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Deep Sky Memories

横浜の空で撮影した星たちの思い出

オートガイダー導入記 (1): スカイメモSにオートガイダーってアリですか?

思い出 機材

前回の続きです。

ここから新シリーズ「オートガイダー導入記」と題してオートガイダー導入にまつわるエピソードを書いていこうと思います。

スカイメモSには ST-4 互換のオートガイダー端子が付いています。

スカイメモS 本体
スカイメモS本体。右下のモジュラージャックがオートガイダー端子。
左側に置いてあるのは iPhone 7

こんな小さな赤道儀でオートガイダーなんて使えるんでしょうか?という話をする前にオートガイダーとはどういうものかについてざっくりと説明します。

オートガイダーというのは長時間露出や焦点距離の長いレンズで天体写真を撮るのに使う小型のUSBカメラです。といっても、それで写真を撮るのではなく、星の動きを追いかけて撮影(ガイド撮影)するために撮影用のカメラとは別にPCのUSBに繋いで、赤道儀制御用のソフトに星の映像をリアルタイムに入力するためのものです。*1

制御ソフト(PHD2 Guiding 等)はオートガイダーから入力された映像から星の動きを読み取り、オートガイダー側に赤道儀を動かすための信号を送ります。オートガイダーはその信号を中継して赤道儀のオートガイダー端子に送り、星の動きをキャンセルするように赤道儀のモーターを動かします。

元々赤道儀は極軸を地球の自転と反対方向に回すことで星の動きをキャンセルしているのですが、モーターのスピードの誤差や機械的な誤差、極軸合わせの誤差などが組み合わさって、どうしても微妙に星がズレていってしまいます。

なので、それが無視できないような条件では、撮影鏡とは別の望遠鏡(ガイドスコープ)を覗いて星の動きを見てモーターの速度や望遠鏡の向きを微調整しながら撮る必要があります。*2 これが「ガイド撮影」なのですが、それを自動でやってしまうのがオートガイダーです。僕が子供の頃はそんな便利なものはありませんでした。

しかし、スカイメモSのような小さな赤道儀でそんな大げさなことができるのでしょうか?やったとして意味があるのでしょうか?

まず、望遠鏡で撮る場合は望遠鏡に加えてガイド鏡まで載せなくてはなりません。耐荷重的に大丈夫でしょうか? BLANCA-80EDT にガイド鏡を取り付けるには鏡筒バンドも必要で、重量がさらに増えます。

また、スカイメモSの赤緯軸にはモーターがなく、オートガイドといっても1軸ガイドになります。星が赤緯方向に流れたら打つ手なしです。赤緯方向の誤差が発生する要因には、極軸合わせの誤差や、赤道儀の各部や三脚の撓みがありますが、それらはクリアできるでしょうか?

正直厳しいと思っていたので、スカイメモSのオートガイダー端子は飾りみたいなものだと思っていました。空の暗い場所で撮ったりF値が暗めの望遠レンズで長時間露出するなら使う意味があるかもしれませんが、横浜の空では ISO 1600, F2.0 なら2分足らずの露出で真っ白の写真になってしまいます。

なので、スカイメモSでオートガイダーを使うことはあまり考えていませんでした。

もっとも、デジカメWatchの「【コーワPROMINARレンズ リレーレビュー】星景・天体写真編:星降る夜の美しさを再現、見事な解像力」でポータブル赤道儀とオートガイダーで撮ったプレアデス星団の見事な写真を見て少しばかり心を動かされはしたのですが…

でもこれ、SWAT-350 ですしねぇ。本体にここに写っているオプション全部付けるとすごい値段になります。KYOEI-TOKYO で買うとこんな感じ。

http://rna.sakura.ne.jp/share/SWAT-350-full-armed.png

227,880円(税込)。本格的な自動導入赤道儀が買えるお値段。まあ、それだけの価値はあると思いますが、それだけにスカイメモSと一緒にしてはいけないかな、と。それによく見ると三脚も結構よさげな… ジッツオに見えるのですが気のせいでしょうか。

それはともかく… いずれしっかりした赤道儀を買う時には一緒にオートガイダーを買おうとは思っていて、天文ショップの通販サイトを訪れるたびにチェックしていました。そして昨年10月半ば、ある製品に出会ってしまったのです。(つづく)

続き:

*1:マイコンと制御ソフトを内蔵してPCを必要としないタイプのものもあります。

*2:撮影鏡の写野の外にある星を使ってガイドするオフアクシスガイドという方法もあります。