4月27日はGW前ということで朝方まで惑星撮影の練習をしていました。今日こそは大赤斑を、と思っていたのですが、帰宅が21:30頃になって残念ながら大赤斑は通りすぎた後。
でもイオの木星面通過があって、うまくいけばイオの影が見えるはず、ということで帰宅するなり望遠鏡をベランダに設置。パーツが増えてだんだん作業が複雑になっていって緊張しますが慣れるんでしょうか… 焦りながらも割と余裕で間に合って、COMSカメラのプレビュー映像でイオの影が確認できました。
今回のテーマは「ドタバタLRGB撮影」。よくあるフリップミラーの両側にカメラを取り付けて、PCにUSBを二本挿ししてL画像撮影とRGB画像撮影を切り替える、というのではなくて、Lを撮ったら急いでカメラを抜き差しして、USBも抜き差しして、キャプチャソフトの設定も素早く切り替えて、というのが「ドタバタLRGB撮影」です。
そんなわけで前回は使わなかったモノクロカメラの ASI290MM でまずL画像を撮影。続いて ASI290MC に差し替えてRGB画像を撮影。その間1分46秒。SharpCap の設定ですが、どうやらカメラごとに設定が保存されるらしく、最初にカラーカメラで露出やゲインを合わせていたので、再設定は不要でした。
そうやって撮った動画を AutoStakkert!3 でスタックして、RegiStax 6 で処理して、Photoshop でLRGB合成です。
Photoshop でのLRGB合成は、こちらの動画を参考にしました。
具体的にはこんな手順です。
- どうにかしてL画像とRGB画像を位置合わせする。
- RGB画像を開いて [イメージ - モード - Labカラー] で画像のカラーモードを Lab に変更。
- L画像を開いて全選択してコピー。
- RGB画像のチャンネルからLチャンネルのみを選択してL画像をペースト。
- そのままだと暗くなるのでLチャンネルにレベル補正をかける(中央のスライダを調整)。
最初の位置合わせですが、今回は手動で回転・シフトして合わせました。上の動画では Photomerge を使用していますが、記事で補足されているように、回転が必要な位置合わせは回転ではなく変形で合わされてしまって像が歪んでしまってダメでした。
結果はこれです。
どうでしょう?結構イケてるような!?よく見るとLとRGBが少しズレてるんですけどぱっと見わかりませんね。ちなみに右上にうっすら見えている星はカリストです。
しかし8cm屈折ってここまで写るものなんですね… 今までどうせ縞模様は3本くらいしか見えないしと思って縞模様の名前を憶えてこなかったんですが、そろそろ憶えた方がいいかな…
合成前の画像はこれです。
RGBだけよりはLRGBの方が解像感が増していると思います。元々の外像度が低いので微妙ですけど。
このくらいの解像度だと合成すると目立ちませんが、元の画像を見るとドタバタしている間に木星の模様もイオの影も少し動いてしまっているのがわかります。WinJupos とかいうのとを使うと木星の自転を巻き戻して合成できるそうですが、今回は試していません。衛星の影の動きも巻き戻せるんですかね?
カメラの挿し替えでピントがズレたりしないかと思ったのですが、これはどうやら問題なさそうです。LとRGBで画像が回転してしまうのはあまりよくないですが「ドタバタ」だと角度を合わせる時間がないので… カメラに印でもつけておくのがいいかも。
木星はちょっと厳しい感じですが、火星の自転速度は木星の半分以下なので「ドタバタ」でもなんとかなるかな?もう少し試しながら考えてみます。
なお ADC はここではまだ補正量ゼロのまま使っています。大気色分散と光学系の色ズレは Registax 6 の RGB Align で補正しました。
この後はいよいよ ADC の補正を試してみて、土星と火星を撮りましたが、そのへんはまた後ほど。