Deep Sky Memories

横浜の空で撮影した星たちの思い出

速報: ポン・ブルックス彗星(12P)撮れた (2024/3/29)

3月29日は台風みたいな強風が吹き荒れてガクブルしてたのですが、夕方からまるで台風一過みたいな快晴に。SCW の予報でそうなるのは知っていたのですが、風もまだ強いし、黄砂が来てるとかで意外と透明度も低いしどうしようかなと思っていました。

が、明日は用事があるし来週も忙しいしでここを逃すとしばらくチャンスがないということで、自宅マンションの廊下からポン・ブルックス彗星を撮りました。前回はなかなか厳しい写りで「撮れた」とは言い難い出来だったのでリベンジです。

今回は、どうせ長く伸びた淡い尾は写らないだろうから、尾の根本あたりだけでもしっかり撮ろうと RedCat 51 でクローズアップ気味に撮ることにしました。

日没前から準備を始めて日没前後には西の空の霞もだいぶ晴れてなかなかの透明度に。

空が暗くなるのを待っていると、18:30過ぎからガイドカメラに星が写るようになってきました。フルサイズ換算500mmですからさすがに極軸はある程度追い込まなくてはならないので、PHD2 のポーラードリフトアライメントで極軸合わせをしようとしたのですが、その前になかなかキャリブレーションができなくて往生しました。

西の空はまだ明るいるので北の空でガイド星を捉えたのですが、移動量が少ないせいでキャリブレーションに時間がかかり、その間に強風に煽られてガイド星が飛びまくったりしてキャリブレーションに失敗します。

結局西の空が暗くなるのを待ってから西の空の星でキャリブレーションしてから極軸を合わせました。ピント合わせも薄明が残る空に強風という組み合わせでは SharpCap のバーティノフマスク支援ツールの精度が悪くなるようで、結局目視でピント合わせしました。撮影開始は19:15頃。

導入はハマル(おひつじ座α星)を目印に導入したら一発でした。プレビューでも尾がうっすら見えてそうな感じで彗星らしい姿がはっきりわかりました。

強風ということもあって15秒露光で大量に撮る作戦だったのですが、10分足らずで低空に雲が出てきてそのままゲームオーバーになってしまいました。とはいえプレビューであれだけ見えたならそれなりに写っているのでは?ということで処理してみたのがこちら。

ポン・ブルックス彗星(12P)とハマル (2024/3/29 19:22)
ポン・ブルックス彗星(12P)とハマル (2024/3/29 19:22)
William Optics RedCat 51 (D51mm f250mm F4.9 屈折), ZWO IR-Cut Filter / Sky-Watcher Star Adventurer GTi, D30mm f130mm ガイド鏡 + QHY5L-IIM + PHD2 2.6.13 による自動ガイド / ZWO ASI294MC Pro (Gain 200, -10℃), SharpCap 4.1.11824.0 / 15秒 x 25コマ, 総露出時間 6分15秒 / PixInsight 1.8.9-2, Lightroom Classic で画像処理

うっすらながら尾が写りました!これだけ写れば撮れたと言ってよいでしょう。左下の明るい星はハマルです。黄色っぽいハマルと緑色の彗星の取り合わせがナイス、と自画自賛。でも構図がちょっと変ですよねぇ。もう少し短い筒、もしくは大きいセンサーで撮るべきだったか… どっちも持ってませんが…

白黒反転画像も作ってみました。

ポン・ブルックス彗星(12P)とハマル (2024/3/29 19:22) (白黒反転)
ポン・ブルックス彗星(12P)とハマル (2024/3/29 19:22) (白黒反転)
撮影データは上に同じ。

尾の構造がなかなか複雑なのがわかります。ふわっとしたダストテイルは上の方に曲がって流れています。イオンテイルは根本で二股に分かれて、一方は長くたなびいて、もう一方は鋭く短く伸びています。

画像処理は PI の CometAlignment ですが、露光時間が短く、彗星の移動速度もゆっくり目だったようで、彗星だけ画像を作ったつもりが星がほとんど流れないせいで星もはっきり写った画像になりました。

等倍で見ると星像がかなり乱れていますが、これは風のせいでガイドが荒れ気味だったからだと思います。まあ、通常の鑑賞距離で見る限りは気にならないので良しとします。

ということで、正直無理かなーと思っていたのですが、横浜の空でこれだけ写れば満足です。頑張って撮ってよかったです。