昨夜の東京(職場)は夕方から妙に空が晴れていて、これは久々に星が見れるかも?と思いつつも GPV の予報はずっと曇りなのであまり期待せず帰宅したのですが、どうも横浜も晴れているっぽい、ということで、21:30 頃からベランダに望遠鏡を設置。
いつものようにドリフト法で極軸を合わせていたのですが、ネットしながらだらだらとやってたし、高度調整に手間取ったこともあって1時間ぐらいかかりました。純正の微動雲台、高度調整はウォームギア式ですが、バックラッシュが大きくて調整しすぎて戻す時に微調整が難しいです。
今回のターゲットは、みずがめ座の球状星団 M2 と、同じくみずがめ座の惑星状星雲らせん星雲(NGC7293)だったのですが…
あいかわらず横浜は夜空が明るくて、はっきり見える星がアルタイルしかなくて、そこから M2 まで星を辿ろうとしたのですが、ちょっと無理でした。レデューサーなしの 480mm (フルサイズ換算 960mm)だと視野が狭くて途中でどこにいるのかわからなかくなってしまいます。横着せずにガイドスコープとファインダーを交換してファインダーを使えばよかったかも…
目を凝らすとペガサス座の鼻先にある2等星エニフが確認できたので、そのすぐ近くの球状星団 M15 を導入しました。そこから南に下れば M2 ですが、せっかくなので M15 を撮ることにしました。
今回は赤経方向の追尾精度の改善がテーマで、PHD2 のガイドアルゴリズムのパラメーターを変えてみました。アルゴリズムは「ヒステリシス」で、今まで設定はデフォルトのままでした。今回は「積極性」を上げてみよう、と思ったら「最小移動検知量」がなぜかデフォルトの 0.20 ではなく 0.38 になっていることが判明。こんなところいじった憶えはないのですが…
そういえばガイドグラフを見るとガイド星の動きに対して修正動作が出遅れる傾向があったな、と思って、こちらをデフォルトの 0.20 に戻すことにしました。「積極性」も 80 に設定して、試験運転では良さそうな雰囲気だったのですが、一度に二つのパラメーターを変えるとどちらの効果なのかわからなくなるので、本番では 70 のまま撮影しました。
撮影中ガイドカメラの映像に人工衛星が横切るのが映っていましたが、σクリッピングで消せばいいやと予定通り8枚撮影で終わろうと思ったところ、8枚目を撮り終わる前にフラット撮影のために用意した iPad を PC に挿したUSBケーブルのコネクタにぶつけてしまいました。
ガイドカメラの映像がピタッと止まりガイドグラフも停止。オートガイダーとの通信が途絶えてしまったようです。あわててUSBケーブルを挿し直し PHD2 を再起動。すぐにガイドが再開したのですが、10秒近くガイドが止まってしまいました。撮影後写真を確認すると問題の8枚目は見事にブレていたので追加で1枚撮影…
というわけでなんとか撮れたのがこちら。
なかなか球状星団らしく写っていると思うのですが、天文書の作例と比べると粒の小さな星の写りが悪いのか、いまいち密度が足りないような写りです。ちょっとピントが甘いからかな?それとも追尾精度の問題でしょうか。
ガイドパラメーターの変更はそこそこ効いている様子で、RMSエラーは1.5〜1.6秒ぐらいでした。今までは2秒弱だったので少しはマシに。でも等倍でよく見るとまだ星が楕円になっています。
ちなみに人工衛星はガイドカメラ映像で見たものの他にもいくつも近くを横切っていましたが、σクリッピングで綺麗に消えました。
M15 の後はレデューサーを付けてらせん星雲を狙ったのですが…
フォーマルハウトから星を辿ってらせん星雲があるはずの場所を試し撮りしたのですが何も写りません。Lightroom で色々いじってもそれらしき星雲は確認できず。そもそも高度が低いせいか薄雲が出ているのか透明度が悪く背景も明るくて星があまり写りません。ISO200の60秒露出で背景の濃度が25%ありました。
これでは長時間露出だと白飛びしてしまうので3分露出でとりあえず撮影開始。しかしガイドカメラの映像はザラザラのノイズにまみれているし、PHD2 は頻繁にガイド星を見失うしで、まともに撮れている気がしない状況。8枚撮り終わって外を見ると薄雲が一面にひろがっていました…
というわけでらせん星雲は失敗。また次の機会に狙ってみたいです。
失敗と言えば、ダークを撮る前になって気付いたのですが、また組み込みの伸縮フードを伸ばすのを忘れてました。なんで巻きつけフードを巻きつける時に気づかないかなー。あとでブログ読み返してこの手の失敗をリストアップしてチェック項目にまとめたいと思います…