昨夜の木星の写真に写っていた大赤斑の「異変」ですが…
大赤斑の「目頭」からニュッと赤いのが飛び出ている件、言いにくいので勝手に「赤い涙」と命名しますが*1、冗談で「大赤斑なくなっちゃうの?」とか言ってたのですが、調べてみたらそんな心配をしてる人が結構いるらしくてだんだん僕も心配になってきました…
最近天リフで見ないので心配していたRB星さんのブログ*2にも言及がありました。
大赤斑は壊れることなく存在していますが、赤いはみ出しはまだ見えていました。
木星 2019/05/24-25: RB星のブログ
やっぱり壊れるの?って思っちゃいますよね。
気になって Twitter で大赤斑の話題を探していたらスペースアーティストの Greg Smye-Rumsby さんがこんなツイートを。
Clyde Foster captured an extremely detailed image of the recent changes in the Great Red Spot on Jupiter within the last 24 hours. Are these signs of the demise or resurgence of the GRS. https://t.co/cUNiHFlL2S pic.twitter.com/f7fbEb35a1
— Greg Smye-Rumsby (@gregsmyerumsby) 2019年5月24日
大赤斑の消滅あるいは復活の兆候、ですか。復活の線もあるんですか?でもずっと縮小してきてるし消滅のほうがありそうな… リンク先は ALPO-Japan (月惑星研究会)の23日の報告ですが、「赤い涙」は少し下を向いています。
ALPO-Japan の過去ログを漁ってみると日本時間の17日あたりから大赤斑から赤い筋が剥がれるような動きがあったんですね。12日から17日の大赤斑の様子を John H.Rogers さんが解説しています。
Rogers さんはこの赤い筋を「赤い刃」(red 'blade')と呼んでいます。その後の様子を見た感じでは大赤斑の北側から剥がれた「赤い刃」は反時計回りにめくれるように回転しているように見えます(18日、19日、20日)。これが22日には目頭に到達して「赤い涙」になったのでしょうか?
そういえば天リフさんが大赤斑の記事を紹介していたのスルーしてたっけ… と思ってTLを遡って見つけたこれ。
ここ数日、木星の大赤斑の「不思議な現象」にアマチュア惑星観測クラスタの注目が。縞模様が大赤班の周囲をぐるりと隈取りする形に。近年とみに縮小している大赤班だが、この現象はいつまで続くのか注目。https://t.co/Vsj4ELTG4y
— 天リフ編集部 (@tenmonReflexion) 2019年5月24日
紹介してた記事、英語だし "Unraveling" がわからなかったのでスルーしてたんですが、「解れる」って意味じゃないですか。読んでみると例の「赤い刃」の話でした。似たような解れは2017年にも観測されたそうです。
記事中の写真を撮ったアマチュア天文家の Anthony Wesley 氏は、一週間後にはさらに新しい解れが現れてそれが繰り返されるだろう、としています。もしそうならこのままどんどん「赤い刃」やら「赤い涙」やらが大赤斑から剥がれていって最終的には…
うーん… 大赤斑が崩壊しちゃったらどうしよう… 大赤斑消失なんてイベント、目撃できたら一生に一度どころでない大事件になるわけで、ぜひとも見てみたい!と思う一方で、消失後の木星のことを考えると…
大赤斑は木星の魅力の大きな部分でもあるわけで、この先ずっと大赤斑のない木星を見ることになるのかと思うと辛いです。「大赤斑がなくても木星ちゃんは木星ちゃんだよ!」とは言えない自分がいます。なんでしょう?ルッキズム?
そんなわけで大赤斑のことを考えたり大赤斑の絵を描いたりしていました。
木星ちゃん(単眼キャラ) pic.twitter.com/DYINOE9IfN
— ナょωレよ″丶)ょぅすレナ (@rna) 2019年5月25日
*1:「お漏らし」とか言ってる人もいますが…