Deep Sky Memories

横浜の空で撮影した星たちの思い出

夕空のレナード彗星 (2021/12/30)

さて、毎年恒例の一年の振り返りエントリ、ではなくて… 昨日の夕方に撮ったレナード彗星です。振り返りエントリは?その点に付きましてはこのエントリの最後でご説明させていただきます。

12月30日の夕方、ベランダからレナード彗星を撮影しました。レナード彗星は前日の29日夕方に金星を撮った後に μ-180C のファインダーで探して、見つけたら撮ろうかと思ってはいたのですが、透明度が悪かったせいもあってか全く見つけられませんでした。

30日は29日より低空まで透明度が高く、遠くの山の稜線もクッキリ見えていたので再チャレンジ。5cm 8倍の正立ファインダーで探して RedCat 51 + OM-D E-M1 Mark II で撮影します。

16:40頃にベランダに SX2 を出して金星と木星土星でアライメントを取ってから STARBOOK TEN の座標表示を iPhone のiステラに表示された彗星の座標に合わせて待機。しかし空が明るすぎて星一つ見えません。カメラのライブビューを拡大しても何も見えず。

位置が違うのかなーと鏡筒を振って周囲も探しているうちに段々空が暗くなって17:15頃、ライブビューに二つ並んだ星が写りました。iステラを見るとどうやらけんびきょう座の6等星と7等星のようです。レナード彗星はその少し東にあるはず。見てみるとそこには恒星とは違うぼんやりとした星が。

その後は空の明るさに合わせて露出を変えながら連写。近くのマンションの陰に隠れる直前まで撮り続けました。ファインダーでは結局確認できませんでしたし、ライブビューでもコマのぼんやりした広がりは視認できましたが、尾は全く見えませんでした。

尾が見えるようならカメラレンズでも撮ってみようかと思っていたのですが、SNSに流れてくる海外の写真のような長くたなびく複雑な形の尾はとてもじゃないけど撮れそうにないのでそのまま RedCat 51 で撮り続けました。画像処理で尾が出てくることを期待してフレーミングだけはズラしてみたのですが…

結果はこちら。クロップして2.5倍くらいに拡大しています。画像の向きは最後の方に写り込んだマンションの壁を基準に水平にしてあります。

レナード彗星(C/2021 A1) (2021/12/30 17:44)
レナード彗星(C/2021 A1) (2021/12/30 17:44)
William Optics RedCat 51 (D51mm f250mm F4.9 屈折) / Vixen SX2 / OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II (ISO200, RAW) 露出 15s x 28 コマ を彗星核基準でコンポジット 総露出時間 7分 / DeepSkyStacker 4.2.6, Lightroom Classic で画像処理

長い尾は無理でしたが、コマの後ろにふくらむように拡がった赤っぽい尾がわずかに写りました。よく見ると膨らんだ放物線状の尾とは別に真ん中にほぼ真っ直ぐ伸びる尾があるような… 心眼で見ると結構後ろの方まで伸びている気もします。

まあ世界レベルで見るとショボい写りではありますが、一応は彗星らしい姿が撮れて満足です。国内でも条件の良い山の上に遠征してすごいのを撮ってる人もいますが…

というわけでこれが今年の撮り納めになるかと思ったのですが、天気も月齢も良い夜を逃すのはもったいないと、この後徹夜で3つの対象を撮影しました。

ASI294MM Pro での撮影で画像処理が追いついていません。チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星は正直写らないかと思っていたのですが、なんとか写っているようです。

さらにさらに、実は年内のブログのネタが最低でも三つ、執筆が追いつかず溜まっています。

  • M1 かに星雲 (μ-180C + ASI294MM Pro)
  • EFWmini の光線漏れの検証
  • ベランダから天頂付近を撮影するための工夫

ということで年内にはとてもまとまりそうにないので、2021年の振り返り記事はこれらをアップしてからになります。三が日中になんとかしたいと思います…