Deep Sky Memories

横浜の空で撮影した星たちの思い出

ネオワイズ彗星 (C/2020 F3 (NEOWISE)) (2020/7/19)

いつまで経っても梅雨が明けない関東地方ですが、7月19日は久々の晴れ。SCW の予報では夜も晴れそうということで、朝からネオワイズ彗星(C/2020 F3 (NEOWISE))の撮影準備。

尾を写すには30秒くらいの露出は必要だろうということで久々にスカイメモSを引っ張り出してきました。雲との戦いになりそうなので機材の設置・調整に時間をかけたくないのと、今回はマンションの廊下=隣の部屋の真ん前に陣取る関係で SX2 は場所を取りすぎて邪魔になるだろうと考えてのことです。

尾が随分長いとのことなので、レンズは 35-100mm F2.0 を尾の写り具合に合わせてズームすることに。

日没後の19:00過ぎからスタンバイ。北西方向は雲が薄いものの北は雲が厚く北極星が見えません。仕方なく勘で極軸を合わせて薄明が終わるのを待っていました。19:30過ぎあたりから雲の隙間に星が見えてきたので導入開始。目印の北斗七星も見えなかったのですが、赤緯赤経をそれっぽい位置に合わせると、薄雲越しに彗星らしき星の姿が。

F2.5で5秒露出の試し撮りをしたところ近くにおおぐま座の前足の先の2つの星(タリタアウストラリスとタリタ)が写っていて、尾を引いた星がネオワイズ彗星であることを確認。薄明の中の薄雲越しで、10秒露出だとほぼ真っ白になったので、8秒露出で連射。しかし、これは撮ってるうちに雲が厚くなってほとんど写っていませんでした。

そうこうしてるうちに北の空が晴れてきて北極星らしき星が見えてきたので、極軸を調整。しかし、これがアダとなってネオワイズ彗星を見失ってしまいます。再導入しようとしているうちに北西の空には雲がどんどん湧いてきて星が全く見えなくなりました。

やっと雲越しに星がちらちら見えてきた時には20:40を回ってネオワイズ彗星は高度12度。その後だんだん雲が薄くなって星が見えてはきたのですが、霞んだ空が街の灯りで照らされて、低空はほとんど星が見えません。5cm ファインダーでも見つけることができず、彗星の高度が10度を切った21:00過ぎにギブアップ。

結局、彗星らしい姿を捉えられたのは最初の試し撮りの1枚だけでした。

C/2020 F3 (NEOWISE) ネオワイズ彗星 (2020/7/19 19:45)
C/2020 F3 (NEOWISE) ネオワイズ彗星 (2020/7/19 19:45)
ZUIKO DIGITAL ED 35-100mm F2.0 (71mm F2.0) / ケンコー スカイメモS, ノータッチ / OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II (ISO200, RAW) / 露出 5.0秒 / Lightroom CC で画像処理、トリミング

写真の向きは北が右です。フルサイズ換算200mm相当の画角なので、本来なら画面からはみ出すぐらいに尾が出てるはずなんですが、薄明と雲のせいで露出時間が伸ばせず、淡い尾は全然写りませんでした。なんか「ネオワイズ彗星の写真ヘタクソ選手権」とかあったらエントリーできそうな出来ですね…

関東の天気は明日からまた下り坂。残念ですがネオワイズ彗星とはこれっきりになりそうです。SNS やブログで素晴らしい写真の数々を見てきた身としてはかなりがっかりなんですが、遠征しない引きこもり天文家の限界ですかね… まあ、ヘタクソでも撮れただけラッキーだったと思うことにします。