp/share/Lunar-X-PA271713-63-mono.gif
「月面X」の出現 (2017/10/27 18:00-19:30)
笠井 BLANCA-80EDT (D80mm f480mm F6 屈折), OLYMPUS EC-20 2x TELECONVERTER (合成F12) / Kenko-Tokina スカイメモS / OLYMPUS OM-D E-M5 (ISO400, RAW) / 露出 1/80s, 1/80s, 1/60s, 1/50s / Lightroom CC, Photoshop CC で画像処理

19:00の分は雲がかかってしまって18:58に薄雲越しになんとか撮れた分を使っています。19:30の分は運良く雲が切れた時に撮れたのですが、気流の乱れもあってかなり写りが悪いです…

もっとも雲に邪魔されなかったとしても、大気の揺らぎで月面の地形は相当歪んで写るので、こうやって連続写真を重ねあわせてもかなりブレてしまって、陰影の変化なのか像の歪みなのかわかりづらいです。こういうのは動画フレームを大量にスタックする方法だと歪みが平均化されてうまくいくんでしょうか?

M42 (2017/10/25)

平日だというのにやってしまいました。久々の快晴だったので…

今回はオリオン座の大星雲 M42 です。何度も撮った天体ですが、今回は初めてレデューサーなしの直焦点(f480mm)で撮りました。ピンク色を綺麗に出したかったので光害カットフィルターはなしです。

もうひとつ新しい試みとして段階露光をやってみました。根拠はないんですが30秒、1分、2分、4分の4段階で。HDR 合成は、とりあえず DeepSkyStacker の Entropy Weighted Average (HDR) というモードでスタックする方法を試してみました。

M42 (2017/10/26 01:49) (HDR)
M42 (2017/10/26 01:49) (HDR)
笠井 BLANCA-80EDT (D80mm f480mm F6 屈折) / Kenko-Tokina スカイメモS, D30mm f130mm ガイド鏡 + QHY5L-IIM + PHD2 による自動ガイド/ OLYMPUS OM-D E-M5 (ISO200, RAW) / 露出 30秒 x 8コマ, 1分 x 8コマ, 2分 x 10コマ, 4分 x 10コマ 総露出時間 72分 / DeepSkyStacker 3.3.2, Lightroom CC で画像処理, フルサイズ換算 1000mm 相当にトリミング

ちょうど一年前に撮った写真と比べると光害カットフィルターがない分コントラストが落ちているのですが、個人的には今回の方が好みです。やはり M42 は淡いピンク色でなくては…

HDR の効果ですが、うーん… 4分露出の分だけをほぼ同じ現像設定で処理したものがこちら。

M42 (2017/10/26 03:19)
M42 (2017/10/26 03:19)
笠井 BLANCA-80EDT (D80mm f480mm F6 屈折) / Kenko-Tokina スカイメモS, D30mm f130mm ガイド鏡 + QHY5L-IIM + PHD2 による自動ガイド/ OLYMPUS OM-D E-M5 (ISO200, RAW) / 露出 4分 x 10コマ 総露出時間 40分 / DeepSkyStacker 3.3.2, Lightroom CC で画像処理, フルサイズ換算 1000mm 相当にトリミング

正直そんなに変わらない気がしますが、少しは効いているかな?中心部は HDR でも白飛びしてはいるものの、その周辺の階調は少し出ている気がします… 正直期待したほどの効果はなかったのですが、もう少し露出時間を刻んで段階を増やしたほうがいいのかな?

そもそもの原理がわかってないのですが、各露出分をダーク、フラット、コンポジットして出力した TIFF を Entropy Weighted Average (HDR) モードでスタックする、という手順で合ってるんでしょうか?

HDR 合成ソフトは他にも色々あるようなので、機会があれば試してみようと思います。

今回は極軸がなかなか追い込めなくて撮影中に何度も極軸を再調整することになって大変でした。総露出時間は72分ですが撮影には2時間半以上かかってしまって、薄明ぎりぎりまで撮影していました。まともな赤道儀で2軸ガイドしていればこんな苦労はしなくて済むんでしょうね…