僕らは僕らの住む天の川銀河が宇宙にたくさんある銀河の中の一つに過ぎないことを知っている。天の川銀河で起こっている事は他の銀河でも起こりうることなのだと。だから僕は銀河を見るたびにこう思う。この銀河に僕らが住んでいるように、あの銀河にも誰かが住んでいるはずだと。
そこに望遠鏡で他の銀河を観察するような文明が存在するなら、彼らも望遠鏡で僕らの銀河を見て、あの銀河にも誰かが住んでいるはずだ、と思っているに違いない。そして僕らが望遠鏡で彼らの銀河を見て思っていることにも想像が及ぶことだろう。
つまりこの広い宇宙に同じことを考えている誰かがいるはずなのだ。言葉も文化もきっと驚くほど違うだろうけれど、望遠鏡で銀河を見た時に考えることはきっと同じで、同じだということを互いに知っているのだ。
だから銀河を見るという行為はちょっと特別で、遠い宇宙にいる見知らぬ誰かと繋がる行為なのだと、そんな気がしてならないのだ。