Deep Sky Memories

横浜の空で撮影した星たちの思い出

月面写真で AS!3 Sharpened vs RegiStax 6

また再処理ネタですが昨年の6月25日に撮った月面写真を再処理してました。当時はまだ RegiStax を使いこなせてなくて AutoStakkert!3 の Sharpened を ON にすると追加で出力される画像(ファイル名末尾に _conv が付くやつ)を使っていました。

μ-180C の直焦点で撮った画像に関しては Sharpened 画像がかなり優秀で、当時の僕の腕前では RegiStax でそれを越える結果が得られなかったのと、元々 RegiStax で処理した月面写真に違和感を感じる事が多かったので敬遠していたのもあります。

でも今の腕なら Sharpened を超えられるかも?と思いやってみました。また before → after の順に並べてアルバムにしました。

月面写真の画像処理
月面写真の画像処理
高橋 ミューロン180C (D180mm f2160mm F12 反射), ZWO IR/UVカットフィルター 1.25" / Vixen SX2 / ZWO ASI290MM / 露出 1/60s x 1000コマをスタック処理 / AutoStakkert!3 3.0.14, RegiStax 6.1.0.8, Lightroom Classic CC で画像処理

縮小画像だとあまりわからないのですが、違和感のない範囲でコントラストが上がりシャープになりました。これなら RegiStax を常用して問題なさそうです。

wavelet パラメータはこんな感じ。

  • Waveletscheme: Linear
  • Initial Layer: 2
  • Step Increment: 0
  • Wavelet filter: Gaussian
  • Use Linked Wavelet Layers: ON
  • Contrast: 100 (「ガッサンディ周辺」のみ85)
  • Brightness: 0 (「ガッサンディ周辺」のみ10)
Layer Denoise Sharpen 設定値
1 0.00 0.100 1.8
2 0.00 0.100 1.1
3 0.00 0.100 1.1
4 0.00 0.100 1.1
5 0.00 0.100 1.1
6 0.00 0.100 1.1

スライダーはほとんど動かしてません。というかデフォルト状態から Use Linked Wavelets にチェック入れただけでかなりいい感じになっていて、いつもなら使用レイヤーを減らすのですが、減らすと物足りない感じになるので、6レイヤー全部使いました。

上の画像をクリックして Flickr で拡大表示で見てもらうとわかりますが、さすがに直焦点(F12)だとキリッとエッジの立った描写になります。最近撮ったものと比べてもシャープな写りなのでシーイングが良かったのもあるかと思いますが…

RegiStax で処理した月面、特に拡大率の大きな写真では、山の稜線の質感が妙に滑らかになって岩石っぽくないのが気に入らないんですよね。

でも、上の写真のように直焦点で撮ったものについてはそうでもないので、バローレンズの光学性能が悪いのか、それとも拡大率(というかF値?)が大きすぎてボケている画像を無理やり強調するのが悪いのか。