Deep Sky Memories

横浜の空で撮影した星たちの思い出

木星とM16の再処理とか『星ナビ』のバトンとか

週末は6月9日の夜に撮った写真の再処理をしていました。

まず木星

木星 (2021/6/10 02:52) (再処理)
木星 (2021/6/10 02:52) (再処理)
高橋 ミューロン180C (D180mm f2160mm F12 反射), AstroStreet GSO 2インチ2X EDレンズマルチバロー (合成F41.4), ZWO IR/UVカットフィルター 1.25", ZWO ADC 1.25" / Vixen SX2 / L: ZWO ASI290MM (Gain 304), RGB: ZWO ASI290MC (Gain 387) / 露出 1/60s x 1000/3000コマをスタック処理 x8 (L:4, RGB:4) をLRGB合成 / AutoStakkert!3 3.0.14, WinJUPOS 12.0.7, RegiStax 6.1.0.8, Photoshop 2021, Lightroom Classic で画像処理

L画像の wavelet をもう少し「攻めた」パラメータで「こってり」仕上げたものを元の画像に33%だけブレンドしました。ちょっとだけ縞模様の詳細が見やすくなった?

最初からいい感じのパラメータに調整できればいいのですが、L画像だけ見ていいぞ!って思ってもLRGB合成すると色の階調が思ったのと全然違う(大抵はベタっとした感じになってしまう)ことが多く、なかなか一発では決められません。

なので、迷ったら wavelet 強めと弱めの二つのL画像を作って Photoshop のレイヤーで重ねてレイヤーの不透明度のスライダーを調整して良さそうなポイントを探ることにしています。リアルタイムで wavelet いじりながらLRGB合成のプレビューを見れるツールがあるといいのですが…

ちなみに木星の模様が元気なさそうって言ってましたが、RB星さんが同日に撮った写真を見ると全然そんなことはなくて、細かい模様が解像してなかっただけでした。


次に M16 わし星雲。

M16 わし星雲 (2021/6/9 23:01) (再処理)
M16 わし星雲 (2021/6/9 23:01) (再処理)
笠井 BLANCA-80EDT (D80mm f480mm F6 屈折), LPS-D1 48mm / Vixen SX2, D30mm f130mm ガイド鏡 + ASI290MC + PHD2 2.6.9dev4 による自動ガイド / OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II (ISO200, RAW) / 露出 6分 x 20 総露出時間 2時間 / DeepSkyStacker 4.2.6, Lightroom Classic, StarNet++ (7079110, TF2), Photoshop 2021 で画像処理

あんまり代わり映えしませんね… 星マスクの不備で恒星の周りが暗く落ち窪んでたのを改善しました。が、左端と右側の一部に変なカブリが残ってますね… うまい修正方法がわからずそのままです。

元々は黄色いカブリはフラットダークを撮ってなかったせいでは?と思って朝方にベランダに出て撮って再処理していたのですが、これはほとんど変化なし。そこでフラットの偏りを是正するためにフラットを半分に減らして再処理したのが上の写真。でもあんまり変わりませんでしたが、せっかくなので星マスク処理を修正して仕上げました。

これを撮った翌日にだいこもんさん(id:snct-astro)が蔵王で撮った写真と比べると残念感がすごいのですが、光害地でしかも無改造デジカメで撮ってたらこれが限界ですかねぇ。


さて、先日『月刊 星ナビ』7月号が発売されました。

先月僕が受け取った「ネットよ今夜もありがとう」のバトンですが…

これ、結構迷ったのですが、結局銀河の赤外撮影の件でお世話になった「もりのせいかつ」のkさんに渡しました。

はてなには天文ブロガーがまだ何人かいるのですが、はてな内でぐるぐる回すのもちょっと、というのと、この連載については「フォトコン常連のベテランでもまだバトンが回ってない人が結構いる」という話を聞いていて、それならば、と。これでバトンははてな宇宙域を離れましたがいずれ戻ってくる日も来ると思いますので日々の鍛錬を怠らないようにしましょう!