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Deep Sky Memories

横浜の空で撮影した星たちの思い出

赤緯方向のズレと大気差

最近は 1 枚 5 分の露出で 8 枚、余裕があれば予備を含めて 10 枚、総露出時間 40 分〜 50 分で撮影しているのですが、PHD2 のガイドグラフを見ていると、赤緯方向のガイドエラー、というか赤緯方向はガイドしていないので単なるズレですが、その量が時間と共に変化することがあります。

ずっとこれを極軸の誤差のせいか、機材のたわみのせいかと思っていたのですが、ひょっとして大気差の差、つまり追尾中に天体の高度が変わることで大気差による浮き上がりの高さが変わって、その赤緯方向の成分がズレとなって出てきたりしますか?

大気差の計算式は国立天文台暦計算室の用語解説によると、簡易的には  h_\alpha を見かけの高度、 R(h_\alpha) を大気差(単位は度)とすると、

 R(h_\alpha) = \frac{0º.0167}{\tan(h_\alpha + \frac{7.31}{h_\alpha + 4.4})}

だそうです。これをグラフにするとこんな感じ。縦軸の単位は秒にしています。

http://rna.sakura.ne.jp/share/refraction-1.png

あんまり低い部分はこの際関係ないので15度から90度までを拡大。

http://rna.sakura.ne.jp/share/refraction-3.png

先日撮ったソンブレロ銀河の写真は、Stellarium の表示によると、撮り初めの(見かけの)高度が 30.1 度、撮り終わりが 23.5 度。上の式で計算すると、大気差は 102.8 秒から 136.6 秒に変化していて、その差は 33.7 秒。結構ありますね…

赤経成分はオートガイドで補正されるはずなので、その赤緯成分が知りたいのですが、『天文年鑑 2017』 p321 によると、\eta を天体が天頂と極に張る角として、

\Delta\delta = R(h_\alpha)\cos \eta

だそうですが、 \eta の「天体が天頂と極に張る角」ってどうやって計算するんですかね?… 天体が子午線上だとすると南天なら 0 度で大気差がそのまま赤緯方向のプラスの差に、北天なら 180 度で大気差がそのまま赤緯方向のマイナスの差になるのはわかるんですが…

1 軸オートガイドでも極軸さえ正確に合わせれば正確に追尾できるかと思っていましたが、そう簡単な話ではなさそうです。とりあえずなるべく子午線をまたいで撮るようにして、撮影中の高度の変化を減らすのがよさそうです。