10月20日の夜は満月。普段満月は撮らないのですが、先日購入した冷却CMOSカメラのテストを兼ねて撮影しました。
使用したカメラは先日カッとなって買ってしまったモノクロ冷却CMOSカメラ ASI294MM Pro です。意味はないのですが冷却機構のテストのために10℃に冷却して撮影しました。また、シーイングがあまり良くなかったのでフィルターホイール(EFWmini)のテストも兼ねて、IRパスフィルター(IR850)を使って赤外で撮影しました。使用前と使用後で時間差があるのではっきりしませんが多少効いた気がします。
結果はこちら。
ベストというほどではないですがそこそこ撮れたと思います。オリジナルサイズは 5168x5168ピクセルの高解像度画像なので flickr の拡大表示で見てみてください。
ASI294MM Pro は通常 Binning 2 の約1200万画素(4144x2822)で使用されますが、これは Binning 1 の約4700万画素(8288x5644)で撮影しています。Binning 1 のピクセルサイズは2.315μmで、いつも惑星撮影に使っている ASI290MM よりも高解像度です。
ASI290MM ではないですが、2018年に QHY5L-II-M で同じ鏡筒と2.5倍バローを使って満月をモザイク撮影しています。
画像処理も違うので単純に比較できませんが、モザイク撮影に匹敵する結果が一度に撮影できるのはこのカメラのメリットです。ピクセルサイズが小さいためか Binning 1 では若干ノイジーで、スタックコマ数はもう少し増やしたかったところ。しかし Binning 1, 16bit MONO でのキャプチャはフレームレートが 5fps 以下になるためコマ数を稼ぐのに時間がかかります。今回は雲に邪魔されることが多く、一度に1000コマ(4分)以上のキャプチャができませんでした。
もっともモザイク撮影の方では一時間くらいかかっていますし、モザイクの糊代をミスると台無しになる、撮影中にシーイングが変化すると繋いだ時に場所によって解像感が変化してしまう、等の難しさを考えると全然楽には違いありません。
ということで月面撮影には ASI294MM Pro を、、と言いたいところですが、μ-180C のイメージサークルだとフォーサーズサイズのセンサーでも周辺は流れてしまいますし、そもそもDSO撮影用に買ったのです… 今回は主に接眼部の強度を確認するために月面撮影をしたのでした。
結果としては高度60度以上でフォーカサーの微動も正常に使えたのでテストは成功です。オプションのDXマイクロフォーカス接眼部にしておいたのがよかったのかもしれません。ASI294MM Pro 購入にまつわる色々については別途エントリを立てて書きたいと思います。