11月28日は深夜1時頃から快晴の予報だったので4時過ぎまでボリソフ彗星(2I/Borisov)を撮ってそれから水星を撮る予定でした。ボリソフ彗星は Stellarium の表示する位置がおかしいという話を聞いて頭をかかえていたのですが…
どうも1日分くらい進んでる感じ?アストロアーツのニュースの画像に29日00:00時の座標が出ていたので、その位置と Stellarium の予想位置が両方入る写野が欲しいので RedCat 51 で撮ることにしました。
1時過ぎに機材をベランダに設置。あとで水星を狙うので三脚をいつもより5cmほど余計に伸ばして鏡筒の位置が高くなるようにしました。試しに東南東方向の地平線近くに鏡筒を向けましたが鏡筒はベランダの手すりにぶつからないようで一安心。
しかし、2時を過ぎても夜空は一面の雲で、オートガイダーのキャリブレーションすらできない状態。4時頃になってやっと雲の切れ目を縫ってドリフトアライメントの南向きだけある程度追い込みました。だいぶ雲は切れてきたものの空のあちこちに雲が残っていたのでボリソフ彗星は諦めました。
夜明け前までには晴れると信じて、鏡筒をあらかじめ温度順応のためにベランダに出してあった μ-180C に載せ替え。ピント合わせはレグルスで。シーイングが悪くてピントがさっぱりわかりませんが、スタックしてトーンカーブをいじってスパイダーの光条を見てなんとか合わせました。*1
5時過ぎになって南東方向の低空はすっかり晴れてきたのでスピカでアライメントを取ってから火星を導入。6時過ぎに水星が来るぐらいの高度なのでここでADCを調整しました。シーイングが悪くてプレビューではどうにもならないので RGB Align をオフにしてスタックしたものを見ながらざっくり調整。
来年接近の火星はまだ遠くて模様は全然見えません。こんな感じ。
視直径は3.9秒。まだまだ小さいですね。
そうこうしているうちに水星も見えてきました。

iPhone 7 4mm F1.8 / ISO1250 / 露出 1/4s
水星の高度は5度くらい。とりあえず導入しましたが、シーイングは最悪で星像はめちゃくちゃな形に歪みながら踊っている状態。高度が10度を越えたあたりから撮影を開始して日の出10分前の6時20分頃までの間に10本撮りました。
高度が高くなるほどシーイングは良くなるかと思ったら、日の出が近づくにつれシーイングが乱れて結局日の出の23分前の6:06に撮ったものがベストでした。
視直径は6.62秒。かなりボケてますが半月より少し太った形に欠けているのがわかります。
もう少しくっきり写ってくれるかと思ったのですが、夜中から寒気が入り込んできてシーイングも乱れていたのでこんなものでしょうか…
ともあれ、これで μ-180C で太陽系の惑星を一通り撮ることができました。
*1:μ-180C は3本スパイダーなのでスパイダーがバーティノフマスク的にはたらいて、6本の光条の形で合焦位置がわかります。参照: https://starbase.hatenablog.jp/entry/2019/01/18/113000