Deep Sky Memories

横浜の空で撮影した星たちの思い出

馬頭星雲 (2017/11/24)

昨夜は23時頃に帰宅して正直星を撮る元気が不足している状態だったのですが、せっかくの晴れなので何か撮ろう、でも外に出る元気はないなー、ってことで、ベランダから馬頭星雲を撮りました。

馬頭星雲は、これが撮りたくてオートガイダーを買っただけあって同じ機材で何度も撮っていますが、6分露出で16枚コンポジットで自己ベスト更新を目標にしました。

ちょうど去年の今頃にオートガイド撮影に慣れてきた時に撮った写真は3分露出8枚コンポジットで、今回はその4倍の露出時間です。これまでの自己ベストは今年1月に撮った写真で「オートガイダー導入記 (9): 赤い星雲どこまで写る?」に載せたもの。これが5分露出8枚コンポジットで、今回はその2.4倍。

少し風があるのかガイドが乱れがちで、RAのRMSエラーは最悪で±2秒弱。平均すると±1.7秒くらいでしょうか。DECは極軸がズレているのか機材がたわんでいるのか、安定したと思ったらじわじわズレていってまた安定、ということを繰り返して、RMSエラーはやはり最悪で±2秒弱。途中2回撮影を中断して極軸を再調整。終始ガイドグラフが気になって気が休まらない撮影になりました…

2時間かかってなんとか16枚確保。写野に飛行機(米軍機?)が飛び込んだカットが1枚ありましたがσクリッピングで消すことにして*1 16枚全部をコンポジットしました。

結果はこちら。

馬頭星雲 (2017/11/25 01:09)
馬頭星雲 (2017/11/25 01:09)
笠井 BLANCA-80EDT (D80mm f480mm F6 屈折), 笠井 ED屈折用0.6xレデューサー (合成F3.6), LPS-D1 48mm / Kenko-Tokina スカイメモS, D30mm f130mm ガイド鏡 + QHY5L-IIM + PHD2 による自動ガイド/ OLYMPUS OM-D E-M5 (ISO200, RAW) / 露出 6分 x 16コマ 総露出時間 48分 / DeepSkyStacker 3.3.2, Lightroom CC で画像処理, フルサイズ換算 1150mm 相当にトリミング

一応自己ベストは更新したかな、と。頑張って撮ってよかったです。とはいえ画像処理を少し上手くやれるようになったのと、光害カットフィルターを交換したのが大きいですが。*2

しかし16枚コンポジットでもっとノイズが減るかと思ったらそれほどでもないですね。枚数を倍にしてもノイズ3割くらいしか減らないのでこんなものですかね… でも強調処理は多少やりやすくなった気がします。

もう少し強調処理を抑えるとノイズも穏やかになるのですが、無改造デジカメで赤の写りが悪いのでどうしてもキツい強調をかけてしまいますね。

今の機材ではこのへんが限界でしょうか。背景の濃度は50%弱なのでもう少し露出をかけられそうですが、スカイメモSでは、というか1軸ガイドでは追尾精度が限界です。やっぱり赤道儀を… って最近そればっかりですね。


撮影後、薄明まで時間があったので眼視で M42 ととも座の二重星団 M46 + M47 を見ました。M42 はやっぱり色は見えませんでしたが中心部は光害に負けずによく見えます。二重星団は M47 の方はよく見えたのですが M46 の方はほとんど見えませんでした。暗い星が多いので光害に負けてしまっているようです。

しし座がかなり高くまで昇っていたので三つ子銀河を見ようとしましたが、雲が出てきて断念。また今度見てみたいと思います。でも M46 が見えないくらいだから難しいかなぁ。

*1:参照:「σクリッピング

*2:以前のフィルターは星像の歪みが出ていた。参照:「LPS-D1 QRO について