ごぶさたしてます。ずっと調子が悪かったり天気が悪かったりで天体撮影ができなかったのですが、7月22日の深夜、久々に惑星撮影をしました。
惑星撮影は場数が命なので*1 多少雲があっても出撃しないとなかなかいい写真は撮れないものですが、梅雨明け後も「今日は雲が多そうだし」などと言い訳してサボってました。
体調もよくなくて7月22日も会社も休んで夜中まで寝ていたのですが、深夜目覚めてふとベランダに出て空を見上げると快晴。南の空に南中前の土星、東の空に既にギラギラと輝いている木星。これは行くしかないでしょう、と思ったものの、まずはCMOSカメラのクリーニング。
モノクロカメラの ZWO ASI290MM はガイドカメラと兼用で使っていて、時々誤ってカバーガラスを押さえているリングを回して外してしまっていたので、カバーガラスやセンサーにゴミが乗っていないか心配だったのでした。
エアコンを切った室内で、布団の上に μ-180C を寝かせて惑星撮影用の拡大光学系もセットして筒先にトレース台アプリの画面を出した iPad を立てかけて SharpCap で映像を確認したところ、案の定あちこちゴミが乗っています。ボケている黒い影はカバーガラス上の、小さくクッキリ見える黒い点はセンサー表面にあるゴミです。
無水アルコールでカバーガラス表面を拭いただけではなくならない影が複数あり、カバーガラス裏面とセンサー表面もクリーニングしなくてはならなかったのですが、個包装の綿棒を切らしていたので、束でケースに詰めてあるタイプの綿棒を使ったところ、拭いても拭いても別のところにゴミが付く地獄に…
おそらく綿棒の先に細かいホコリが付いた状態なのでしょう。万事休すかと思っていたところ、PENTAX のイメージセンサークリーニングキット(いわゆる「ペンタ棒」) を買ってあったのを思い出して押入れから引っ張り出してきました。こんなので大丈夫かと思いつつセンサーにペタペタしてみたところ、ゴミがきれいさっぱり取れました!
カバーガラス裏も一通りペタペタして組み直して確認したところ、カバーガラス裏は一箇所ゴミが残ってしまいましたが、惑星撮影には影響ないセンサーの端の方だったので、もう一度バラした時にまたゴミが乗るリスクを考えてそのままにしました。
その後、鏡筒をベランダに出して温度順応を進めつつ、ベランダに赤道儀を設置してドリフトアライメントで極軸合わせ。夏で薄明が速いので少し焦りもあったのですが、奇跡的に?追い込みフェーズで一発で極軸がキマり、深夜1:26の土星の南中には間に合いませんでしたが、1:40頃には撮影を開始。途中保存形式を間違えてfitsで撮ってしまうなどトラブルもありましたが、すぐに勘を取り戻して概ねスムースに撮影できました。
最初に土星を撮りました。
輪の傾きがずいぶんと浅くなりました。今の機材で土星を撮り始めたのが2018年の春で、地球から見た輪の傾きがほぼピークの時期でした。そして3年後の2025年の3月24日には輪の傾きがゼロになり土星の輪が見えなくなります。残念ながらこの時の土星は太陽に近く夜には見えない(日の出直前に高度2度くらい)ので観測は困難と思われます。
土星を撮った後は木星を撮りました。Sky&Telescopes のアプリ JupterMoons では3:30頃には大赤斑が見える予報でしたが…
3:00過ぎの時点で大赤斑は影も形も見えません。大赤斑が見えるまで粘ってみようと空が青くなる前まで粘ってみたところ、3:40過ぎにやっと木星の西の端に大赤斑が現れました。予報の1時間遅れくらいです。
シーイングはそこそこ良かったので期待していたのですが、透明度がもう一つだったのか模様のコントラストがイマイチでした。ベストショットは 2:47 のもので、淡いながらも白い赤道帯にうねるような模様がたくさん見えています。
次は大赤斑がちゃんと写るタイミングで撮りたいですね。火星も撮りたかったのですが、大赤斑待ちで粘っていたので今回は取れませんでした。
撮影に入る前に土星を、撤収前に木星と火星と月を眼視で軽く眺めました。老眼のせいかアイピース(セレストロンの8mm-24mmのズームアイピース)のせいか、木星の細かい模様や大赤斑は視認できなかったし、火星もはっきり面積があり端が欠けた天体として見えるのですが表面の模様は視認できませんでした。月はさすがによく見えて、虹の入江のまわりの山脈やコペルニクスの北西の山脈のザラザラした凸凹がよく見えました。
新月期なので DSO も撮りたいところですが、次はいつ撮れるかな…
*1:シーイングのいい時間がいつ訪れるかわからないので。