新月を前に色々妄想していたのですが、月末はずっと天気が悪くて全然天体撮影ができませんでした。しかたがないので 2 月に撮った銀河の写真を再処理していました。
光害もしくは迷光によるカブリで淡い部分が上手く出なかった写真なのですが、フラットのムラや光害などのカブリを除去できると評判のソフト FlatAidePro を試してみました。有料のソフトですが 800 万画素までの画像なら無料でフル機能が使えます。
以下いずれも2月2日の深夜に撮ったものです。
まずはおとめ座銀河団の中にある銀河でできた首飾り「マルカリアンの銀河鎖」です。
たくさんの銀河が写っています。例によってマップも作ってみました。
Lightroom での調整だけでは NGC4438 の周囲の淡く広がった部分を強調すると背景のムラが浮いてきてどうしても綺麗に仕上がらなかったのですが、少しはマシになりました。とはいえやはり厳しい…
以前撮った時には見えなかった渦巻き構造がはっきり写っています。いいですね、渦巻き。
最後はうみへび座の銀河 M83 です。
南中高度が 25 度と低く、ちゃんと写るか不安だったのですが思いの外よく写りました。ていうかでかいですね… M100 の倍くらいあります。迫力ある腕がいい感じのフェイスオン銀河です。
さて、画像処理はいろいろ試行錯誤してこんな感じにしましたが、こんなんでいいんでしょうか…
- DSS の出力を Lightroom でノイズ軽減・トリミングして TIFF 出力
- FlatAidePro で元画像をレベル補正
- レベル補正済み画像をフラット補正(減算)
- フラット補正済み画像をレベル補正(バックグラウンドを50%くらい残す)
- FlatAidePro の最終出力を Lightroom に読み込んでノイズ軽減・レベル・トーンカーブ・明瞭度の調整
最初に元画像のレベル補正をせずにフラット補正すると後で強調処理した時に背景のムラが残ってしまいました。また、FlatAidePro のレベル補正で適正なレベルまで仕上げてしまうと淡い部分がザラザラになりがちなので背景がグレーになるぐらいにしてから Lightroom で処理した方がノイズが目立たないようでした。
FladAidePro にはフラット補正以外にもたくさん機能があって、星だけをシャープにしたり、ガイドエラーで少し流れた星像を丸く補正したり、輝星だけにソフトフィルターをかけたりと色々できるようなので、今後ぼちぼち試していきたいと思います。