6月25日は朝から具合が悪く夕方までほぼ寝ていました。お昼ごはんを買ってきた時にえらい快晴だったのでひょっとしてと思って夕方ベランダに出ると快晴で南東の空に月がくっきりと見えています。日が沈む前に機材を組み立ててまずは木星を撮りました。
今回はシステムAで2.5倍バローを使うテストです。ADCが間に入り実際の倍率は2.9倍ぐらい、合成F値は35ぐらいです。1/60秒で撮るにはゲインを383まで上げる必要がありました。プレビューもかなりノイジーで不安になります。
それ以上に不安にさせられたのはピント合わせです。今まで愛用してきた Contrast (Edge) Detection による合焦支援がどうもあてになりません。シンチレーションのせいなのかなんなのか、目視ではどう見てもピントが外れて見える位置にピークが出てしまいますし、ピントを固定していてもスコアが突然上がったり下がったりするのでスコアをあてにしてよいものか判断しかねます。
Contract (Brightness Range) Detection も Fourier Detail Detection も試しましたが、どちらも山がつかみづらいし、フレームレートが落ちてしまって画像でのピント確認が難しくて難儀しました。結局 Fourier Detail Detection のゆるいピークの範囲内で画像の見え具合で合焦を判断しました。
1000/3000コマのスタックだとかなりザラザラだったので2000コマをスタックしたものを仕上げてみました。
北赤道縞(NEB)のうねりの詳細が見えてきました。が、全体に像がぼやけているのはピントが追い込めてなかったのか、そもそも分解能の限界なのか… とはいえ1.6倍バローよりは解像しています。
1000コマをスタックしたものを4セット分、WinJUPOS で de-rotation スタックしたものも仕上げてみました。今回は端にノイズが出ないようにLV値を0.8に設定しています。
ぱっと見あまり変わりませんが… 強めの wavelet 処理で細部のコントラストが上がっています。しかし東西の端に不自然な段差ができてしまっているのに気付いてしまうと気になってしまいます。Image measurment をもっと正確にやればマシになるんでしょうか?
このあと1.6倍バローのシステムB+でも撮ってみました。
このくらいの倍率のほうが無理がない印象があります。でも、NEB のうねりの渦巻いている感じがこちらの画像ではわかりにくいですね。
前から感じていたんですが、William Optics 1.6倍は笠井2.5倍に比べてコントラストが若干低いような… 倍率が異なる画像の wavelet 処理を揃える方法がわからないので正確には比較できないんですが。
ついでにバローレンズなしの直焦点でも撮ってみました。
これはさすがにもったいない感じです。ちなみに RegiStax の RGB Align で測定するとY方向に Red が1、Blueが-1ズレていました。直焦点は純粋な反射光学系なのでこれが大気色分散の大きさということになります。
この後月面と土星と火星を撮りましたがそれはまた後ほど。この日は24時過ぎから空に霞がかかってきたので火星は1カットしか撮れずに撤収しました。