ずいぶん間が空いてしまいましたが3月14日の撮影の反省エントリを…
14日は平日にもかかわらずむしゃくしゃして深夜の撮影を敢行しました。ターゲットは11日に電池切れで撮影できなかったM83です。なのですが…
これはひどい… いや、初めての撮影だったら南中高度も低いしこんなもんかーってスルーしてたかもしれないんですが、昨年2月にレデューサー使用で撮ったものと比べると、ノイズがひどくボソボソの仕上がりです。こんなはずではなかった… とがっかりしてしまいました。
その他色々課題がある撮影でしたので今後のためにまとめておこうと思います。
ノイズ
なんでこんなにノイジーなのか?長時間露光のせいでしょうか?ダークフレームのヒストグラムを3月11日の撮影で撮ったものと比較すると、ダークノイズの輝度が3倍ぐらい強くなっていました。気温が上がったせいでしょうか?
光害カブリのショットノイズも気になります。今回の写真、強調処理の前はこんな状態でした。
これは DeepSkyStacker の出力をカラーバランスだけ整えたものですが、背景の輝度が75%もあります。*1 以前の撮影と比べると3月11日の三つ子銀河が68%、先月のM100が50%で、背景輝度が上がるほどノイジーになっている気がします。
ショットノイズの大きさ(標準偏差)は光の強度の平方根に比例するので*2 輝度が大きいほどSN比は上がりますが、ノイズそのものは大きくなるのでレベル補正で背景の輝度を落とした時に浮き出るノイズは大きくなるはずです。
とはいえ平方根で効いてくるので50%から75%でもノイズは22%程度しか増えないんですよね。背景と天体の輝度の差が小さいと、きつい強調処理で天体をあぶり出す時にノイズも強調されてしまうので余計にノイジーになるのでしょうか?
光害カブリがノイズの原因なら春霞で透明度の低い日には撮らない、特に南中高度の低い M83 は冬のうちに撮るべし、ということになります。総露出時間が2時間以上となると薄明前に撮り終わるには2月でしょうか。ダークノイズが原因としても2月なら大丈夫かも。でも夏の天体の撮影が思いやられます…
電池切れ
前回の電池切れに懲りて撮影直前まで充電、トータルで40時間くらいは充電して残量表示がグリーンなのも確認して撮影に望んだのですが、撮影終了後コントローラで望遠鏡を動かしたところで電池切れ。ダークを撮った後に眼視で木星を見ようと思ったのですが諦めました。
23:00過ぎに運転開始、03:05に電池切れなので、やはり4時間足らずで電池切れです。これでは使い物になりませんね… ベランダではACアダプターを使うとして、野外ではどうしましょう?もっとも野外に機材を運搬する手段も今はないのでそれも含めて検討したいと思います。
SB10 の設定で導入速度を落とすのと引き換えに消費電力を抑える設定があるのでそれも試してみようと思いますが、運転時間の大半はオートガイドでこの状況なのであまり効果はなさそう。
ガイドの乱れ
前回ガイドの調子がよかったのでもう大丈夫かと思ったら、今回は赤緯方向のガイドがかなり乱れました。RMSエラーは赤経0.95秒、赤緯1.35秒。
赤緯方向のエラーは、こんな感じに行ったり来たりしたり、
あるいは突然大きくブレたりというもの。
なんなんでしょうね?風はほぼ無風だったので、風のせいではないはず。ケーブルが引っかかってるせいでもなさそうな…
その他
今回は「なんちゃってディザリング」をやってみました。前々回方向キーの速度が速すぎると言っていましたが、これはズームキーで解決しました。ズームキーは星図をズームするものだとばかり思っていたのですが、連動して方向キーの速度が調整される仕組みになっていて、ズームアップすれば微動になるのでした。
そんなわけで、今回の撮影は失敗と言っていい結果に終わりました。ぶっちゃけかなり凹みました。スカイメモSで撮った写真の方がずっと綺麗っていうのが… 元々 SX2 は惑星観察用の望遠鏡を載せるために購入したのですが、そちらの方も不安になってきました。この上まだ20万以上投資して元取れるの?みたいな。うーん…
*1:というか、最初に15分露出で試し撮りした時に90%になってしまったので露出を12分30秒に落として75%になるようにしました。