9月30日の深夜に撮った火星です。この夜は土星と木星がメインターゲットでしたが、木星の大赤斑が出てくるまで待っている間に火星も撮りました。
写真は火星の北が上です。火星はまだ遠く、視直径は11.9秒角。それに加え、撮影時には火星がマンションの壁際に位置してマンションの壁面と気温の温度差でシーイングがあまりよくなく、頼りない写りではありますが…
火星では9月下旬に黄雲(ダストストーム)が発生して、9月30日時点でも黄雲が拡大している状況でした。地表の模様が見えにくくなり見た目が様変わりしているとの報告があります。
写真でも東側(右側)の欠け際から中央にかけて見える大シルチスまではわかるのですが、人その西側の模様がよくわからない感じです。ALPO-JAPAN の当日の報告だと荒川毅さんの報告画像の1枚目のIR画像がほぼ同時刻ですがやはり似たような模様で、2020年の火星と比べてもなんだか様変わりしています。
2020年は地球からは南極側から少し見上げるような角度で火星が見えていたのに対して、現在はほぼ真横から見えているため、2020年の画像を少し手前に回した姿を想像して比較してください。
この後木星を撮ってから最後にもう一度火星を撮りました。
2時間の間の自転で大シルチスは影の部分に隠れて中央付近に子午線の湾が見えていますが、その南の方は黄雲がかかっているのか黄雲で砂をかぶったのかあちこち明るくなっています。
このあたりの2020年の画像はこちら。
うーん、やっぱり比較しづらいので地図も作ってみました。
火星像のリムに由来する部分(経度45度付近や南極近く)はリムの二重化の影響が大きいため不正確です。極がリムに近いため極冠はよくわかりませんが、北極付近には白い雲がかかっています。
そして、こちらが2020年に作成した地図。
❶ シレーンの海 | ⓫アキダリアの海 |
❷ オリンポス山 | ⓬真珠の海 |
❸アルシア山 | ⓭子午線の湾 |
❹パボニス山 | ⓮サバ人の湾 |
❺アスクラエウス山 | ⓯大シルチス |
❻太陽湖 | ⓰ヘラス盆地 |
❼マリネリス峡谷 | ⓱インディス平原 |
❽ルナ湖 | ⓲チュレニーの海 |
❾オーロラ湾 | ⓳ユートピア平原 |
❿クリュセ平原 | ⓴キンメリア人の海 |
2020年10月28日の記事から再掲しました。
今年は火星の接近の年で最接近の12月1日には17.2秒角まで大きくなります。
とはいえ12月はシーイングがあまり期待できないので撮れる時に撮った方がよさそうです。