Deep Sky Memories

横浜の空で撮影した星たちの思い出

画像処理どこまでかける?

ちょっと前のことですが、プロカメラマンの西嶋伸嘉さんのこんなツイートが話題になっていました。

天体写真やってるとこの女性を笑えないというか、天体写真も画像処理が前提で、どこまでやるのかって線引きは曖昧だし、光害地での撮影っていう無茶をやってるとかなりキツい強調処理は当たり前というか、そのままだとそれこそ「こんなの××星雲じゃない!」みたいな話になっちゃうわけで悩ましいところなのです。

先日の M101 回転花火銀河、撮って出しの状態だとこんなのです。

M101 (2017/4/19 01:29) (撮って出し)
M101 (2017/4/19 01:29) (撮って出し)
OLYMPUS OM-D E-M5, 笠井 BLANCA-80EDT (8cm F6)
ISO 200, 360s
Lightroom CC のデフォルト設定で現像, フルサイズ換算1920mm相当にトリミング

カメラの液晶画面で見えたのがこんな感じでしたから、正直撮っている間ずっと今撮っているのが M101 だという確信が持てなかったくらいでした。

DeepSkyStacker でダーク、フラット、コンポジット(12枚)したものがこれ。基本的にノイズ軽減だけなのでまだ何も見えません。

M101 (2017/4/19 01:29) (ダーク、フラット、コンポジットのみ)
M101 (2017/4/19 01:29) (ダーク、フラット、コンポジットのみ)
OLYMPUS OM-D E-M5, 笠井 BLANCA-80EDT (8cm F6)
ISO 200, 360s x 12枚
DeepSkyStacker 3.3.2 で画像処理, フルサイズ換算1920mm相当にトリミング

これにレベル補正、傾斜カブリの補正、明瞭度の調整等をかけるとやっと姿が見えてきます。いつもは黒レベルをもっと下げて全体の光害カブリを消しているのですが、今回は少し残すように調整してみました。

M101 (2017/4/19 01:29) (強調処理後(光害カブリ除去少なめ))
M101 (2017/4/19 01:29) (強調処理後(光害カブリ除去少なめ))
OLYMPUS OM-D E-M5, 笠井 BLANCA-80EDT (8cm F6)
ISO 200, 360s x 12枚
DeepSkyStacker 3.3.2, FlatAide Pro 1.0.05, Lightroom CC で画像処理, フルサイズ換算1920mm相当にトリミング

どうせ光害地での撮影と開き直ってこのくらいに仕上げた方がいいんですかね。カブリが消えるまで補正すると天体の淡く広がった部分がボソボソになってノイズにしか見えなくなってしまうのですが、このくらいだとそういう部分もなんとか天体の一部として認識できる程度に見えてきます。

しかしせめて最初からこのくらいに見える空で撮ってみたいものですね。横浜の空でも大停電でも起こればこのくらいは… ってその状況で天体撮影するほどイカれてはいないつもりですが。いや、やってしまうかも…