12月2日の明け方にレナード彗星(C/2021 A1)を撮りました。3日の明け方が球状星団 M3 に接近するので狙い目だったのですが、彗星核が崩壊しつつあるのでは?との噂もあり撮れる時に撮っておこうということで。
ちなみに3日は好天だったものの体調が悪くて起きられませんでした… 1日の夜は冷却CMOSカメラの野外での撮影テストをした後そのまま徹夜で明け方のレナード彗星撮影で、翌日は疲労と筋肉痛でくたばってたのです。
結果はこちら。画像の向きは北が上です。
何故か背景の色ムラが激しくて炙りきれませんでしたが、一応尾が伸びた彗星らしい姿は写りました。
レナード彗星は東の空でベランダからは見えないので、またマンションの廊下から撮りました。共用部分とはいえ他人の部屋の前なのでSX2は邪魔になるのでスカイメモSを使用。当然彗星追尾などという芸当はできないので短時間露出を繰り返して DSS の彗星核基準コンポジットで処理しました。
極軸合わせは PHD2 の Polar drift alignment を使う予定だったのですが、PHD2 がガイドカメラ(QHY5L-IIM)から映像を取得できないトラブルが。結局極軸は極軸望遠鏡でアバウトに合わせて(使い方忘れた)、オートガイドも諦めました。このトラブルでばたばたしていて撮影開始が遅れてしまいました。
カラーで撮りたかったのでカメラはデジカメ(OM-D E-M1 Mark II)です。動く彗星をLRGB撮影するのは無理っぽいので。*1 ピント合わせは RedCat 51 付属のクリアバーティノフマスクを使用。光害で明るい低空でも一際目立つアークトゥルスを使いました。
そのままアークトゥルスからスターホップしようとしたのですが、途中で星の並びを見失い右往左往。たまたま特徴的な星の並びを星図(スマホアプリのiステラ)に見つけて現在位置を把握して M3 までたどり着いてそこからなんとかレナード彗星を導入できました。デジカメのライブビューでは尾は見えませんでしたが、ぼんやり拡がったコマははっきり見えました。
試し撮りの60秒露出で尾も映ったのですが、彗星の移動が結構速くてブレそうだし、極軸も怪しくオートガイドもないので少し短めの40秒露出で撮ることにしました。インターバルタイマーでコマ間の待ち時間をうっかり0にしてしまったせいでシャッターの動作とSDカードへの書き込みのラグの分引かれて、最初のコマ以外は38秒になりましたが、その場では原因がわからなかったのでそのまま撮影。
結果はやはり追尾エラーでブレているコマも結構ありましたが、選別すると彗星核基準でコンポジットした時に恒星の流れが途切れて気持ち悪くなりそうなので全コマスタックしました。像は甘くなっているはずですが、パッと見目立たないのでよしとします。
背景の変な色ムラについては謎なのですが、真上からLED照明で照らされている環境だったのでどこかから迷光でも拾ったのでしょうか。ダークもその場で撮ったので鏡筒の蓋が甘かったかと思いフラットとダークなしでも処理してみましたが色ムラは変わりませんでした。
PHD2 のトラブルですが、後で調査したものの原因がわからず、結局今後は ASI290MM を使うことにしました。ノートパソコンは Panasonic Let's Note CF-SZ6 で、最近天体撮影用に買った中古品です。事前のテストでは問題なかったのですが…
前夜の撮影でも同様のトラブルがあったのですが、ケーブルをつなぎ直したりしているうちに直ったのでケーブルの接触が悪かったのかと思っていたのですが、その状況でも SharpCap では普通にプレビューできるし、同じケーブルでデスクトップPCに繋いだら PHD2 でも問題ありません。
レッツノート本体の Wi-Fi のスイッチを OFF/ON すると復帰して10秒くらい映像が流れてくるのですが、また止まってしまうのも謎です。QHYのドライバーを再インストールしたりインテルのオプションのドライバを更新したり、デスクトップで使っている古いドライバに入れ替えたりと色々試したのですが症状は変わりませんでした。
ということで、3日の明け方に再チャレンジ、と思って準備はしていたのですが目覚ましが鳴った時には体がだるすぎてもう無理ってなってしまって撮れませんでした… 尾の後ろの方は光害で写らなさそうなので明日もなんとか写野内に M3 を入れられるかな?
*1:彗星核基準コンポジットすると恒星がカラフルになるのを我慢すれば可能?