11月19日の夕方に部分月食がありました。今回の部分月食は月の直径の97.8%まで地球の影に入るため「ほぼ皆既月食」と言われていました。国立天文台では「たいへん深い」部分月食と呼んでいます。
ただの部分月食ならともかく、そこまでのものならばと、この日は仕事を休んで撮影の準備をして16:00頃からスタンバイ。天気は曇りで途中何度も雲に邪魔されましたが、最大食分の18:03前後に雲がほぼ切れるという幸運に恵まれて「ほぼ皆既」の瞬間を撮ることができました。
18:02:58.68 が最大食分でしたが、デジカメの電子シャッターの連射で沢山撮っていたので、その前後23秒間を含めた47コマをスタックして処理したものがこちら。
なかなかシャープな仕上がりになりました。ただし47秒間の加算平均なので欠け際の形は正確ではありません。と言ってもほとんどわからない程度だと思いますが… あと、当然月基準でスタックしてるので周囲の恒星が流れています。
最大食分の瞬間のワンショットはこれです。
これだけ見れば悪くないんですが、スタックした方と比べるとやはりぼやけて見えてしまいますね…
なお月の向きは北が左で、ほぼ観測地から見たままの向きです。こういうのも月の北極を北にした方がいいのかな?月面写真とはまた違うテーマの写真なので天体の南北を垂直にする必然性もないかな、と…
望遠鏡の直焦点でのクローズアップとは別に望遠レンズも用意しました。今回は既に欠け始めた状態で月の出になるので地上の風景も含めたカットを撮りたいというのと、月がすばる(M45:プレアデス星団)に近いのでツーショットで撮りたいというのが理由です。
残念ながら雲が多くて星は全く見えない状況だったのですばるとのツーショットは諦めたのですが、月の出の20分後の月は撮ることができました。
既に赤い!と言ってもこれは欠けてない部分が低空の大気で赤く見えているだけですね。
今回は東の空での月食ということでベランダからは撮影できず他人の部屋の前でこっそり(?)撮る状況で途中で追い出される可能性もあったので、2018年1月31日の皆既月食の時のようなインターバル撮影は諦めました。
結局住人とは会わずに済んだのですが、終始雲に邪魔されていたのでどっちみちインターバル撮影は無理でした。
というわけで残念なところもあったものの、「ほぼ皆既」の瞬間は撮れたので良しとします。