一昨日注文した機材は μ-180C 以外は全部今朝届きました。
μ-180C は6月中に納品との連絡がありました。火星の最接近は7月末ですので、なんとか間に合う感じです。関東の梅雨明けは7月初旬ですから、多少早く届いたところでファーストライトはおあずけになる可能性が高く、出遅れたことについてはあきらめもつくかな、といったところ。
さて、今夜は曇りでしたがダメ元で20:00頃からベランダに機材を出して ASI290MC のファーストライトを試みました。
接眼部のパーツ構成は前回のエントリの後半の計画通り。ADC は今回触らないのですが、ピントが出るのか、拡大率はどうなるか等を検証するため補正量0にして入れてあります。
気になっていたIR/UVカットフィルターの取り付け位置ですが、ADCの対物側の先端にフィルターネジが切ってありました。カメラの31.7mmアダプターの先にもフィルターネジが切ってありましたが、カメラを交換することを考えてADC側に取り付けました。
ADCへのカメラの取り付けは、ADCの接眼側パーツを外せばTネジでも可能なのですが、カメラを回転できるように31.7mmスリーブを使うことにしました。
キャプチャソフトは今までどおり ShapCap ですが、念の為最新版の 3.1.5153.0 をインストールしておきました。PCからベランダのカメラまでは遠いのでサンワサプライのアクティブタイプのUSB3.0リピーターケーブル 500-USB046 を介して接続しました。
とりあえず薄雲越しの月を撮ってみたのですが、転送速度が16.3fpsとかで、さすがカラーカメラは重いなーとか思っていたのですが、ベイヤー配列のセンサーなので生データの転送量はモノクロと変わらないはずだしなんでだろう?と悩んでいたら SharpCap のタイトルバーに「ASI290MC (via USB2)」などと書いてあって、USB3.0で繋がってないことに気づきました。
マザーボード背面のUSB3.0対応の口に挿しているのになんで?と思ったのですが、とりあえず隣のUSB3.1対応の口に挿したら via USB3 になって、170fps くらい出るようになりました。が、その頃には月はすっかり雲に覆われてしまいました。
とりあえず via USB2 で撮ったコペルニクス周辺がこれです。
コペルニクス周辺 (2018/4/26 20:31)
笠井 BLANCA-80EDT (D80mm f480mm F6 屈折), 笠井FMC3枚玉2.5倍ショートバロー, ZWO IR/
UVカットフィルター 1.25", ZWO ADC 1.25" / Vixen SX2 / ZWO ASI290MC / 露出 1/60s x 500コマをスタック処理 / AutoStakkert!3 3.0.14,
Lightroom Classic CC で画像処理
バローレンズとカメラの間にADCを挟んだせいで拡大率が上がったのとカメラのセンサーの解像度が約1.3倍アップしたのとで今までより高解像度で撮れています。既に 8cm F6 屈折の限界は見た気でいたのですが、まだ先がありました。薄雲越しですがシーインが良くなかなか良く写ってくれたと思います。色は… 月面だとカラーでも代わり映えしないですね。
21:00を過ぎて、月は子午線を越えて雲も一向に晴れないのでターゲットを木星に変更して待機。まだ木星は低いのですが、月に向けたまま放置しておくと望遠鏡の東西の入れ替えが発生してケーブルが絡まったり引っ張られたりして大変なことになりそうだったので。
木星も雲で見えないなーと思っていたら厚い雲が切れて薄雲越しですが見えるようになりました。PCの画面に木星らしい色をした木星が写っています。雲に邪魔されながら7回撮影。最後に撮影したものが一番よく撮れていました。
木星 (2018/4/26 22:30)
笠井 BLANCA-80EDT (D80mm f480mm F6 屈折), 笠井FMC3枚玉2.5倍ショートバロー, ZWO IR/
UVカットフィルター 1.25", ZWO ADC 1.25" / Vixen SX2 / ZWO ASI290MC / 露出 1/30s x 1000コマをスタック処理 / AutoStakkert!3 3.0.14, RegiStax 6.1.0.8,
Lightroom Classic CC で画像処理
左右にうっすら見える小さな星は、左がガニメデ、右がイオです。
正直、え? 8cmでこんなに写るの?という仕上がりでびっくりしました… この時間、大赤斑がまだ正面に来ていないのが残念でしたが、細い縞模様がここまで写るとは思っていませんでした。
今回は AS!3 では 1.5x Drizzle で出力して、それを RegiStax 6 で wavelet 処理してみました。月面では僕の RegiStax より AS!2 の convolution 処理の方がずっと上手いので AS!2 の出力をそのまま仕上げていましたが、惑星は RegiStax を使った方がずっといいです。
ちなみに東西方向に少し色ズレが出ていますが、これは大気色分散ではなくて、色収差というか光学系の不具合で前からあるものです。レンズエレメントがズレてるとかですかね?
そんなわけでファーストライトはとりあえず成功です。あとは、ADCを使えるようになるのと、LRGB撮影と画像処理ですね。しかし木星の場合自転が早いのでカメラを差し替えての撮影は厳しいですかね… やはりフリップミラーに2台載せしないといけないかな?