Deep Sky Memories

横浜の空で撮影した星たちの思い出

撮影技術

NGC4216 と超新星 SN 2024gy (2024/1/22)

1月22日の横浜は午前中悪天候でしたが午後から晴れてきて夜は快晴でした。この機会に月齢的にもうチャンスはないかもと思っていた NGC4216 で発見された超新星 SN 2024gy を撮影しました。ここ数年毎年超新星を撮っていて、しかも何故か全部板垣公一さんが発…

ASI294MC Pro ファーストライト / 月齢20.6 / M42中心部 (2023/10/5)

先月から仕事がデスマーチと化して全然星が見れない日が続いていましたが、ようやく一区切りついて、10月5日の夜は久々の天体撮影、というか先日買った ASI294MC Pro のテスト撮影をしました。横浜は夜中までには快晴の予報だったので早めに準備して再び土星…

オフアキはじめました: M5, M16(創造の柱) (2022/5/3)

GW中の5月3日の夜、μ-180C + フラットナーレデューサーのオフアキ*1撮影のテストをやりました。同時にビクセンのワイヤレスユニットのテストもやりました。元々この組み合わせでオフアキは無理そうと思っていたのですが、仕事のストレスでついカッとなって機…

月面モザイク撮影 (2022/3/12)

仕事は終わってないのですが徹夜で仕上げた中間納品の後の土日はさすがにお休みしました。土曜日は夕方から夜中まで快晴、深夜から曇りの予報。何か撮ってみたいとは思ったものの晴れている間は月齢9.7の月がずっと出ているので DSO は無理、むしろその月を…

モノクロ冷却CMOSカメラ購入(その5): M31 アンドロメダ座大銀河 (2021/12/1)

最近、撮影後の画像処理に時間がかかったり、撮影自体が疲れるので心身の回復までに時間がかかったりするせいで、撮影の速度にブログを書く速度が追いついてません。今日はもう大晦日ですが12月1日の夜の話を今更書いています。今年の撮影は今年のうちにブロ…

モノクロ冷却CMOSカメラ購入(その4): 馬頭星雲 (2021/11/11)

11月11日の夜は馬頭星雲を撮りました。今回はHαのナローバンドでも撮影してカラー画像に合成して赤い星雲がクッキリ写った写真にできるかどうかのテストです。実は前回の M42 でもHαは撮っていたんですが、LRGB合成でいっぱいいっぱいでしたし、星像の伸びと…

モノクロ冷却CMOSカメラ購入(その3): M42 オリオン座大星雲 (2021/11/5)

11月5日は ASI294MM Pro の DSO 実写テスト二回目を行いました。ターゲットは M45「プレアデス星団」と M42「オリオン座大星雲」です。が、結果から言うと M45 の方は失敗、M42 も色々問題はあるのですが「iPad 見て気にならない」という志の低い基準ではま…

モノクロ冷却CMOSカメラ購入(その2): NGC253 ちょうこくしつ座銀河 (2021/10/29)

ばたばたしているうちに1ヶ月経ってしまいましたが、10月29日に行った初のLRGB撮影*1 について書きます。前回はモノクロ冷却CMOSカメラ ZWO ASI294MM Pro のセットアップについて書きました。カメラが届いた頃には満月期だったのでDSOをターゲットとした最初…

モノクロ冷却CMOSカメラ購入(その1): 購入・開封・接続テスト

時系列的には前回のエントリと前後しますが、先日冷却CMOSカメラ一式を購入しました。10月13日深夜にカッとなって KYOEI-TOKYO の通販で ZWO ASI294MM Pro、ZWO EFWmini (EFW: 電動フィルターホイール)、ZWO LRGB フィルターセット 31mm、ZWO Hαフィルター(7…

満月 (2021/10/20)

10月20日の夜は満月。普段満月は撮らないのですが、先日購入した冷却CMOSカメラのテストを兼ねて撮影しました。使用したカメラは先日カッとなって買ってしまったモノクロ冷却CMOSカメラ ASI294MM Pro です。意味はないのですが冷却機構のテストのために10℃に…

下弦の月 (2021/9/28)

8月から始まったマンションの工事ですが、天候の関係で工期が延びて9月も終わりになってやっと終わりました。ベランダ側の足場も撤去されてやっとベランダから天体撮影が可能になったのですが、9月28日の夜は体調が悪くて早寝してしまいました。深夜、猫の夢…

お詫び: 「産総研の開発した全方向形標準LEDのスペクトルがエグい」の件について

8月30日に発表された産業技術総合研究所(産総研)のプレスリリース「産総研:LEDを用いた全方向に光を放射する新たな標準光源を開発」に対する僕の Twitter でのツイートは誤解に基づくもので、天文ファンに対して無用な不安を煽る不適切なものでした。このエ…

M64 黒眼銀河 / マルチスターガイドのテスト (2021/5/3)

5月3日の夜は快晴の予報だったので、月が出る1:00前までに M64 と M83 を撮る計画を立てていたのですが、夕方に寝落ちしてしまって出遅れてしまい、結局 M64 だけ撮りました。前回に引き続き赤外域まで使ったノーフィルターのモノクロCMOSカメラでの撮影です…

しし座4重銀河(NGC3190 + NGC3193 + NGC3187 + NGC3185)、NGC4302 + NGC4298、M83 (2021/3/14)

3月14日の夜は、またベランダで春の銀河祭りを開催しました。夜から強風との予報もありましたが、北からの風なので南向きベランダなら大丈夫かと思って。今回も 8cm F6 屈折 + モノクロCMOSカメラ(ASI290MM) での撮影ですが、前回とは異なり赤外撮影ではなく…

M60 + NGC4647 + M59 + NGC4638、M83 (2021/2/19)

2月19日の夜は春の銀河を撮りました。今回は最近流行り(?)のモノクロCMOSカメラとIRパスフィルターを使って赤外線で撮るテストです。赤外線で撮れば光害も平気、という噂なので、銀河ならモノクロでも楽しめるかなと思って試してみました。ターゲットはおと…

木星の自転を止めて撮るには?

天リフを見ていて天下一画像処理会でご一緒した(?)木人さんのブログのこの記事が目に留まりました。木星を撮影する時に動画1本(一度にスタックする単位)をどのくらい時間までかけてよいのか?という話です。木星は自転が速いため、フレーム数を稼ごうと一本…

μ-180C の限界って?

6月13日夜の木星は今の所今期ベストの写りで、昨年のベストと比べても悪くはないといったところで、暇さえあれば13日の写真を見てニヤニヤする毎日だったのですが…でも、他の人の写真をながめていると、同クラスの機材でもまだ上が目指せるみたいなんですよ…

月面モザイク失敗… (2019/5/24)

昨日の記事の最後で「うっかりやらかしてしまって残念なことに…」と言っていた月面モザイクの件です。5月24日の深夜、2時過ぎに木星の撮影を終えたのですがかなり疲れていたので迷いつつも月面全面のモザイク撮影を始めました。μ-180C での月面モザイクは3月…

惑星撮影、ワンショットでどこまでいける?

4月16日のエントリの燐さんからのコメントで、デジカメのワンショット撮影で惑星を撮っているが綺麗に撮れないという話がありました。僕も以前 8cm 屈折(2xテレコンで合成F12)と E-M5 で木星や土星を撮っていました。その時のベストがこれ。これでも、これだ…

PHD2のドリフトアライメントについて

先日のM83の撮影の時に、PHD2 のガイドグラフの南北が入れ替わっててドリフトアライメントの際の極軸の調整方向が逆になってしまったという話について。 原因はわからないのですが、ガイドグラフの北(赤緯の+側)と南(赤緯の−側)が入れ替わっているっぽいの…

「5万枚の写真をつなぎ合わせた月の写真」の話

昨夜ネットメディアの GIGAZINE にこんな記事が公開されました。約5万枚の写真をつなぎあわせて超高解像度の月の写真を作成した猛者現る - GIGAZINE ちょっと「盛ってる」タイトルですね。天文やってる人ならピンと来る話ですが、スタックとモザイク撮影で合…

ガイド星のドリフト方向の反転について

一方向赤緯ガイド(uni-directional Dec guiding)では赤緯方向のガイドエラーは一方向のズレしか修正しないので、ガイドの修正方向がガイド星がドリフト方向の反対になるようにガイドモードを設定します。しかしガイド星のドリフト方向はガイド星の天球上の位…

ばら星雲 (2019/1/1)

あけましておめでとうございます。元日の夜は天気がよかったので久しぶりにばら星雲を撮ってみました。今回は 8cm F6 直焦。フォーサーズセンサーでは写野がギリギリなのですが少々はみ出すのも覚悟で撮影しました。幸いばら星雲中心部の散開星団 NGC2244 の…

一方向赤緯ガイドで馬頭星雲 (2018/12/30)

大晦日イブの夜は先月のオートガイドの失敗のリベンジで馬頭星雲を撮りました。前回の失敗の原因がよくわからないままテスト的に撮影したのですが、最終的には「一方向赤緯ガイド」が功を奏しました。月が出るまで撮れるだけ撮るということで、21:00過ぎに撮…

火星のLRGB(IR+RGB)撮影 (2018/7/19)

7月19日は体調が悪く朝から夜中までほとんど寝ていました。夕方コンビニにでかけた時は曇りだったので期待はしてなかったのですが、夜中の12時頃にベランダに出ると薄雲がちながら晴れていて火星が煌々と輝いていたので撮影することに。今回は、LRGB撮影でL…

木星のLRGB撮影 (2018/7/15)

7月15日は夕方から金星を撮ろうと思ってベランダに機材を出したのですが、機材を組み立てている間に、昼間の快晴の空が嘘のようにどんよりと曇りだしてひと雨降りそうな気配さえしてきたので、一度機材をバラして退避。結局金星は撮れませんでした。とはいえ…

ADCについて色々言ってきましたが…

6月21日の撮影では木星は急いでいたので ADC (大気分散補正プリズム)はゼロ補正のままで撮影して、土星と火星は補正ありで撮っていました。土星で ADC の調整をしていて気付いたのですが、補正前の色ズレの量が以前8cm屈折(BLANCA-80EDT)で撮っていた時にく…

ADCの間違った使い方

先日のエントリ「木星、1.6倍バローのテスト (2018/6/2)」の機材写真を見た人は「あれ、この ADC の向き変じゃね?」と思ったかもしれません。この ADC の変な使い方については、これまで何度か触れてきたのですが改めて。ADC (Atmospheric Dispersion Corre…

オートガイダー導入記 (10): 暴走するオートガイダー

前回の続きです。「オートガイダー導入記 (7): 屋外での撮影のテスト」でちらっと触れたガイドが暴走した件、その後何が起こっていたのか判明しました。当時具体的にどういう状況だったか当時のメモから引用します。 M31の後はM33。そしてM45を撮り始めたの…

オートガイダー導入記 (9): 赤い星雲どこまで写る?

前回の続きです。前回、低感度長時間露出がイケてるかも?という話をしましたが、その後原則 ISO 200 で 3 〜 5 分の露出で撮るようになりました。1軸ガイドなので赤道儀の極軸合わせはだいぶシビアになりますが、時間さえ惜しまなければ 288mm (フルサイズ…