Deep Sky Memories

横浜の空で撮影した星たちの思い出

火星 (2020/10/12)

10月12日の夜は曇り空だったのですが、夜中から晴れ間が見えそうな予報だったので19:30頃から機材をベランダに出して待機。

22時頃から南の空は時折雲が切れたのでその隙にドリフトアライメントで方位だけ合わせたのですが、東の空は曇ったままで高度調整はできず。そうこうしているうちに南中前の火星が見えてきたので見切り発車で撮影を始めました。結果から言うと極軸は許容範囲内でなんとか最後まで撮影できました。

23:20から翌1:20までの間に7セット撮影。0時頃からシーイングが安定してきて、0:33のオーロラ湾からマリネリス峡谷にかけての地形が正面に来たタイミングの写真がベストショットになりました。

火星 (2020/10/12 23:27)
火星 (2020/10/12 23:27)
高橋 ミューロン180C (D180mm f2160mm F12 反射), AstroStreet GSO 2インチ2X EDレンズマルチバロー (合成F40.4), ZWO IR/UVカットフィルター 1.25", ZWO ADC 1.25" / Vixen SX2 / L: ZWO ASI290MM (Gain 244), RGB: ZWO ASI290MC (Gain 302) / 露出 1/125s x 1250/5000コマをスタック処理 x6 (L:3, RGB:3) を de-rotation してLRGB合成 / AutoStakkert!3 3.0.14, WinJUPOS 11.3.0, RegiStax 6.1.0.8, Photoshop CC 2020, Lightroom Classic CC で画像処理

前回から一週間経って前回は東の端の方に回り込んでよく見えなかった地形が見えてくるようになりました。

中央やや左上の指を三本立てたような形の黒いところがオーロラ湾、その左下をほぼ水平に走る黒い筋がマリネリス峡谷です。北極から広がる黒い領域はアキダリアの海です。

火星 (2020/10/12 23:38)
火星 (2020/10/12 23:38)
撮影データは上に同じ。

火星 (2020/10/12 23:49)
火星 (2020/10/12 23:49)
撮影データは上に同じ。

火星 (2020/10/13 00:03)
火星 (2020/10/13 00:03)
撮影データは上に同じ。

火星 (2020/10/13 00:33)
火星 (2020/10/13 00:33)
撮影データは上に同じ。

これが昨夜のベストショット。中央少し上にオーロラ湾とマリネリス峡谷。その左下に太陽湖が見えてきています。左上に小さな虫さされみたいにふくらんでいるのはタルシス三山の一つアスクラエウス山と思われます。

火星 (2020/10/13 01:03)
火星 (2020/10/13 01:03)
撮影データは上に同じ。

火星 (2020/10/13 01:11)
火星 (2020/10/13 01:11)
撮影データは上に同じ。

今回は wavelet パラメータを大幅に見直しています。具体的には今まで Initial Layer 2 で Layer 1〜3 で調整していたのを、今回は Initial Layer 1 で Layer 2〜6 で調整しました。そのままだとかなりキツいノイズが出るのですが Denoise を大きめ(0.25〜0.35)にしてノイズを抑えています。

ベタっとした感じがやわらいで階調が豊かになったような… うーん、見比べてみるとそんなに変わらないかな?もう少し強調を抑えてもいいかも。でもマリネリス峡谷とかプレビュー映像でもかなりはっきり見えていて、それ以上にはくっきりと見せたいと思うと…

というわけで、オーロラ湾周辺の複雑な模様がくっきり撮れて満足です。とはいえまだ火星の半分くらいしか撮れてないので、大チルシスが撮れるまでは頑張りたいと思います。