Deep Sky Memories

横浜の空で撮影した星たちの思い出

NGC7293 らせん星雲、M1 かに星雲 (2019/10/4)

10月4日は体調が悪く会社を休んで夕方まで寝ていました。夕方起きると外は快晴。GPV でも朝まで快晴の予報だったので19:30頃からベランダに機材を出して極軸合わせ。月が沈むまで時間があると思ってだらだらドリフトアライメントをやってたら2時間くらい経ってしまいました。

何を撮るか候補はいくつかありましたが、今回も惑星用のCMOSカメラで小さめの天体を狙うことに。月没後はシーズン的にラストチャンスと思われるみずがめ座の惑星状星雲 NGC7293 らせん星雲、その後深夜からおうし座の超新星残骸 M1 かに星雲を撮ることにしました。

らせん星雲は二年前に一度失敗しています。この時は低空で透明度が低かったせいかまともに写りませんでした。昨年も狙ってはいたのですが寝落ちして撮れなかったという…

今回も1分露出ではほとんど何も見えず、2分露出でやっとうっすらと丸い姿が見えるか見えないかという状況でしたが、とにかく2分露出で48コマ撮影。ガイドが暴れて1/3ほどボツになりました。撮影後半は一方向赤緯ガイドに切り替えて、ある程度安定してくれました。

かに星雲が昇るまで時間があるのでその間にダークとフラットを撮影して DeepSkyStacker と Lightroom で処理したところ、なんとか星雲が浮かび上がってきてモノになりそうなのを確認。撤収後改めて Photoshop CC を使って仕上げたのがこれです。

NGC7293 らせん星雲 (2019/10/4 22:10)
NGC7293 らせん星雲 (2019/10/4 22:10)
笠井 BLANCA-80EDT (D80mm f480mm F6 屈折), LPS-D1 48mm / Vixen SX2, D30mm f130mm ガイド鏡 + ASI290MM + PHD2 による自動ガイド/ ASI290MC (ゲイン153) / 露出 2分 x 48コマ 総露出時間 1時間36分 / DeepSkyStacker 4.1.1, Photoshop CC, Lightroom CC で画像処理

それなりに「らせん」っぽく写りました。リングの内部の青みもうっすらですがわかります。本当は星雲の左上に「眉毛」のような赤い星雲が見えるはずなのですが、横浜の空では淡すぎて写りませんね…

ちなみにダーク減算で取り切れなかったと思われるホットピクセルの跡が3箇所残っていたのですが面倒なので手動でレタッチしました。後で撮ったかに星雲の写真には出てこなかったのですが…

らせん星雲と言えば先月 HIROPON さんが東京で撮っていました。

やはり「眉毛」は写っていませんが、HIROPON さんの写真の方が階調がよく出ているような… デジカメとCMOSカメラの違いもあるのでしょうが、NB1 フィルターで光害カブリが少ないのが効いてる気がします。

日付が変わって1:30頃からかに星雲の撮影にとりかかります。が、アライメントが不十分だったのか自動導入に失敗。近くまで来てはいるのですが目立つ星も見当たらず、仕方がないのでゆっくり南東方向に鏡筒を振っておうし座のζ星(Tianguan)を探してそこから星を辿ってなんとか導入できました。

ガイドは引き続き一方向赤緯ガイドですがドリフト方向が逆になっていたので North と South を入れ替えました。ガイドは終始安定、というか絶好調でRMSエラー±0.8秒台でした。

結果はこちら。

M1 かに星雲 (2019/10/5 01:47)
M1 かに星雲 (2019/10/5 01:47)
笠井 BLANCA-80EDT (D80mm f480mm F6 屈折), LPS-D1 48mm / Vixen SX2, D30mm f130mm ガイド鏡 + ASI290MM + PHD2 による自動ガイド/ ASI290MC (ゲイン153) / 露出 2分 x 48コマ 総露出時間 1時間36分 / DeepSkyStacker 4.1.1, Photoshop CC, Lightroom CC で画像処理

かに星雲二年前に非改造デジカメで撮っていますが、その時にはよく写らなかった赤いフィラメントが今回はくっきり写っています。このくらい写るとかに星雲を撮ったぞー!って気になれますね。

かに星雲は西暦1054年に観測された超新星の爆発でできた星雲ですが、中心には超新星爆発で誕生した中性子星「かにパルサー」があります。16.5等ということでぎりぎり写ってそうなんですが位置がわからなくて確認できません。Stellarium にも載っていないようです。中性子星とか撮ったことないので写っていると嬉しいのですが…