3月24日の夜は μ-180C で NGC3242 木星状星雲を撮りました。μ-180C で DSO を撮るのは初めてです。μ-180C にガイド鏡をマウントするパーツは未購入なのでノータッチ追尾でラッキーイメージングを試みました。
短秒露出とはいえ対象がドリフトしてずれていってしまうと面倒なので1時間ほどかけてドリフト法で極軸を追い込みました。手間ではありますが、同時に鏡筒をベランダに出しておいて温度順応しているのでタイムロスはゼロです。
極軸が合ったらレグルスでピント合わせとアライメント、そして NGC3242 を自動導入。ですがそれらしき姿が見えません。むむ、っと思いましたが、Stellarium で見た写野の外の北西方向にある特徴的な星の並びが見えているのに気付いて手動で写野をずらしたところ緑色に輝く「木星状」の姿が4秒のプレビューでもはっきりと見えました。
視直径はまさに木星といったところですが、緑色に光っていてこれが木星?という感じ。もっとも原語では "Ghost of Jupiter" だそうで*1 木星に似ているというよりは木星の幽霊みたいなヤツということで、そう言われるとしっくり来ます。
事前に関西天文同好会の山下さんによる「都会で惑星状星雲を撮ろう 天体用CMOSカメラ超短時間露光による撮影」という資料を見て露出時間は2秒くらいかなと思っていたのですが、4秒でもゲインをあまり下げられないので4秒で撮りました。
撮影中じっと見ているとピリオディックモーションのせいなのかシーイングの乱れなのか、結構ブレて写っているコマが多かったので1000コマ撮って3/4を捨てることにしました。スタックは AutoStakkert! 3 です。APは中心とリング状の部分2箇所で3つ。DeepSkyStacker は写野内に星を見つけられず使えませんでした。
結果はこうなりました。
中心部の明るいリング状の模様は三つの節もよく写っています。中心部や外側の淡い部分の細かいもやもやした模様はさすがに写りませんでしたが、口径 18cm の写りとしてはまずまずではないでしょうか。
ちなみに星雲の左やや上にギリギリ見えている恒星が15.3等、左下に見えている恒星が13.35等です。4秒でも結構写るものですね。
エメラルドグリーンに輝く姿はまさに夜空の宝石といったところですが、カラーバランスはこれでいいんですかね?眼視で見ておくのを忘れたのですが、眼視でもこんな色なんでしょうか。
wavelet 処理でもっと細かい模様が出るかと思いましたが、特にそれらしきものは出てこずノイズが浮いてくるばかりだったのでボツにしました。光学系の解像度的にはもう少し何か写りそうな気もするのですが、ラッキーイメージングと言っても4秒露出では結構ブレるのでこんなものですかね。