Deep Sky Memories

横浜の空で撮影した星たちの思い出

最遠の満月 (2017/6/9)

昨夜は満月。そして月が最遠、ということでいわゆる「スーパームーン」の逆、世間では「ミニマムムーン」などとも呼ぶようです。

ところで今月の満月は「ストロベリームーン」だ、低い満月で赤く見えるからだ、などというニュースが流布していましたが、南中高度が35度では赤く見えるほどじゃないし、月の出や月の入り近くの低い月ならいつだって赤っぽく見えるわけですし*1 そもそも今月が今年一番低い満月というわけでもないですし*2 なんなんだと思ったら、早い話がデマでした。

最近毎日欠かさず見ている天文リフレクションズさんの記事より。

「6月の低い満月が赤色だから・・」というもっともらしい理由付けの記事も見ますが、元々は北米でイチゴの収穫が行われるためだそうです。

何より、地平線近くの低い満月はいつ見ても赤いんですけど・・・馬鹿馬鹿しいのでリンクは貼りませんが、通販サイトも真っ青の刺激的な煽り記事が満載です。
【満月の愛称】ストロベリームーン?【先回り】 | 天文リフレクションズ編集部

そんなわけでストロベリームーンには興味はないのですが、最遠の満月には興味があります。同じ機材で撮って最近の満月(スーパームーン)と組み写真にすると面白いからです。

しかし昨夜はあいにくのくもりで月が全く見えず、無理だと思っていたのですが、23時頃ふとベランダに出ると大きな雲の切れ目ができていて、綺麗な月が浮かんでいます。あわてて望遠鏡を組み立ててピントを合わせて、と、ばたばたしているうちに西からどんどん雲が迫ってきて、結局1分弱しか撮影できませんでしたが、なんとか撮れました。

最遠の満月 (2017/6/9 23:31)
最遠の満月 (2017/6/9 23:31)
OLYMPUS OM-D E-M5, 笠井 BLANCA-80EDT (8cm F6) + 2x TELECONVERTER EC-20
ISO 200, 1/80s
Lightroom CC で画像処理

実はいつもより黄色く写っていたのですが、おそらく雲のせい。上の写真では色温度を調整して普通の色に仕上げています。

満月と言っても月がよく見える夜中にぴったり満月になるとは限らなくて、写真に撮るとわずかに欠けていたりするものですが、今回は22:10に満月だったのでほとんど欠けていません。

あとは12月4日の最近の満月を撮れば大きさが比較できる組み写真ができます。というか、実は2014年にそういう写真を撮っていました。

最遠の満月(2014/1/16)と最近の満月(2014/8/11)
最遠の満月(2014/1/16)と最近の満月(2014/8/11)
OLYMPUS OM-D E-M5, 笠井 BLANCA-80EDT (8cm F6) + 2x TELECONVERTER EC-20

この時と機材も同じですし、同じことを二度もやらなくてもという気もしますが、スーパームーンが話題になった夜にこういうのをドヤ顔で出したいなー、と思って…

*1:色合いは大気の状態に左右されますが。

*2:天文年鑑2017』によると、今年一番低い(視赤緯が最南の)満月は7月9日。