火星最接近の日、10月6日の夜は曇りだったのですが、SCW を見ると横浜付近は深夜遅くから晴れそうな気配はあって、迷いましたが20時頃からダメ元で準備を始めました。
まず前回の撮影データのバックアップを取ってSSDの容量を空け、21時半頃からベランダに機材を設置。設置中に東の空の雲が切れてきて火星が見えてきたのですが、ドリフトアライメントに使う南の空は曇ったまま。
雲が薄くなった隙を見ては調整を繰り返してるうちにまた火星が雲に隠れて、23時頃再び火星が出てきたので極軸は最後の追い込みを諦めて鏡筒を載せ替えてました。*1 火星は導入したもののまた雲に隠れてピント合わせもできず、東の空の薄雲越しの月でピントを合わせていたのですが、その月もすぐ雲に隠れてしまいました。
そうこうしているうちにまた火星が見えてきたので再導入。しかし雲が薄くなった隙にピントを合わせようとしても雲の隙間は1分も続かないのでなかなかピントを追い込めません。0時過ぎに晴れ間が見えて、ここは迷いましたが、プレビュー映像では十分合焦しているように見えたのでそのまま撮影開始。1セット(動画 L 3本、RGB 3本)撮影したところでまた曇り。
マリネリス峡谷が正面に来ているうちに撮りたかったのですが…
1時前に雲が流れていったので今度はピントを合わせなおして2セット撮影。
ここでまた雲がでて2時前まで中断。その後晴れてきてもう1セット撮影。
オリンポス山が正面に来ています。北半球の中央より少し上辺りに虫さされみたいにふくらんで見えているのがそれです。
火星もだいぶ傾いてきたので、ここで衛星狙いに切り替えるのもありかと Stellarium で確認したところ、ちょうどフォボスが火星から離れた位置にあると知って、衛星を撮りました。プレビューでは露出を上げても全然見えないので目測でフレーミングして撮影です。
衛星を撮った写真に火星をはめ込み合成しました。WinJUPOS で位置合わせをしています。衛星は wavelet を攻めてあぶり出してコントラストもがっつり上げてやっとこの程度です。シリウスBの時みたいに直焦点で撮ればもっとくっきり撮れるのでしょうか?
その後、撤収前に上の写真の処理をしていて衛星の写真でホットピクセルが目立ってしまうのに気付いて追加でダークフレームを撮影しました。
ということで4時前に撤収完了したのですが、やはり眠れず朝まで画像処理をしてしまいました…
というわけで無理かと思っていた今年の最接近の火星をなんとか撮れました。シーイングもそこそこで、まあまあ満足できる結果が得られました。これから台風も近づいてしばらく雨が続きそうなので、昨夜撮れたのは本当にラッキーでした。次に晴れる頃には裏側の地形も見えるでしょうか。今後も撮れそうな時はなるべく頑張ってみます。
*1:μ-180C にはガイドスコープを取り付ける場所がないので、ドリフトアライメントは RedCat を載せてやっています。RedCat 本来の出番が全然なくてこんなのばっかり…