Deep Sky Memories

横浜の空で撮影した星たちの思い出

シリウスB 撮影失敗 (2020/3/5)

3月5日の夜は、BLANCA-80EDT で月を撮っている間にベランダに寝かせて温度順応させておいた μ-180C を SX2 に載せ替えて、昨年イマイチだったシリウスBの撮影にチャレンジ。μ-180C を出すのは昨年11月末に水星を撮って以来で久しぶりです。

なのですが、失敗しました… 前回より短い露出時間(1/2秒)で、スタック数を増やして(100コマ)、これなら!と思ったらゲインを上げすぎてシリウスAの光がシリウスBの軌道ギリギリまで飽和してしまってシリウスBが全然識別できませんでした。

シリウスB撮影失敗 (2020/3/5 21:28) (赤い + がシリウスBの位置)
シリウスB撮影失敗 (2020/3/5 21:28) (赤い + がシリウスBの位置)
高橋 ミューロン180C (D180mm f2160mm F12 反射), AstroStreet GSO 2インチ2X EDレンズマルチバロー (合成F40.4), ZWO IR/UVカットフィルター 1.25", ZWO ADC 1.25" / Vixen SX2 / ZWO ASI290MC (ゲイン350) / 露出 1/2秒 x 100/300コマをスタック処理 / AutoStakkert!3 3.0.14, RegiStax 6.1.0.8, Lightroom Classic CC, Photoshop 2020 で画像処理

WikimediaのシリウスBの軌道の図を回転縮小したものを元に軌道(赤い点線)と2020年の位置(赤い+の印)を描いて重ねました。ちょっとこれでは識別できませんね… シリウスAが適当な大きさになるようにしたつもりだったんですが、SharpCap のプレビュー表示を75%にしていたせいか目測を誤ったようです。

もっともゲインを下げたところで副鏡スパイダーでの回折光による光条がシリウスBのすぐ近くにあるせいであまり写りは期待できそうにありません。シリウスBはこれから数年がシリウスAから最も離れる時期で観測の好機のはずなのですが、ちょうど光条に重なっていく形になってしまうのですよね…

普通は鏡筒を鏡筒バンドの中で回転させて光条の出る位置を調整できるのですが、μ-180C はアリガタが鏡筒にネジ止めされている構造のため鏡筒を回転できません。せめて4本スパイダーならよかったのに…

拡大光学系は惑星用に組んだものを流用していますが、よく見るとゴーストが出ていたりしてイマイチかもしれません。バローレンズを変えるか、いっそのこと直焦で狙った方がいいのかも。