前回の続きです。初めて赤道儀を買った頃の話。
スカイメモSが届いてから三日後の深夜、やっと赤道儀を使って天体を撮影できました。極軸望遠鏡で極軸を合わせるために近所の駐車場に出て撮っています。望遠鏡を外に持ち出すのはまだ抵抗があったのでカメラレンズでの撮影です。
撮影したのはぎょしゃ座の三つの散開星団 M37, M36, M38 です。
これは南向きのベランダからは見えない天体で、この日初めて撮りました。長時間露出はノイズが増えると思ってISO感度は少し下げています。今見るとぱっとしない写真ですが、固定撮影の頃は ISO 1600, 1.6s でしたから約4倍の露出で、*1 当時としては想像以上にたくさんの星が写っていてわくわくしました。
上の写真はコンポジットなしのワンショットです。実はコンポジット用に10枚ほど撮っていたのですが、当時は DeepSkyStacker をまだ使いこなせてなくて後回しにしていました。そこで今日あらためてコンポジットしてみました。
当時は知識がなくてダークフレームやフラットフレームを撮っていなかったのですが、ライトフレームのみのコンポジットでもだいぶ天体写真っぽくなりました。ワンショットでトーンカーブをキツくいじるとノイズが強調されてザラザラの絵になってしまうのですが、コンポジットをかけるとノイズが減ってキツい調整にも耐えるようになります。*2
たった13秒の露出にとどめたのは、スカイメモSの追尾精度がまだよくわかっていなかったから。マニュアルでは中望遠程度までを想定しているようなので換算200mmの望遠だと厳しいのかなと思い、様子を見ながら露出時間を伸ばしていくことにしました。今となってはもう少し思い切って露出時間を伸ばしてもよかったかと思いますが。
この日は遠征のシミュレーションも兼ねて、荷物を減らすため赤緯微動なしで標準のプレート取り付けた自由雲台にカメラを据えて撮影していたのですが、天体の導入に大変苦労しました。また、南天から北天にレンズの向きを変えると機材全体のバランスが崩れて極軸がズレてしまいます。極軸調整用の微動雲台の高度調整ウォームギアにバックラッシュがあるからです。
ZD ED 35-100mm F2.0 はフルサイズの 70-200mm F2.8 に相当するレンズで、いいレンズですがサイズも重さもフルサイズ相当になっています。赤緯微動は望遠鏡を使う時だけでよいと思っていたのですが、これに懲りてその後は赤緯微動を付けて撮るようにしています。微動台座とバランスウェイトで重心が前に出た分レンズの向きでバランスが崩れることがなくなりますし、天体の導入も格段に楽になりました。(つづく)
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