Deep Sky Memories

横浜の空で撮影した星たちの思い出

2781黒点群 (2020/11/5)

11月5日、宇宙天気ニュースで新しい黒点が出たと聞いて、リモートワークで在宅なのをいいことに昼休みに太陽を撮りました。8cm 屈折とASI290MCによる撮影です。

【注意!】 太陽の観察・撮影には専用の機材が必要です。専用の機材があっても些細なミスや不注意が失明や火災などの重大な事故につながる危険性があります。未経験の方は専門家の指導の元で観察・撮影してください。

2781黒点群 (2020/11/5 12:28)
2781黒点群 (2020/11/5 12:28)
笠井 BLANCA-80EDT (D80mm f480mm F6 屈折), 笠井FMC3枚玉2.5倍ショートバロー (合成F15), Kenko PRO ND-100000 77mm, ZWO IR/UVカットフィルター 1.25" / Vixen SX2 / ZWO ASI290MC (Gain 150) / 露出 1/2000s x 1250/5000コマをスタック処理 / AutoStakkert!3 3.0.14, RegiStax 6.1.0.8, Photoshop 2021, Lightroom Classic で画像処理

黒点が出たと聞いた時にはどうせまたちっちゃいのでしょ、とか思ってたんですが結構デカいですね…

2.5倍バローの本当の拡大率がわからなくて今まで合成F値不明にしていましたが、今回はデジカメで撮った太陽全体の写真も撮って比較することで合成F値を出しました。

太陽 (2020/11/5 12:47)
太陽 (2020/11/5 12:47)
笠井 BLANCA-80EDT (D80mm f480mm F6 屈折), OLYMPUS EC-20 2x TELECONVERTER (合成F12), Kenko PRO ND-100000 77mm / Vixen SX2 / OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II (ISO200, RAW) 露出 1/2500s x 64/226コマをスタック処理 / AutoStakkert!3 3.0.14, RegiStax 6.1.0.8, Photoshop 2021, Lightroom Classic, WinJUPOS 11.3.0 で画像処理

一応太陽の北極が上に来るようにしたつもりです。WinJUPOS でもさすがに太陽の傾きはわからないので国立天文台暦計算室の「太陽の自転軸」で自転軸の傾きを計算して、その値(23.57度)だけ傾けました。一応カメラを水平(赤道と並行)にセットしたはずなので、ということなのですが、目分量でセットしているので誤差はあると思います。

この画像を ASI290MC で撮った画像と重ねて黒点の大きさが合うようにスケールしてピクセルサイズの差も考慮して計算したところ、結局2.5倍バローレンズの拡大率は2.5倍で正解でした…

ということで写真の縮尺がわかったので、黒点の大きさを地球の大きさと比較してみましょう。

2781黒点群の大きさを地球と比較 (2020/11/5 12:28)
2781黒点群の大きさを地球と比較 (2020/11/5 12:28)
地球は File:Terrestrial planet size comparisons.jpg - Wikimedia Commons の写真を使用。

地球ちっさ!

想像以上に地球が小さいというか、太陽がでかいというか、太陽の直径は地球の109倍あるのでこんなものですかね。ちょっとびっくりしました。

それにしてもこのサイズの黒点は久々ですね。ここ一年ほど黒点が少なく無黒点の日も多くて太陽活動周期の極小期と見られていたのですが、今年の9月には第25太陽活動周期の開始が確認されました。

第25太陽活動周期は2025年7月に極大期を迎えると見られ、徐々に黒点も増えていくものと思われます。さすがに太陽望遠鏡を買う予定はなく白色光での撮影しかしないので黒点しか撮れないのですが、2014年10月の2192黒点群みたいな肉眼黒点レベルの大黒点を撮りたいものです。