Deep Sky Memories

横浜の空で撮影した星たちの思い出

冥王星とカロン?

8月11日の夜に撮った冥王星カロンは写らなかったと書いたのですが…

そもそもアマチュアの機材でカロンを撮ることができるのか?と思って AstroBin で探してみたら Image of the day 2013/09/11 に選ばれた写真がありました。

12.7cm 屈折で撮ったものだそうです。冥王星カロンを分離はできていませんが、冥王星から突き出た出っ張りのような形でカロンの存在がわかります。

それなら18cmでも写るのでは?と思って、11日の写真を wavelet 処理してみました。

冥王星周辺 (2020/8/11 23:00) (wavelet)
冥王星周辺 (2020/8/11 23:00) (wavelet)
高橋 ミューロン180C (D180mm f2160mm F12 反射), ZWO IR/UVカットフィルター 1.25" / Vixen SX2 / ZWO ASI290MC (Gain 285) / 露出 15秒 x 10/20コマをスタック処理 / AutoStakkert!3 3.0.14, RegiStax 6.1.0.8, Lightroom Classic CC で画像処理

冥王星を拡大してみると…

冥王星とカロン? (2020/8/11 23:00) (3倍に拡大)
冥王星カロン? (2020/8/11 23:00) (3倍に拡大)

冥王星が真円にならずに左斜め上に伸びたような形をしています。追尾エラー?と思わなくもないのですが、すぐ右隣の USNOA2 0600-41219351 は真円なのでそうではなさそうです。

Stellarium の表示を縮尺を合わせて重ねると、カロンの位置と星像の伸びる方向がほぼ一致しました。

Stellarium の星図を重ねたもの

ということで、カロンが写ってたかも?という状況なのですが…

撮影時の冥王星カロンとの離角を計算すると約 0.60 秒。*1 口径18cmの望遠鏡のドーズの限界は 0.64 秒なので二星を綺麗に分離して見ることはできないはずですが、長円状の星像としてなら写ってもおかしくありません。

現在カロンの軌道面は地球に対してほぼ垂直の向きになっているようで当分はいつ見ても冥王星から 0.6 秒くらいの離角で見えるようです。20cm 以上の望遠鏡をお持ちの方はぜひチャレンジしてみてください!

*1:http://www.bao.city.ibara.okayama.jp/stardb/sol/data/sol0115.html の公式に Stellarium で表示された冥王星カロン赤経赤緯を代入して計算しました。

NGC7009 土星状星雲 (2020/8/11)

8月11日の夜は冥王星の撮影の後、土星状星雲(NGC7009)を撮りました。

NGC7009 土星状星雲 (2020/8/11 23:14) (normal + wavelet)
土星状星雲 (2020/8/11 23:14) (normal + wavelet)
高橋 ミューロン180C (D180mm f2160mm F12 反射), ZWO IR/UVカットフィルター 1.25" / Vixen SX2 / ZWO ASI290MC (Gain 285) / 露出 4秒 x 90/180コマをスタック処理 / AutoStakkert!3 3.0.14, RegiStax 6.1.0.8, Photoshop CC, Lightroom Classic CC で画像処理

wavelet 処理したものを30%ブレンドしてあります。なんとか「輪」の部分も写っていますが、輪の端の赤い部分が出ていません。結構暗いようなので露出を上げないとダメなんですかね?とはいえ4秒以上だとノータッチは厳しい感じでオートガイドが必要でしょうか。ちなみにブレが少なくなるように2秒露出でも360コマ撮ってスタックしてみましたが、淡い部分の階調が出なかったのでボツにしました。

3月に撮った木星状星雲は眼視で見るのを忘れて本当はどんな色か確認できなかったのですが、土星状星雲は撮影後に眼視でも見てみました。90倍で「土星の本体」の真ん中の明るい部分だけ見えました。横に伸びた楕円形の青緑色の星に見えました。写真の色でだいたい合ってると思います。

比較のために木星状星雲の写真も貼っておきます。カラーバランスは土星状星雲と同じになるように再調整してあります。

NGC3242 木星状星雲 (2020/3/24 21:49) (normal + wavelet)
NGC3242 木星状星雲 (2020/3/24 21:49) (normal + wavelet)
高橋 ミューロン180C (D180mm f2160mm F12 反射), ZWO IR/UVカットフィルター 1.25" / Vixen SX2 / ZWO ASI290MC (Gain 350) / 露出 4秒 x 250/1000コマをスタック処理 / AutoStakkert!3 3.0.14, RegiStax 6.1.0.8, Photoshop CC, Lightroom Classic CC で画像処理

冥王星 (2020/8/11)

8月11日の夜は快晴。このところ計画していた冥王星の撮影にチャレンジしました。

冥王星は14等。いつもの惑星撮影システム(F40.4)でも撮れなくはないのですが*1 そこまで拡大してもただの点にしか写りませんし、写野に目印になる恒星が一緒に写らないと本当に撮れているのかわからないですし、そもそも導入もままならないので、今回は直焦点で撮ることにしました。

冥王星木星土星の間にいるので、木星土星でアライメントを取れば自動導入でバッチリ… と思ったのですがなかなかそういうわけにもいかず、Stellarium とにらめっこして30分くらいかけて明るめの星のパターンを見つけてなんとか導入。

目印になる星が写野に入るように、また、可能なら翌日も撮って冥王星が移動しているのがわかる写真に仕上げたいので、冥王星は写野中心から外して撮りました。

冥王星 (2020/8/11 23:00)
冥王星 (2020/8/11 23:00)
高橋 ミューロン180C (D180mm f2160mm F12 反射), ZWO IR/UVカットフィルター 1.25" / Vixen SX2 / ZWO ASI290MC (Gain 285) / 露出 15秒 x 10/20コマをスタック処理 / AutoStakkert!3 3.0.14, Lightroom Classic CC で画像処理

冥王星 (2020/8/11 23:00) (キャプション付き)
冥王星 (2020/8/11 23:00) (キャプション付き)
恒星の名称は https://wikisky.org/ より。

写真下の HD 185301 (9.3等)と、右上の TYC 6889-13-1 (11.2等)を目印に導入しました。Stellarium では冥王星のすぐ右にある USNOA2 0600-41219351 (13.2等)が表示されないので導入に自信が持てませんでした。Stellarium って結構そういうことがあるので困ります…

F12の15秒露出でどこまで写るかと思いましたが17.2等くらいまでは写っているようです。しかし冥王星の衛星カロン(16.2等)は写りませんでした。ギリギリ解像するかと思ったのですが、シーイングもあまり良くなく、ノータッチ追尾で15秒露出はスタックすれば星像は丸くなるものの一枚一枚はそれなりにブレているので無理だったようです。

太陽系の惑星は昨年コンプリートしたのですが、長年第9惑星として親しんできた冥王星を撮っていないのは心残りだったので今回撮れてよかったです。とはいえ、このままだとただの点なので、今日か明日また同じ写野を撮って冥王星が動いているのがわかる写真に仕上げてみたいです。

火星 (2020/8/1)

8月1日の夜は木星と土星を撮った後、深夜から南東の空に昇ってきた火星を撮りました。ずいぶん東寄りから昇ってきたと思ったら赤緯土星より20度以上北で南中高度は58度。

朝まで見ていたいところでしたが、体力とSSDの容量が限界で1時過ぎに撮影を終え撤収しました。結局その後徹夜で画像処理していたのですが…

火星 (2020/8/2 00:38)
火星 (2020/8/2 00:38)
高橋 ミューロン180C (D180mm f2160mm F12 反射), AstroStreet GSO 2インチ2X EDレンズマルチバロー (合成F40.4), ZWO IR/UVカットフィルター 1.25", ZWO ADC 1.25" / Vixen SX2 / L: ZWO ASI290MM (Gain 245), RGB: ZWO ASI290MC (Gain 285) / 露出 1/125s x 2000/5000コマをスタック処理 x6 (L:3, RGB:3) を de-rotation してLRGB合成 / AutoStakkert!3 3.0.14, WinJUPOS 11.1.5, RegiStax 6.1.0.8, Photoshop CC 2020, Lightroom Classic CC で画像処理

火星 (2020/8/2 01:01)
火星 (2020/8/2 01:01)
高橋 ミューロン180C (D180mm f2160mm F12 反射), AstroStreet GSO 2インチ2X EDレンズマルチバロー (合成F40.4), ZWO IR/UVカットフィルター 1.25", ZWO ADC 1.25" / Vixen SX2 / L: ZWO ASI290MM (Gain 245), RGB: ZWO ASI290MC (Gain 285) / 露出 1/125s x 2000/5000コマをスタック処理 x6 (L:3, RGB:3) を de-rotation してLRGB合成 / AutoStakkert!3 3.0.14, WinJUPOS 11.1.5, RegiStax 6.1.0.8, Photoshop CC 2020, Lightroom Classic CC で画像処理

前回に比べるとだいぶ大きくなりました。視直径は約14.7秒で、4割以上大きくなっています。10月6日の最接近時の視直径と比べるとの約65%の大きさです。

地形は… 2年前に買った『星ナビ』の付録の火星の地図がどこかに行ってしまってちょっとよくわかりません。サバ人の湾と子午線の湾はわかるんですが。

画像処理は火星の明るい縁の処理が悩みの種ですが、その外側にゴーストみたいなものが出てきてしまうのにも困っています。レタッチで消してしまってますが、消す前はこうなっています。

ゴースト?
ゴースト?

画像処理のせいでくっきり出てしまっているのは確かなんですが、その元になっているゴースト状の光はプレビュー映像でも見えてるんですよね… これは消すべきではないのかどうなのか?

木星、土星 (2020/8/1)

8月1日、関東も梅雨が明けて久々の晴天。とはいえ SCW ではくもりの予報だったので天体撮影の予定はなかったのですが、20時頃にベランダに出てみると薄雲はあるものの月と木星が見えていたので、ダメ元で機材の設置を始めました。

が、ドリフトアライメントで極軸を合わせている間に雲が出てきて作業中断。方位調整はできたものの高度調整が途中のまま。とはいえ、ある程度追い込んではいたので、最後の調整を勘でハンドルを回して終わらせて、そのまま撮影準備。

雲が切れてきて、木星をカメラに捉えるとほぼ中央に大赤斑が!20時頃から大赤斑が見えるのはわかっていましたが、間に合わないかと思っていました。しかも今期最高のシーイング。急いでピントを合わせて撮影開始。

結果はこうなりました。

木星 (2020/8/1 21:45)
木星 (2020/8/1 21:45)
高橋 ミューロン180C (D180mm f2160mm F12 反射), AstroStreet GSO 2インチ2X EDレンズマルチバロー (合成F40.4), ZWO IR/UVカットフィルター 1.25", ZWO ADC 1.25" / Vixen SX2 / L: ZWO ASI290MM (Gain 298), RGB: ZWO ASI290MC (Gain 335) / 露出 1/60s x 1500/3000コマをスタック処理 x8 (L:4, RGB:4) を de-rotation してLRGB合成 / AutoStakkert!3 3.0.14, WinJUPOS 11.1.5, RegiStax 6.1.0.8, Photoshop CC 2020, Lightroom Classic CC で画像処理

好シーイングのおかげでディテールまでしっかり解像しました。今期のベストを更新です。大赤斑後方斜め下の大きな白い楕円形は Oval BA でしょうか?北赤道縞も大赤斑後方も複雑な模様が浮かんでいますし、フェストゥーンも出ていて、暗斑もあっててなかなかにぎやかです。

ところで、撮影中から気になっていたのですが、大赤斑後方の少し離れた位置に謎の(?)輝点が出ています。上のLRGBでは輝度を上げているので埋もれてしまってわかりにくいのですが、暗く仕上げたL画像を見ると一目瞭然です。

木星 (2020/8/1 21:45) (L)
木星 (2020/8/1 21:45) (L)
高橋 ミューロン180C (D180mm f2160mm F12 反射), AstroStreet GSO 2インチ2X EDレンズマルチバロー (合成F40.4), ZWO IR/UVカットフィルター 1.25", ZWO ADC 1.25" / Vixen SX2 / L: ZWO ASI290MM (Gain 298) / 露出 1/60s x 1500/3000コマをスタック処理 x4 を de-rotation / AutoStakkert!3 3.0.14, WinJUPOS 11.1.5, RegiStax 6.1.0.8, Photoshop CC 2020, Lightroom Classic CC で画像処理

なんなんでしょうね?これは。プレビュー映像でもはっきり視認できたくらい明るく輝いていました。北赤道縞にも小さな輝点がありますが、これはプレビューでは気付かなかったです。

4セット目を撮った後、また雲が出てきて撮影中断。30分ほどで雲が切れるとその後は晴れ上がって来たのですが、シーイングが悪化。一応撮影を続行したのですが、画像処理してもゆるゆるの仕上がりだったのでボツにしました。

木星が傾いてからは土星を撮りました。土星は未だに WinJUPOS の de-rotation がうまくいかないので、それぞれ5000フレーム撮影したLとRGBをそのまま合成しました。細かい模様があったらブレてしまいますが、それもなさそうなので手抜きです。WinJUPOS は土星の傾きを平行にするためだけに使っています。*1

土星 (2020/8/1 23:14)
土星 (2020/8/1 23:14)
高橋 ミューロン180C (D180mm f2160mm F12 反射), AstroStreet GSO 2インチ2X EDレンズマルチバロー (合成F40.4), ZWO IR/UVカットフィルター 1.25", ZWO ADC 1.25" / Vixen SX2 / L: ZWO ASI290MM (Gain 303), RGB: ZWO ASI290MC (Gain 374) / 露出 1/30s x 2500/5000コマをスタック処理してLRGB合成 / AutoStakkert!3 3.0.14, WinJUPOS 11.1.5, RegiStax 6.1.0.8, Photoshop CC 2020, Lightroom Classic CC で画像処理

この後、深夜からは火星を撮ったのですがそれはまた後ほど。

とりあえず大赤斑の見える時にベストショットが撮れて大満足でした。途中雲が出てきた時はもう撤収しようかとも思ったのですが、あきらめなくて本当によかったです。

*1:de-rotation で1枚だけ指定して出力しました。

ネオワイズ彗星 (C/2020 F3 (NEOWISE)) (2020/7/19)

いつまで経っても梅雨が明けない関東地方ですが、7月19日は久々の晴れ。SCW の予報では夜も晴れそうということで、朝からネオワイズ彗星(C/2020 F3 (NEOWISE))の撮影準備。

尾を写すには30秒くらいの露出は必要だろうということで久々にスカイメモSを引っ張り出してきました。雲との戦いになりそうなので機材の設置・調整に時間をかけたくないのと、今回はマンションの廊下=隣の部屋の真ん前に陣取る関係で SX2 は場所を取りすぎて邪魔になるだろうと考えてのことです。

尾が随分長いとのことなので、レンズは 35-100mm F2.0 を尾の写り具合に合わせてズームすることに。

日没後の19:00過ぎからスタンバイ。北西方向は雲が薄いものの北は雲が厚く北極星が見えません。仕方なく勘で極軸を合わせて薄明が終わるのを待っていました。19:30過ぎあたりから雲の隙間に星が見えてきたので導入開始。目印の北斗七星も見えなかったのですが、赤緯赤経をそれっぽい位置に合わせると、薄雲越しに彗星らしき星の姿が。

F2.5で5秒露出の試し撮りをしたところ近くにおおぐま座の前足の先の2つの星(タリタアウストラリスとタリタ)が写っていて、尾を引いた星がネオワイズ彗星であることを確認。薄明の中の薄雲越しで、10秒露出だとほぼ真っ白になったので、8秒露出で連射。しかし、これは撮ってるうちに雲が厚くなってほとんど写っていませんでした。

そうこうしてるうちに北の空が晴れてきて北極星らしき星が見えてきたので、極軸を調整。しかし、これがアダとなってネオワイズ彗星を見失ってしまいます。再導入しようとしているうちに北西の空には雲がどんどん湧いてきて星が全く見えなくなりました。

やっと雲越しに星がちらちら見えてきた時には20:40を回ってネオワイズ彗星は高度12度。その後だんだん雲が薄くなって星が見えてはきたのですが、霞んだ空が街の灯りで照らされて、低空はほとんど星が見えません。5cm ファインダーでも見つけることができず、彗星の高度が10度を切った21:00過ぎにギブアップ。

結局、彗星らしい姿を捉えられたのは最初の試し撮りの1枚だけでした。

C/2020 F3 (NEOWISE) ネオワイズ彗星 (2020/7/19 19:45)
C/2020 F3 (NEOWISE) ネオワイズ彗星 (2020/7/19 19:45)
ZUIKO DIGITAL ED 35-100mm F2.0 (71mm F2.0) / ケンコー スカイメモS, ノータッチ / OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II (ISO200, RAW) / 露出 5.0秒 / Lightroom CC で画像処理、トリミング

写真の向きは北が右です。フルサイズ換算200mm相当の画角なので、本来なら画面からはみ出すぐらいに尾が出てるはずなんですが、薄明と雲のせいで露出時間が伸ばせず、淡い尾は全然写りませんでした。なんか「ネオワイズ彗星の写真ヘタクソ選手権」とかあったらエントリーできそうな出来ですね…

関東の天気は明日からまた下り坂。残念ですがネオワイズ彗星とはこれっきりになりそうです。SNS やブログで素晴らしい写真の数々を見てきた身としてはかなりがっかりなんですが、遠征しない引きこもり天文家の限界ですかね… まあ、ヘタクソでも撮れただけラッキーだったと思うことにします。

NHK『コズミック フロント☆NEXT』で KAGAYA さんの機材をチェック

7月16日放送のNHK BSP『コズミック フロント☆NEXT』は「スターゲイザー 星空の冒険者たち」と題して世界の天文関係者を紹介する番組でした。この回に天文ファンにはおなじみの映像作家 KAGAYA さんが登場するということで見てみました。

番組で紹介されたのはスティーブン・オメーラさん(眼視観測の達人)、KAGAYA さん、高橋製作所、ゲナティ・ボリソフさん(ボリソフ彗星の発見者)。KAGAYA さんの出番は15分程でした。

KAGAYA さんについてはその仕事ぶりもさることながら、天文ファンとしては使用機材も気になるところ。ということで番組中に出てきた機材をチェックしてみました。

KAGAYA パートの冒頭、スカイツリー新月前の細い月のコラボを狙ってずらりと並んだ機材。カメラが素早くパンして機材の詳細はよくわからないのですが、それでもひと目見て異様なシルエットのレンズが…

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画面右端に見える緑色の巨大なレンズ、SIGMA APO 200-500mm F2.8 / 400-1000mm F5.6 EX DG じゃないですか!?なんでこんなの持ってるの!?

知らない人が見たらシュミカセか何かかと思われるでしょうが、れっきとした屈折式のレンズです。最大径23.6cm、全長72.6cm、重量15.7kg という他に類を見ない巨大なレンズで、SIGMA の山木社長も「作ってみてびっくり」*1 のキワモノレンズです。

気を取り直してその隣に設置していた機材。

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天体望遠鏡とのことですが、接眼部のロゴを見た感じ BORG の鏡筒でしょうか。カメラは α7R IV のようです。

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こちらのレンズは FE 70-200mm F2.8 GM OSS でしょうか。ボディーはα7系と思われますがよくわかりません。

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バックに見えているのは先程の SIGMA APO 200-500mm F2.8 / 400-1000mm F5.6 EX DG ですが、ここは KAGAYA さんの額のヘッドライトに注目。

後のシーンでも着用していて、愛用品と思われますがアウトドア用品には疎くて自力では特定できず、Twitter で気になるーって言ってたら親切な方が教えてくれました。Petzl の e+LITE というモデル、それも旧型(おそらくE02 P3)のようです。

KAGAYA さんのは赤いスイッチでバンドが細い紐のモデルですが、新型(2017年モデル)の E02 P4 はスイッチが白でバンドが平たいラバーバンドです。新型の方が明るいのですが、電池の持ちが短くなっているそうで*2 それで旧型を使い続けているのかもしれません。

ところ変わって KAGAYA さんの仕事場。

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仕事部屋の上にロフトがあるのですが、Vixen AP赤道儀(赤緯モーター付き)が置いてあるのが見えます。

そして仕事部屋のデスク。

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モニターが6面!手前の2つはキーボードとマウスが別に付いているのでサブマシンでしょうか。

それはともかくガラスのデスクに置いてあるグラスの下の方に注目。天文年鑑が見えますね。銀色の表紙は2018年版と思われます。KAGAYA さんは古い天文年鑑を捨てられないタイプなのかも。*3

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メインマシンのマウスは MX Master 3 のようです。ロジクールのマウスの最上位機種ですね。

ここで KAGAYA さんの少年時代の話になって、高校時代の写真が。

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なにやら見おぼえのある赤道儀… ミザール AR-1 赤道儀でしょうか?モータードライブがなくガイド鏡を載せているので手動ガイドで撮っていたんでしょうね。すごい。

KAGAYA さんの Twitter を検索してみるとやはり AR-1 でした。

僕も子供の頃ビクセンかミザールかタカハシかで悩んでいたものでした。結局ビクセンにしたのですけど…

ところ変わって機材置き場にて一番よく使うレンズを見せてくれる KAGAYA さん。

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明るい広角レンズで天の川を撮るのに使うとのこと。SIGMA Art 14mm F1.8 DG HSM でしょうか?レンズには白い(蓄光?)シールが割符のように貼ってあります。暗いところでレンズ装着時の位置合わせがしやすいようにする工夫でしょうか。

よく見るとレンズとボディーの間にマウントコンバーターらしきものが挟まっています。MOUNT CONVERTER MC-11 でしょうか?このレンズは SONY Eマウント用もあるのですが、どうも Canon FE マウント用を MC-11 CANON EF-E 経由で使っているようです。

夜になって仕事部屋の上のロフトのベランダで月を撮影する KAGAYA さん。

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どういうわけかAP赤道儀を普通の三脚ではなくSXGハーフピラーデスクトップ脚を組み合わせた超低い脚に載せて、寝転がって撮影しています。何故?ベランダの天井が低いとか?

鏡筒は BORG ですね。107FL天体鏡筒セットCR あたりでしょうか。*4

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カメラは冒頭でも出てきた α7R IV、BORG の1.4倍テレコンも使っています。

最後はベテルギウスの減光でちょっと趣の変わったオリオン座を撮りに山梨まで遠征した KAGAYA さん。遠征機材は…

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SWAT ですね。それもフル装備*5の。よく見ると銘板に V-spec の文字が… どうやら SWAT の最上位機種 SWAT-350V-spec のようです。

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三脚は Vixen APP-TL130三脚 でしょうか。

https://rna.sakura.ne.jp/share/CFN20200716-KAGAYA/20200716-220000-00_32_35-00031.jpg

SONY のレンズに緑ラインの白レンズなんてあったっけ?と思ったら Canon のレンズですね。EF400mm F4 DO IS II USM と思われます。

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ボディーはやはり α7R IV なので SIGMA MOUNT CONVERTER MC-11 EF-E で接続しているものと思われます。MC-11 での純正EFレンズの接続は動作保証外ですが、天体撮影で手ブレ補正もAFも不要だから使えているということなのかも。

というわけで KAGAYA さん愛用の機材を見てきました。全体的に作品作りのためには投資を惜しまない攻めの姿勢が伺えます。そう言えばスカイツリーと月のシーンで KAGAYA さんはこう言っていました。

二度と同じ繰り返しのない一瞬なので、失敗するとものすごく後悔するんですね。自分で対応ができなかった時は。ですのでその瞬間っていうのは本当に自分の全能力を使って失敗がないように、気を配って、見逃さないようにしております。

番組の取材は今年の1月下旬のようで、先日の大火球撮影に関連する話は出てこなかったのですが、そのへんについては三菱電機 DSPACEの記事「KAGAYAさんは、なぜ真夜中の大火球を捉えることができたのか」に詳しく載っています。

7月2日未明の大火球の動画を見た時は「え?KAGAYA さんなんでこんな曇り空撮ってたの?」とびっくりしたのですが、例のロフトのベランダに2年前から火球監視用のカメラが仕掛けてあって常時全天を撮影していたというのです。

決定的瞬間を見逃さないために全力を尽くす。そんな KAGAYA さんの姿勢を見習いたいものです。

とはいえ、今回の大火球といい、7年前のラヴジョイ彗星と流星(+流星痕)といい、努力してなければ絶対撮れないけど努力してるからといって誰でも撮れるものではない、というレベルのスーパーショットを繰り返してるところを見ると、なんというか「天に愛されてる人」なんだろうなぁ…

*1:デジカメ Watch【PMA07】“キワモノ"が写真を変える」より

*2:Petzl e+lite E02P4 /ペツル イーライト 2017年モデル - 和田哲哉 -LowPowerStation- より

*3:僕も捨てられないタイプです…

*4:中川光学研究室ブログのこの記事によると、やはり BORG 107FL のようです。シュミットでお買上げとのこと。

*5:オプションは極軸微動ユニット、マルチ赤緯ブラケット、回転ユニット、アルカスイスキャッチャー、ウェイトシャフト、バランスウェイト、極軸望遠鏡が確認できました。