Deep Sky Memories

横浜の空で撮影した星たちの思い出

火星の自転、火星の地形 (2020/10/1)

10月1日の夜に撮った火星の画像処理が終わったのですが、そのまま貼ってもわかりにくいと思い、仕上げた写真を元に火星の自転を示す動画と火星の地形を説明する動画を作成しました。

動画は flickr にアップロードしたものを埋め込んであります。エラーが出てうまく再生できない場合はキャプションのリンクをクリックすると flickr のページに飛ぶのでそちらで見てください。

まず火星の自転。

21:09から22:08にかけて約30分毎に撮影した3枚の写真から作成したタイムラプス動画です。せめて5枚くらい繋げたかったのですが、途中で曇ったので3枚しか撮れませんでした。

こちらは同様に23:45から24:45にかけて撮影した3枚の写真から作成したもの。

火星の自転周期は地球より少し長い24時間37分。ある日見た火星の中央に見えていた地形は翌日の同じ時刻に見ると一回転しきれずに少しに左(西)にずれた位置に見えます。地球と火星の位置関係もあるのでややこしいですがだいたい20日ほどで裏側が見えるようです。

次に地形の説明。地名の表記は『月刊 星ナビ』2018年7月号付録の表記に従っていますが「ケルベルス」のみ「ケルベルス地溝帯」と表記を変えています。

21:08 に撮った写真をシミュレーション画像と比べて目立つ地形の位置を示したものです。

マリネリス峡谷がはっきり見えています。太陽湖もそれっぽい位置に見えています。シレーンの海はシミュレーションの姿とはだいぶ形が違うのですが砂が積もったとかでしょうか?オリンポス山の位置にはうっすら明るい斑点が見えます。タルシス山地の三つの山(アスクラエウス山、パボニス山、アルシア山)ははっきりしません。

同様に 24:48 に撮った写真の地形の位置を示したものです。

西からキンメリア人の海が見えてきています。シミュレーションではキンメリア人の海とシレーンの海の間はもっと明るいのですが、写真ではなぜか海と同じくらい暗くなっています。うっすらですがケルベルス地溝帯も見えています。オリンポス山のあたりに明るい斑点がはっきり見えています。山の西側が照らされて光っているのでしょうか?タルシス山地は三つの山は識別できませんが山地に沿って白っぽい霞のようなものが見えます。山地に沿ってできた雲でしょうか?

写真に写った地形の判別は地図と写真を見比べるだけではいまいちわかりにくいのですが、こうして動画にするとわかりやすくなります。かなり手間でしたが作って正解でした。

動画は Photoshop CC で作成したキーフレームを TMPGEnc Video Mastering Works 5 でスライドショー素材として取り込んでトランジションや字幕を付けて作成しました。BGMは Kevin MacLeod さんの Hypnothis です(CCライセンス)。

動画で使った写真の撮影データは前回のエントリを参照してください。

火星 (2020/10/1)

2ヶ月近くご無沙汰していました。天気も悪かったのですが、このところずっと「天文鬱」といいますか、星を見なきゃ→でも何もしたくない→いっそ空が曇って欲しい… という状態で、天気が悪くなるとホッとする有様。火星を見るチャンスも何度かあったのですが、見なきゃ見なきゃという気持ちだけ頭の中をぐるぐるするばかりで体を動かす気力が絞り出せず、全部スルーするという状況でした。

昨夜(10月1日)も体調が悪く仕事を早退して横になっていたのですが、今後の天候によっては最接近の火星を見れなくなるかも、と思って必死の思いで体を起して夕方からベランダに赤道儀を設置。一時間ほどかけてドリフトアライメントで極軸を合わせて、μ-180C を載せて、L+RGB撮影システムを組み上げて、久々の惑星撮影に臨みました。

ピント合わせも兼ねてまず南東の空に傾いた木星を撮ったのですが、どうも木星像が不自然。1セット(L x3, RGB x3)撮ってから気付いたのですがモノクロカメラを逆さまに取り付けていました。まあ画像を逆転すれば済むことなのでまあいいかというところですが、久々なのでどこか抜けてるようです。気を引き締めて続けます。

木星は大赤斑も見えていないしそこそこにして次は土星。今度はカメラを正位置にセットします。スタックして wavelet をかけると輪の端に黒い影が。どうもまた「おせんべいノイズ」が出ているようなのです。*1 その後撮った火星でも一部のスタック結果で出ていました。何なんでしょうね?

そして火星ですが、東の空が霞んでいて南中まで待っていると雲が出て撮れなくなるかもと思い、21:00頃から30分間隔で3セット撮影。南極冠が粒みたいに小さくなっていて、北半球が明るく南半球に黒い模様が広がっていました。プレビューでは詳細はわかりませんでしたが、シレーンの海からオーロラ湾にかけてが見えていたようです。

途中から薄雲が広がるものの、満月はくっきり見えているし、1/125秒露出で十分写る明るさだったのでそのまま撮影していたのですが、4セット目を撮ろうとした22:30頃から雲が厚くなり撮影中断。空を見上げると一面のうろこ雲。その後、雲が薄くなったタイミングで何本か撮ってみたのですが途中で雲に隠れたりしてダメでした。

今夜はこれまでかな、と思っていたら23:30頃に雲が全部流れていってほぼ快晴に。雲が流れた直後はシーイングが乱れ気味でしたが、少し待ったら落ち着いてきたので23:45頃から撮影再開。火星は自転してキンメリア人の海からシレーンの海にかけてが見えてました。3セット撮ったところでSSDがいっぱいになり、平日ということもあって、撤収することにしました。

撮影の合間にスタックと仮の wavelet 処理だけはしていたのですが、本格的な画像処理は明日以降、と思っていたのですが… 結局火星の写り具合が気になって眠れず、朝方に最後のセットだけ処理しました。

火星 (2020/10/2 00:48)
火星 (2020/10/2 00:48)
高橋 ミューロン180C (D180mm f2160mm F12 反射), AstroStreet GSO 2インチ2X EDレンズマルチバロー (合成F40.4), ZWO IR/UVカットフィルター 1.25", ZWO ADC 1.25" / Vixen SX2 / L: ZWO ASI290MM (Gain 264), RGB: ZWO ASI290MC (Gain 302) / 露出 1/125s x 2500/5000コマ x6 (L:3, RGB:3) を de-rotation してスタック処理してLRGB合成 / AutoStakkert!3 3.0.14, WinJUPOS 11.2.0, RegiStax 6.1.0.8, Photoshop CC 2020, Lightroom Classic CC で画像処理

かなり細かい模様まで解像していて、そこそこ上手く撮れた気がします。

火星は現在地球から少し見上げるような位置関係にあり、南極が見えて北極が隠れる状態です。火星の南半球は夏の盛りのようで、8/1に撮影した火星と比べると南極冠がずいぶん小さくなってほとんど消えかけです。北極付近が白く霞んでいますが、雲が出ているのでしょうか。白い霞は画像の右側(東側*2 )のタルシス山地付近にも出ています。

南半球には黒い模様が広がっており、画像の左の方(西)にキンメリア人の海が、画像中央から右(東)にかけてシレーンの海が見えています。WinJUPOS のシミュレーションや『星ナビ』2018年7月号付録の地図だとキンメリア人の海とシレーンの海の間はもっと明るいはずなのですが、写真では黒い模様で繋がって見えています。

ということで、撮る前は辛かったのですが撮ってみるとちゃんと体が動いてそこそこ満足できる結果が得られました。頑張った甲斐がありました。火星の残り5セットと木星土星は後日処理してアップします。

*1:参照: https://rna.hatenablog.com/entry/20200617/1592405940

*2:天球上ではなく火星面上での東です。頭の中で火星面に日本地図を置いて考えるとわかりやすいです。

冥王星とカロン?

8月11日の夜に撮った冥王星カロンは写らなかったと書いたのですが…

そもそもアマチュアの機材でカロンを撮ることができるのか?と思って AstroBin で探してみたら Image of the day 2013/09/11 に選ばれた写真がありました。

12.7cm 屈折で撮ったものだそうです。冥王星カロンを分離はできていませんが、冥王星から突き出た出っ張りのような形でカロンの存在がわかります。

それなら18cmでも写るのでは?と思って、11日の写真を wavelet 処理してみました。

冥王星周辺 (2020/8/11 23:00) (wavelet)
冥王星周辺 (2020/8/11 23:00) (wavelet)
高橋 ミューロン180C (D180mm f2160mm F12 反射), ZWO IR/UVカットフィルター 1.25" / Vixen SX2 / ZWO ASI290MC (Gain 285) / 露出 15秒 x 10/20コマをスタック処理 / AutoStakkert!3 3.0.14, RegiStax 6.1.0.8, Lightroom Classic CC で画像処理

冥王星を拡大してみると…

冥王星とカロン? (2020/8/11 23:00) (3倍に拡大)
冥王星カロン? (2020/8/11 23:00) (3倍に拡大)

冥王星が真円にならずに左斜め上に伸びたような形をしています。追尾エラー?と思わなくもないのですが、すぐ右隣の USNOA2 0600-41219351 は真円なのでそうではなさそうです。

Stellarium の表示を縮尺を合わせて重ねると、カロンの位置と星像の伸びる方向がほぼ一致しました。

Stellarium の星図を重ねたもの

ということで、カロンが写ってたかも?という状況なのですが…

撮影時の冥王星カロンとの離角を計算すると約 0.60 秒。*1 口径18cmの望遠鏡のドーズの限界は 0.64 秒なので二星を綺麗に分離して見ることはできないはずですが、長円状の星像としてなら写ってもおかしくありません。

現在カロンの軌道面は地球に対してほぼ垂直の向きになっているようで当分はいつ見ても冥王星から 0.6 秒くらいの離角で見えるようです。20cm 以上の望遠鏡をお持ちの方はぜひチャレンジしてみてください!

*1:http://www.bao.city.ibara.okayama.jp/stardb/sol/data/sol0115.html の公式に Stellarium で表示された冥王星カロン赤経赤緯を代入して計算しました。

NGC7009 土星状星雲 (2020/8/11)

8月11日の夜は冥王星の撮影の後、土星状星雲(NGC7009)を撮りました。

NGC7009 土星状星雲 (2020/8/11 23:14) (normal + wavelet)
土星状星雲 (2020/8/11 23:14) (normal + wavelet)
高橋 ミューロン180C (D180mm f2160mm F12 反射), ZWO IR/UVカットフィルター 1.25" / Vixen SX2 / ZWO ASI290MC (Gain 285) / 露出 4秒 x 90/180コマをスタック処理 / AutoStakkert!3 3.0.14, RegiStax 6.1.0.8, Photoshop CC, Lightroom Classic CC で画像処理

wavelet 処理したものを30%ブレンドしてあります。なんとか「輪」の部分も写っていますが、輪の端の赤い部分が出ていません。結構暗いようなので露出を上げないとダメなんですかね?とはいえ4秒以上だとノータッチは厳しい感じでオートガイドが必要でしょうか。ちなみにブレが少なくなるように2秒露出でも360コマ撮ってスタックしてみましたが、淡い部分の階調が出なかったのでボツにしました。

3月に撮った木星状星雲は眼視で見るのを忘れて本当はどんな色か確認できなかったのですが、土星状星雲は撮影後に眼視でも見てみました。90倍で「土星の本体」の真ん中の明るい部分だけ見えました。横に伸びた楕円形の青緑色の星に見えました。写真の色でだいたい合ってると思います。

比較のために木星状星雲の写真も貼っておきます。カラーバランスは土星状星雲と同じになるように再調整してあります。

NGC3242 木星状星雲 (2020/3/24 21:49) (normal + wavelet)
NGC3242 木星状星雲 (2020/3/24 21:49) (normal + wavelet)
高橋 ミューロン180C (D180mm f2160mm F12 反射), ZWO IR/UVカットフィルター 1.25" / Vixen SX2 / ZWO ASI290MC (Gain 350) / 露出 4秒 x 250/1000コマをスタック処理 / AutoStakkert!3 3.0.14, RegiStax 6.1.0.8, Photoshop CC, Lightroom Classic CC で画像処理

冥王星 (2020/8/11)

8月11日の夜は快晴。このところ計画していた冥王星の撮影にチャレンジしました。

冥王星は14等。いつもの惑星撮影システム(F40.4)でも撮れなくはないのですが*1 そこまで拡大してもただの点にしか写りませんし、写野に目印になる恒星が一緒に写らないと本当に撮れているのかわからないですし、そもそも導入もままならないので、今回は直焦点で撮ることにしました。

冥王星木星土星の間にいるので、木星土星でアライメントを取れば自動導入でバッチリ… と思ったのですがなかなかそういうわけにもいかず、Stellarium とにらめっこして30分くらいかけて明るめの星のパターンを見つけてなんとか導入。

目印になる星が写野に入るように、また、可能なら翌日も撮って冥王星が移動しているのがわかる写真に仕上げたいので、冥王星は写野中心から外して撮りました。

冥王星 (2020/8/11 23:00)
冥王星 (2020/8/11 23:00)
高橋 ミューロン180C (D180mm f2160mm F12 反射), ZWO IR/UVカットフィルター 1.25" / Vixen SX2 / ZWO ASI290MC (Gain 285) / 露出 15秒 x 10/20コマをスタック処理 / AutoStakkert!3 3.0.14, Lightroom Classic CC で画像処理

冥王星 (2020/8/11 23:00) (キャプション付き)
冥王星 (2020/8/11 23:00) (キャプション付き)
恒星の名称は https://wikisky.org/ より。

写真下の HD 185301 (9.3等)と、右上の TYC 6889-13-1 (11.2等)を目印に導入しました。Stellarium では冥王星のすぐ右にある USNOA2 0600-41219351 (13.2等)が表示されないので導入に自信が持てませんでした。Stellarium って結構そういうことがあるので困ります…

F12の15秒露出でどこまで写るかと思いましたが17.2等くらいまでは写っているようです。しかし冥王星の衛星カロン(16.2等)は写りませんでした。ギリギリ解像するかと思ったのですが、シーイングもあまり良くなく、ノータッチ追尾で15秒露出はスタックすれば星像は丸くなるものの一枚一枚はそれなりにブレているので無理だったようです。

太陽系の惑星は昨年コンプリートしたのですが、長年第9惑星として親しんできた冥王星を撮っていないのは心残りだったので今回撮れてよかったです。とはいえ、このままだとただの点なので、今日か明日また同じ写野を撮って冥王星が動いているのがわかる写真に仕上げてみたいです。

火星 (2020/8/1)

8月1日の夜は木星と土星を撮った後、深夜から南東の空に昇ってきた火星を撮りました。ずいぶん東寄りから昇ってきたと思ったら赤緯土星より20度以上北で南中高度は58度。

朝まで見ていたいところでしたが、体力とSSDの容量が限界で1時過ぎに撮影を終え撤収しました。結局その後徹夜で画像処理していたのですが…

火星 (2020/8/2 00:38)
火星 (2020/8/2 00:38)
高橋 ミューロン180C (D180mm f2160mm F12 反射), AstroStreet GSO 2インチ2X EDレンズマルチバロー (合成F40.4), ZWO IR/UVカットフィルター 1.25", ZWO ADC 1.25" / Vixen SX2 / L: ZWO ASI290MM (Gain 245), RGB: ZWO ASI290MC (Gain 285) / 露出 1/125s x 2000/5000コマをスタック処理 x6 (L:3, RGB:3) を de-rotation してLRGB合成 / AutoStakkert!3 3.0.14, WinJUPOS 11.1.5, RegiStax 6.1.0.8, Photoshop CC 2020, Lightroom Classic CC で画像処理

火星 (2020/8/2 01:01)
火星 (2020/8/2 01:01)
高橋 ミューロン180C (D180mm f2160mm F12 反射), AstroStreet GSO 2インチ2X EDレンズマルチバロー (合成F40.4), ZWO IR/UVカットフィルター 1.25", ZWO ADC 1.25" / Vixen SX2 / L: ZWO ASI290MM (Gain 245), RGB: ZWO ASI290MC (Gain 285) / 露出 1/125s x 2000/5000コマをスタック処理 x6 (L:3, RGB:3) を de-rotation してLRGB合成 / AutoStakkert!3 3.0.14, WinJUPOS 11.1.5, RegiStax 6.1.0.8, Photoshop CC 2020, Lightroom Classic CC で画像処理

前回に比べるとだいぶ大きくなりました。視直径は約14.7秒で、4割以上大きくなっています。10月6日の最接近時の視直径と比べるとの約65%の大きさです。

地形は… 2年前に買った『星ナビ』の付録の火星の地図がどこかに行ってしまってちょっとよくわかりません。サバ人の湾と子午線の湾はわかるんですが。

画像処理は火星の明るい縁の処理が悩みの種ですが、その外側にゴーストみたいなものが出てきてしまうのにも困っています。レタッチで消してしまってますが、消す前はこうなっています。

ゴースト?
ゴースト?

画像処理のせいでくっきり出てしまっているのは確かなんですが、その元になっているゴースト状の光はプレビュー映像でも見えてるんですよね… これは消すべきではないのかどうなのか?

木星、土星 (2020/8/1)

8月1日、関東も梅雨が明けて久々の晴天。とはいえ SCW ではくもりの予報だったので天体撮影の予定はなかったのですが、20時頃にベランダに出てみると薄雲はあるものの月と木星が見えていたので、ダメ元で機材の設置を始めました。

が、ドリフトアライメントで極軸を合わせている間に雲が出てきて作業中断。方位調整はできたものの高度調整が途中のまま。とはいえ、ある程度追い込んではいたので、最後の調整を勘でハンドルを回して終わらせて、そのまま撮影準備。

雲が切れてきて、木星をカメラに捉えるとほぼ中央に大赤斑が!20時頃から大赤斑が見えるのはわかっていましたが、間に合わないかと思っていました。しかも今期最高のシーイング。急いでピントを合わせて撮影開始。

結果はこうなりました。

木星 (2020/8/1 21:45)
木星 (2020/8/1 21:45)
高橋 ミューロン180C (D180mm f2160mm F12 反射), AstroStreet GSO 2インチ2X EDレンズマルチバロー (合成F40.4), ZWO IR/UVカットフィルター 1.25", ZWO ADC 1.25" / Vixen SX2 / L: ZWO ASI290MM (Gain 298), RGB: ZWO ASI290MC (Gain 335) / 露出 1/60s x 1500/3000コマをスタック処理 x8 (L:4, RGB:4) を de-rotation してLRGB合成 / AutoStakkert!3 3.0.14, WinJUPOS 11.1.5, RegiStax 6.1.0.8, Photoshop CC 2020, Lightroom Classic CC で画像処理

好シーイングのおかげでディテールまでしっかり解像しました。今期のベストを更新です。大赤斑後方斜め下の大きな白い楕円形は Oval BA でしょうか?北赤道縞も大赤斑後方も複雑な模様が浮かんでいますし、フェストゥーンも出ていて、暗斑もあっててなかなかにぎやかです。

ところで、撮影中から気になっていたのですが、大赤斑後方の少し離れた位置に謎の(?)輝点が出ています。上のLRGBでは輝度を上げているので埋もれてしまってわかりにくいのですが、暗く仕上げたL画像を見ると一目瞭然です。

木星 (2020/8/1 21:45) (L)
木星 (2020/8/1 21:45) (L)
高橋 ミューロン180C (D180mm f2160mm F12 反射), AstroStreet GSO 2インチ2X EDレンズマルチバロー (合成F40.4), ZWO IR/UVカットフィルター 1.25", ZWO ADC 1.25" / Vixen SX2 / L: ZWO ASI290MM (Gain 298) / 露出 1/60s x 1500/3000コマをスタック処理 x4 を de-rotation / AutoStakkert!3 3.0.14, WinJUPOS 11.1.5, RegiStax 6.1.0.8, Photoshop CC 2020, Lightroom Classic CC で画像処理

なんなんでしょうね?これは。プレビュー映像でもはっきり視認できたくらい明るく輝いていました。北赤道縞にも小さな輝点がありますが、これはプレビューでは気付かなかったです。

4セット目を撮った後、また雲が出てきて撮影中断。30分ほどで雲が切れるとその後は晴れ上がって来たのですが、シーイングが悪化。一応撮影を続行したのですが、画像処理してもゆるゆるの仕上がりだったのでボツにしました。

木星が傾いてからは土星を撮りました。土星は未だに WinJUPOS の de-rotation がうまくいかないので、それぞれ5000フレーム撮影したLとRGBをそのまま合成しました。細かい模様があったらブレてしまいますが、それもなさそうなので手抜きです。WinJUPOS は土星の傾きを平行にするためだけに使っています。*1

土星 (2020/8/1 23:14)
土星 (2020/8/1 23:14)
高橋 ミューロン180C (D180mm f2160mm F12 反射), AstroStreet GSO 2インチ2X EDレンズマルチバロー (合成F40.4), ZWO IR/UVカットフィルター 1.25", ZWO ADC 1.25" / Vixen SX2 / L: ZWO ASI290MM (Gain 303), RGB: ZWO ASI290MC (Gain 374) / 露出 1/30s x 2500/5000コマをスタック処理してLRGB合成 / AutoStakkert!3 3.0.14, WinJUPOS 11.1.5, RegiStax 6.1.0.8, Photoshop CC 2020, Lightroom Classic CC で画像処理

この後、深夜からは火星を撮ったのですがそれはまた後ほど。

とりあえず大赤斑の見える時にベストショットが撮れて大満足でした。途中雲が出てきた時はもう撤収しようかとも思ったのですが、あきらめなくて本当によかったです。

*1:de-rotation で1枚だけ指定して出力しました。