12月14日の深夜、ふたご座流星群を撮影しました。ふたご座群の極大は前日でしたが曇っていたのと翌日の予定があって夜ふかしできなかったので撮影は見送り。翌日の予定というのが某アイドルの解散ライブで、帰宅は深夜になってしまったのですが、夜空は快晴だったので勢いで撮影してしまいました。
約4時間撮影して43個の流星が写りました。ダイジェスト動画はこちら。例によって画面左上に流星のカウントとタイムスタンプを表示しています。カット編集のつなぎ目ではタイムスタンプに下線が表示されて約2秒後に流星が流れます。
機材は赤道儀が Star Adventurer GTi である以外は8月のペルセ群の撮影と同じです。
ちなみに途中で追尾が止まって固定撮影になっているところがあります。どうも SynScan Pro の接続が切れて再接続すると追尾が止まることがあるようです。困るなぁ…
ダイジェスト動画も当時作成したスクリプト MeteorDigestMovieMaker に手を加えたものを使って生成しました。PyAV の最近のバージョンで動かないのを直したのと、半透明のタイムスタンプを生成できるようにしました(github のソースコードは後日更新します)。
撮影中30分ほどベランダに座って冬の大三角のあたりを眺めていたのですが、動画の4番目(1:44:05)、5番目(1:55:38)、6番目(1:59:59)は見えました。思ったより放射点から離れたところに大きなのが流れる印象があったので以降はそのつもりでフレーミングを調整して撮影を続けました。
撮り始めの頃は写野の外の月のゴーストが写り込んでしまいましたが、マンションの天井に月が隠れるとゴーストは出なくなりました。フードを工夫したら最初からゴースト出なかったかも。
オリオン座が低空に近づいて光害カブリが広がってきてからはうみへび座の方にカメラを振って撮影を続けました。このあたりに流れたの見たことないんだが… と思ってた矢先にうみへびの首を切り落とすような大きな流星が流れてきてびっくりしました。動画の28個目(3:48:12)がそれです。
動画では5等星ぐらいまで識別できるので、だいたいそれくらいの暗さまでの流星がフルサイズ換算約35mmの写野に一時間あたり約10個流れた計算です。散在流星や他の群の流星も混じっていて、ざっくりふたご座群っぽい方向に流れたのは43個中32個(約75%)でした。
ふたご座群ではない流星としては動画の3番目の流星が目を引きます。とも座のあたりからこいぬ座を通り過ぎて写野を飛び出してふたご座方向に昇っていった流星です。経路は40度以上ありそうです。
あまりに長いし、あまり明るさが変化しないまま流れていくので本当に流星なのか?とも思ったのですが、人工衛星にしては速すぎるし、飛行機にしてもここまで速いとかなり近くないとありえなくて、それならランプが複数見えるはず。
動画の画質調整をしていると痕らしきものが残っているのが見えたのでやはり流星なのであろうと結論しました。ひょっとして「アースグレージング流星」というやつでしょうか?
浅い角度で大気圏に突入して「水切り」の石のように弾き返されて宇宙に戻っていくのがアースグレージング流星です。残念ながら写野の外に飛び出てしまったので燃え尽きる様子があったのかどうか定かではありませんが。
いずれにせよ「願い事を三回言える」くらい長い流星ですが、残念ながら室内でプレビューからも目を離していた隙に流れたので願い事は一つも言えず。って、いつも流星を見ると「うぉっ!」とか言って全然願い事とか言えたことないですけど…
というわけで、1日遅れなのであまり期待してなかったのですが結構楽しめました。なお、撮影データ(SER形式の非圧縮動画)の合計は817GBでした…