Deep Sky Memories

横浜の空で撮影した星たちの思い出

木星、土星 (2020/8/1)

8月1日、関東も梅雨が明けて久々の晴天。とはいえ SCW ではくもりの予報だったので天体撮影の予定はなかったのですが、20時頃にベランダに出てみると薄雲はあるものの月と木星が見えていたので、ダメ元で機材の設置を始めました。

が、ドリフトアライメントで極軸を合わせている間に雲が出てきて作業中断。方位調整はできたものの高度調整が途中のまま。とはいえ、ある程度追い込んではいたので、最後の調整を勘でハンドルを回して終わらせて、そのまま撮影準備。

雲が切れてきて、木星をカメラに捉えるとほぼ中央に大赤斑が!20時頃から大赤斑が見えるのはわかっていましたが、間に合わないかと思っていました。しかも今期最高のシーイング。急いでピントを合わせて撮影開始。

結果はこうなりました。

木星 (2020/8/1 21:45)
木星 (2020/8/1 21:45)
高橋 ミューロン180C (D180mm f2160mm F12 反射), AstroStreet GSO 2インチ2X EDレンズマルチバロー (合成F40.4), ZWO IR/UVカットフィルター 1.25", ZWO ADC 1.25" / Vixen SX2 / L: ZWO ASI290MM (Gain 298), RGB: ZWO ASI290MC (Gain 335) / 露出 1/60s x 1500/3000コマをスタック処理 x8 (L:4, RGB:4) を de-rotation してLRGB合成 / AutoStakkert!3 3.0.14, WinJUPOS 11.1.5, RegiStax 6.1.0.8, Photoshop CC 2020, Lightroom Classic CC で画像処理

好シーイングのおかげでディテールまでしっかり解像しました。今期のベストを更新です。大赤斑後方斜め下の大きな白い楕円形は Oval BA でしょうか?北赤道縞も大赤斑後方も複雑な模様が浮かんでいますし、フェストゥーンも出ていて、暗斑もあっててなかなかにぎやかです。

ところで、撮影中から気になっていたのですが、大赤斑後方の少し離れた位置に謎の(?)輝点が出ています。上のLRGBでは輝度を上げているので埋もれてしまってわかりにくいのですが、暗く仕上げたL画像を見ると一目瞭然です。

木星 (2020/8/1 21:45) (L)
木星 (2020/8/1 21:45) (L)
高橋 ミューロン180C (D180mm f2160mm F12 反射), AstroStreet GSO 2インチ2X EDレンズマルチバロー (合成F40.4), ZWO IR/UVカットフィルター 1.25", ZWO ADC 1.25" / Vixen SX2 / L: ZWO ASI290MM (Gain 298) / 露出 1/60s x 1500/3000コマをスタック処理 x4 を de-rotation / AutoStakkert!3 3.0.14, WinJUPOS 11.1.5, RegiStax 6.1.0.8, Photoshop CC 2020, Lightroom Classic CC で画像処理

なんなんでしょうね?これは。プレビュー映像でもはっきり視認できたくらい明るく輝いていました。北赤道縞にも小さな輝点がありますが、これはプレビューでは気付かなかったです。

4セット目を撮った後、また雲が出てきて撮影中断。30分ほどで雲が切れるとその後は晴れ上がって来たのですが、シーイングが悪化。一応撮影を続行したのですが、画像処理してもゆるゆるの仕上がりだったのでボツにしました。

木星が傾いてからは土星を撮りました。土星は未だに WinJUPOS の de-rotation がうまくいかないので、それぞれ5000フレーム撮影したLとRGBをそのまま合成しました。細かい模様があったらブレてしまいますが、それもなさそうなので手抜きです。WinJUPOS は土星の傾きを平行にするためだけに使っています。*1

土星 (2020/8/1 23:14)
土星 (2020/8/1 23:14)
高橋 ミューロン180C (D180mm f2160mm F12 反射), AstroStreet GSO 2インチ2X EDレンズマルチバロー (合成F40.4), ZWO IR/UVカットフィルター 1.25", ZWO ADC 1.25" / Vixen SX2 / L: ZWO ASI290MM (Gain 303), RGB: ZWO ASI290MC (Gain 374) / 露出 1/30s x 2500/5000コマをスタック処理してLRGB合成 / AutoStakkert!3 3.0.14, WinJUPOS 11.1.5, RegiStax 6.1.0.8, Photoshop CC 2020, Lightroom Classic CC で画像処理

この後、深夜からは火星を撮ったのですがそれはまた後ほど。

とりあえず大赤斑の見える時にベストショットが撮れて大満足でした。途中雲が出てきた時はもう撤収しようかとも思ったのですが、あきらめなくて本当によかったです。

*1:de-rotation で1枚だけ指定して出力しました。