Deep Sky Memories

横浜の空で撮影した星たちの思い出

三脚の石突問題

マンションの工事が終わってまたベランダで天体撮影ができるようになったのですが、工事前と変わったことが一つあります。以前はベランダの床はコンクリートの打ちっぱなしだったのですが、工事で防水塗装が施されました。

せっかくの防水塗装を天体望遠鏡の三脚の金属製の石突で傷つけるのはマズいですし、賃貸住宅ですので後々問題になることも考えられます。ということでベランダで天体撮影を続けるに当たって何らかの対策が必要になりました。

要は石突の下に何か敷いて荷重を分散させることで塗装にダメージを与えないようにしたいのですが、最終的にたどり着いたのがこれでした。

スパイクインシュレーターのスパイク受け (直径25mm/厚さ5mm ステンレス製)
スパイクインシュレーターのスパイク受け (直径25mm/厚さ5mm ステンレス製)

オーディオ用のインシュレータの一種「スパイクインシュレーター」の受け側の金属製のプレートです。4個セットで1198円でした。

インシュレーターはオーディオ機器(スピーカーやレコードプレーヤー等)の振動が、棚や床等の設置面に伝わって発生した反動が音質に影響を与えるのを防ぐために機器と接地面の間に挟む防振用の敷物のことです。

いろんなタイプがあるのですが、尖った金属製の足を機器側に取り付けて、それを受ける金属製のパッドを接地面側に置くことで振動を抑えられるそうで*1 そういうタイプのインシュレーターをスパイクインシュレーターといいます。

このスパイクインシュレーターの受け側のパッドを三脚の石突の下に敷いて SXG-HAL130(5.5kg) + SXGハーフピラー(1.8kg) + SX2(7kg) + バランスウェイト(3.7kg) + μ-180C(6.2kg) + 拡大光学系/CMOSカメラ/STARBOOK TEN (1.5kgくらい) = 25kg強 を支えて撮ったのが10月3日と4日の撮影でした。


結果は、床の塗装に傷が付くこともなく、インシュレーターが歪んだり割れたりすることもなく、期待通りでした。撤収時にインシュレーターが塗装面に密着してなかなか剥がれなくなって焦りましたが、剥がしたところを見ても肉眼で見てわかるような跡は付いておらず、問題なさそうです。

実はここにたどり着く前にはこんなものも試していました。

洗濯機用防振ゴムパッド (硬質ゴム製)
洗濯機用防振ゴムパッド (硬質ゴム製)

硬質ゴム製の何らかのパッドなら塗装面に優しいし振動も吸収していいのでは?と思ったのですが、実際使ってみると機材が無茶苦茶揺れます。もっと機材の重みで沈み込むかと思ったのですが、ちょっと触っただけでフワフワ揺れてしまう有様でした。

9月28日の月面の撮影にはこれを使ったのですが、当日無風だったからよかったものの、風があるとヤバかったかなという感じでした。月面は合成焦点距離960mmでの撮影でしたが惑星撮影は合成焦点距離7400mmですから、これはもう無理だなと思ってその後他のを探していました。

最初は木製のプレートを探していたのですが、石突が刺さって割れない強度がありそうなものがなかなか見つからず。木の枝をスライスした切り株状のプレートなら中心部に石突が刺さっても簡単には割れないだろうと、その手のもの探したのですが、サイズや平面性の点でこれといったものがなかなかなく、唯一良さそうなものは納期が遅いということで、他に何かないかと検索していたところ、偶然みつけたのがスパイクインシュレーターでした。

ちなみに洗濯機用防振ゴムパッドの前はこんなものも検討していました。

セレストロン製のものとアストロストリート扱いのものは3個セットですがタカハシの三脚フラットナーは1個の値段なので3個買うと9900円(税込)。アストロストリートの以外は結構なお値段です。今回は防振よりも床の塗装を傷つけないのが目的なのでオーバースペックでもあり、別のものを探すことにしたのでした。

そういう目的の製品がないということは需要もほとんどないということでしょうけど、まあブログに書いて10年くらい放置しておけば誰かの役に立つこともあるかもしれないので、書いておきました。

*1:原理はよくわかりません…