12月24日の夕方に水星を撮りました。22日に東方最大離角を迎えた水星は、南寄りのベランダからも撮りやすい位置に出ているので狙ってみたのですが、ついでにビクセンのワイヤレスユニットを使おうなどと余計なことをしたせいで撮影開始が遅れてしまってシーイング的にかなり厳しい状況での撮影になりました。ちなみにワイヤレスユニットは切断しまくりでどうにもならなかったので結局 SB10 に切り替えて撮影しました…
後で木星を撮って WinJUPOS の Image Measurement で位置合わせしてその回転角を水星の写真の位置合わせでも適用することで北が上の画像にしてあります。色は赤く染まってよくわからなくなってるので調整せずにそのままにしてあります。
東側がちょうど半分欠けた半月状になっています。何?そうは見えない?これは半月だ。私がそう判断した。*1
すみません… 本来半月状になっているはずなのですが、像が左上の方に滲んでしまっているようです。
撮影時には激しいシンチレーションでメラメラと像が大きく揺れて、欠けた形もほとんど視認できない状況でした。赤っぽい輝度の高い部分が本来の水星の姿だと思います。ADC も一応調整はしたのですが、像が揺れるたびに色分散も激しく変化して、合ってるのか合ってないのかよくわからない状態でした。スタック時の RGB alignment でそれっぽくなってますが、元々は色滲みも相当あります。
『機動戦士ガンダム 水星の魔女』が話題になってることもあり、せっかくなので綺麗に撮りたかったのですが… やはり日が沈む前に撮るべきでしょうか。
ちなみに位置合わせ用に撮った木星はこれです。
左側の衛星はイオ、木星のすぐ右側の衛星はエウロパです。水星があんな状態だったので、ピント合わせも木星でやりました。が、この通りの悪シーイングでした。
こんなシーイングなのでもう撮るだけ無駄かなと思いつつ一応火星も撮りました。
南半球にキンメリア人の海が見えています。北半球の左端が白っぽいのはタルシス三山(アスクレウス山、パヴォニス山、アルシア山)の周りの雲でしょうか?北極冠も結構広がっているようです。
火星の地図は2020年に作ったこちらをどうぞ。
シーイングが全然良くならないのでこの後撤収しました。やはり冬場の惑星観測は厳しいです。部屋のPCで撮影しているのですが、ピント合わせのためにベランダに出ると部屋の暖気が漏れたり自分の体温で鏡筒の周りに暖気ができてしまったりしてシーイングが乱れ、ピント合わせが難しくなるし、部屋に戻ってからもしばらく乱れが続き、なかなか落ち着いて撮影できません。
ピント合わせはEAFが欲しくなるところですが、ミューロン180Cに使えるEAFの取付金具は市販されていないのでやるなら自作するしかないですね… アリガタを長いものに換装して接眼部方向に張り出させて、そこにモーターを固定してベルトで合焦ノブを回す?クレイフォード接眼部等を取り付けるのはフラットナーレデューサーの光路長が合わなくなるのでナシです。惑星用の拡大光学系の倍率もどうなるか、合焦するのか、というのもわかりませんし。
まあ、そもそも日本の冬はシーイングが悪すぎてピント合わせ以前なんですけれど。2018年から惑星撮影を始めたのですが、木星は3年後にはシーズンが冬場になってしまうのですね。木星観測冬の時代の到来です。これから天文復帰を考えている木星好きの方、何事も遅すぎるということはないのですが、星の巡りはどうにもならないので復帰するならお早めに!
ちなみにこの後、ワイヤレスユニットをなんとか使えるように設定しようと格闘していたのですが、結果は失敗。そのへんはまた別途書きたいと思います…