連休の中日の2月23日の夜、夕方から快晴だったのでベテルギウスが暗いうちにとオリオン座を撮ってみました。
M42 が潰れないように、しかも淡い星雲も出るように、と手間ひまかけて多段階露光で撮ったのですが、光害カブリがひどくて強調処理が困難で淡い星雲を炙り出せませんでした。というか、そもそもバーナードループとか光害カットフィルターなしでは写らない?
話題のベテルギウスですが、1.6等のベラトリックスよりは明るい?と言っても光害カブリの補正のために段階フィルターをいっぱい使っているのでこの写真では正確な比較はできません。
ガイドはガイドスコープを乗せるパーツがなく、というか一応あるのですが、いまいちネジ止めの安定性が悪く重いレンズでは不安なので、今回はノータッチで撮りました。35mm (フルサイズの 70mm 相当)で2分なら大丈夫だろうと。結果は星像に流れは見られず OK でした。
画像処理はポカミスも含めて色々苦労しました。苦労してこの程度という…
まず、DSS でスタックした結果、微光星が全部消えてしまった、というかそばかすみたいな跡だけになってしまって頭を抱えました。ひょっとして E-M1 Mark II にも星食い現象が!? あるいはノイズリダクション設定を間違えた? と思いましたが、元のRAWを見るとちゃんと微光星が写っています。
ずいぶん悩んだのですが、結局は DSS の設定の Cosmetic で Hot pixel detection を設定したままだったのが原因でした。以前 CMOS カメラで撮った写真にホットピクセルが残ってしまったのでそれを消せないか試してたのをそのままにしてたのを忘れていました…
Hot pixel detection をオフにして微光星は復活しましたが、復活した微光星に緑色の星がたくさん出てきてしまいました。DSS の RAW/FITS DDP Settings の Bayer Matrix Transformation で Bilinear と AHD の両方を試しましたがダメ。
結局 DSS には現像済みの TIFF を食わせればいいんじゃないかと思い、以前やっていた RStacker を使う方法を試してみたところ星の色がまともになりました。
ここまでやりましたが、仕上げようとするとカブリにムラが多すぎて手が付けられない状態だったのですが、これは思い当たることがあってフラット補正をやめたところ段階フィルターで補正できる程度にはマシになりました。
フラットは液晶ディスプレイに灰色の壁紙を表示して撮影したのですが、液晶のフリッカーのせいなのかバックライトのムラなのか、撮ったフレームを見るとそれぞれ違うムラが出ていて、まあ平均すればまともになるかも?と思ってそのまま DSS に突っ込んだんですが、やっぱりダメでした…
カメラレンズのフラットは今まで合った試しがないのですが、みなさんどうしているのでしょうか。フラット補正をやめると周辺減光が出るのですが、1段絞った広角側なのでトリミングすればなんとかなる程度でした。
残る問題は光害カブリですが、段階フィルターを4つ使ってなんとか押さえ込みましたが、場所によってカブリの色味が違ったりして彩度はうかつに上げられないし、レベル補正やトーンカーブ調整も強めにかけるとすぐ背景にムラが出てきて星雲のあぶり出しなんて全然できず、うっすら写った燃える木星雲もうっすら以上にはできませんでした。
多段階露光(HDR)の効果は一応 M42 の中心部があまり飛ばずに写ってはいるのですが、そもそも M42 はごく小さくしか写ってないので、これっぽっちのために画像処理に手間ひまかけたのかと思うとしょんぼりしてしまいます…
ちなみに F2.8, 2分露出の一枚撮りはこちら。
画像処理は Lightroom でホワイトバランスとレベル補正とノイズ軽減のみです。なんか、もうこれでええんちゃうか?という気も…