Deep Sky Memories

横浜の空で撮影した星たちの思い出

土星、火星の自転 (2018/6/29)

6月29日は風が強く、低空をちぎれ雲がものすごいスピードで流れている状況だったので天体撮影はやめておこうかと思っていたのですが、システムBで2.5倍バローレンズを使うテストがしたくて、帰宅後ベランダに機材を出して土星と火星を撮りました。帰宅が遅かったので木星は撮れませんでした。

システムBというのは5月13日のエントリで書いた構成です。

今回試すのはこの構成からバローレンズを笠井FMC3枚玉2.5倍ショートバローに置き換えたものです。スリーブ部分は邪魔なのでレンズの入った31.7mmバレルの部分だけ取り外して使用します。*1

以前 BLANCA-80EDT でテストした時はピントが来なくて使えなかったのですが、μ-180C ではピントが来ました。合焦ノブをOUT側にかなり回しました。OUT側いっぱいに回すと口径がケラれるという噂がありますが大丈夫でしょうか…

まずはピント合わせも兼ねて土星を撮影。フリップミラーのミラー側に取り付けて撮影しました。

土星 (2018/6/30 01:04) (2.5x B)
土星 (2018/6/30 01:04) (2.5x B)
高橋 ミューロン180C (D180mm f2160mm F12 反射), 笠井FMC3枚玉2.5倍ショートバロー (合成F55.4), ZWO IR/UVカットフィルター 1.25", ZWO ADC 1.25" / Vixen SX2 / ZWO ASI290MC / 露出 1/30s x 2000コマをスタック処理 / AutoStakkert!3 3.0.14, RegiStax 6.1.0.8, Lightroom Classic CC で画像処理

画質については保留です。拡大率が半端ないですが、後で撮った火星の大きさから計算したところ、合成焦点距離 9965 mm、合成F値 F55.36 でした。元が F12 なのでバローレンズの拡大率は4.6倍ということになりますが、μ-180C はピント位置で焦点距離が変わるので正確ではありません。

さすがに拡大率が高すぎて像が暗く、1/30秒で撮るにはゲインを474まで上げる必要がありました。2000コマスタックでもかなりノイジーで、せっかく大きく写っても F42 のシステムAの写りの方が解像感は上です。

この日はシーイングが悪かった上、風で鏡筒像が揺れて像がブレまくっていたので画質については保留です。ピントもたいへん合わせづらかったので、合ってないかもしれません。

そして火星です。火星は現在-2.1等。たいへん明るいのでこの拡大率でも1/60秒で撮れます。ゲインも300前後まで下げられました。

火星 (2018/6/30 03:06) (2.5x B)
火星 (2018/6/30 03:06) (2.5x B)
高橋 ミューロン180C (D180mm f2160mm F12 反射), 笠井FMC3枚玉2.5倍ショートバロー (合成F55.4), ZWO IR/UVカットフィルター 1.25", ZWO ADC 1.25" / Vixen SX2 / ZWO ASI290MC / 露出 1/60s x 2000コマをスタック処理 / AutoStakkert!3 3.0.14, RegiStax 6.1.0.8, Lightroom Classic CC で画像処理

相変わらずほとんど模様が見えませんね… 中央の黒っぽいところはキンメリア人の海でしょうか。こんな状況ですが、30分毎に撮ってみるとこの薄い模様が動いて火星が自転しているのがわかりました。5枚撮ってアニメーションにしてみました。


はてなブログJavaScript 使えるんですね。カラーのアニメーションGIFは画質がイマイチなので、JPEG でアニメーションさせるためにこちらの記事を参考にしてスクリプトを書きました。

コマをつなげた画像を CSS の背景画像にして background-position を操作してコマを切り替えるものです。コマをつなげた画像は ImageMagic の montage コマンドで生成しました。

というわけでシステムBに2.5xバロー、一応使えるのですが、さすがに拡大率が大きすぎるのでもう少し倍率の低いバローレンズが欲しくなります。でも今の時期バローレンズ品薄らしいんですよね… それにレンズ部分を取り外して使えないと困るのですが、なかなかそういう情報がなくて。どうしようかなぁ…

*1:バレル部分をネジると外れます。ネジ規格は31.7mmフィルターとは異なるので双眼装置などには使えないと思います。