12月14日の夜、ふたご座流星群の動画撮影をしました。19:20頃から24:45頃まで5時間半くらいまで、ほぼ連続で撮影。幸い最初から最後までごく低空を除いて雲ひとつない天気が続きました。
OM-D E-M1 Mark II の Full-HD Super Fine 24fps で撮影し、動画サイズの合計は118GB。ワンカットで撮影しようとすると30分弱で停止してしまうのでおよそ15分毎に区切って撮影しました。その区切りの間にピントの再調整をしたり、一度SDカードとバッテリーを取り替えたりしているので、抜けはたぶん10分くらいはあります。
今年は結構長い間撮影中もベランダから星空を眺めていて、延べ4時間くらいは見ていたと思います。流星を見るたびにツイートしていたのですが、カメラの液晶モニター越しに4個、肉眼では21個の流星を見ました。見えたかどうかはっきりしないやつが3つ、そして流星痕だけ見たのが1つありました。
流星痕だけ、というのはこれです。20:30頃のことでした。
フレーミングを変えてオリオン座を写野に入れて撮影、、、え見上げたら流星痕が。。。
— 🌻ナょωレよ″丶)ょぅすレナ🌻 (@rna) December 14, 2022
作業記録のため流星を見つけた時以外にも何かするたびにツイートしていたのですが、オリオン座が昇ってきたのでオリオン座が入るようにフレーミングを変更した後、そのことをツイートしようとしていてふと顔を上げるとオリオン座の胸のあたりに斜めに切り裂いたような光が… えっ?何これ?
流星の写真で見るあの形のままで明るさは少しぼんやりした感じで、一瞬、さては流星見たすぎて幻覚でも見えたか?とか思ったのですが数秒経ってもはっきり見えているので、これは流星痕なのでは?と思いとっさにツイートしたのでした。
流星自体は全く見てなかったので残像の類ではないのは確かなのですが、こんなに大きく明るく長く残る流星痕を見たことは今まで一度もなかったので信じられない思いが強く、これで動画には写ってなかったらどうしよう… などとずっと思っていました。
22:20頃に1枚目のSDカードがいっぱいになって2枚目と交換し、1枚目のデータを取り込んで確認すると、、、写っていました。流星痕もはっきりと。
肉眼ではツイート後に見失った流星痕ですが、動画をみると3分以上残っていて、風に流されて変形しながら淡く広がって消えていく様子が写っています。このくらい残っていると3回どころか30回くらい余裕で願い事言えちゃいそうですが、流星痕でもご利益あるんでしょうか?
というか、流星自体もむちゃくちゃ明るいですね… これは流星本体も見たかった。
フレーミングを変える前に写野に入っていた-1.7等の火星と比べても段違いに明るいです。金星でもここまでにはならないような… -5等ぐらいはありそう?これは火球レベル?
書き込み中にふと見上げたのも何か違和感があったからかもしれません。上の動画では消してありますが元の動画に入っている音声にはカメラの隣で見ていた僕の息を呑むような音が入っていて、どうやら流星が流れ終わってから2秒後くらいに流星痕を見たようです。さらに6秒後にため息が入っていてたぶんこのくらいまで肉眼でも見えていたのだと思います。
ちなみに流星の色ですが、Voigtlander Nokton 17.5mm F0.95 はパープルフリンジがそこそこ出るレンズなので紫色の光が本当の色かどうかはわかりません。流れた直後の流星痕が緑っぽいのは実際の色かもしれませんが、肉眼では色まではわかりませんでした。
流星痕には数秒以下ですぐ消える短痕と数分以上発光し続ける永続痕とがあるそうです。
短痕は酸素原子の緑の光、永続痕は窒素分子の赤い光が主成分とのこと。
それにしても52年生きていてもまだまだ「生まれて初めて」があるものですね。元々流星にはあまり興味はなかったのですが(所詮は大気中での現象だし)、今まで天体撮影中に何度か大きな流星を見てきて、またああいうの見たいな、という気持ちが芽生えてきて今回は結構がっつり撮影&観望していました。次は超新星見たいな、肉眼で…
追記(2022/12/15 19:10): 富士山から「静止流星」として見えていた!?
上の動画に写ったのと同じも流星と思われるものを、藤井大地さんが富士と平塚から撮影した動画を公開していました。
静止火球が撮れました!2022年12月14日20時30分46秒に流れた火球を、富士から南東向きのカメラで捉えた様子です。火球が観測者に向かって飛び、正面から見ているために止まって光っています。静止流星(火球)と呼ばれ、めったに出会えません。ふたご座流星群ではなく、散在流星だったと思われます。 pic.twitter.com/Zb2JOig6f2
— 藤井大地 (@dfuji1) December 14, 2022
なんと富士山からは「静止流星」として見えていました。ということは房総半島沖上空あたりから富士山にめがけて飛び込んできた?
既に同時観測の解析結果が公開されていて、やはり房総半島沖あたりに飛び込んで燃え尽きたようです。
横浜からだと方向が微妙でよくわかりませんでしたが、どうもふたご座流星群のものではなく「12月いっかくじゅう座流星群」の流星のようです。ていうかそんな流星群初めて知りました…
上のツイートの返信欄に関東各地から撮影した写真・動画が集まっていて興味深いです。