Deep Sky Memories

横浜の空で撮影した星たちの思い出

火星 (2022/12/10)

12月10日の夜に火星を撮りました。今年は火星の接近の年で12月1日が最接近だったのですが、忙しかったり曇ってたりでやっと撮れました。

今年は火星の赤緯が大きいためベランダの壁や天井に隠れてしまう時間帯が長く、観測時間が限られる上、冬場でシーイングが悪い上にマンションのコンクリートが昼間に溜めた熱や、ベランダに漏れる部屋の暖気などの影響もあり、まともに撮れるものかどうか… という迷いはあったものの、とにかく撮ってみなければわからないということで、撮りました。

日没後ベランダに機材を設置して木星を見てみましたが、やはりシーイングが悪く細部が解像しません。ピント合わせも困難。19:30頃から火星を撮り始めたのですが、ただでさえ不安定な像が、ピント調整のために僕が出入りする度に部屋の暖気や僕の体温で像が乱れ、火星面でのピント合わせは無理でした。

結局アルデバランを導入してライブビュー表示にストレッチをかけてミューロンの3本スパイダーに由来する6本の光条が見えるようにして、光条が1点でクロスするように調整することでピント合わせしました。

30本くらい動画を撮りましたが、まあまあ見れる写りなのは5本ぐらい。途中で stack & wavelet したものを見ると解像が悪くてLRGB撮影する意味がないと思い、途中からRGBだけ撮りました。

結果はこの通り。

火星 (2022/12/10 20:17)
火星 (2022/12/10 20:17)
高橋 ミューロン180C (D180mm f2160mm F12 反射), AstroStreet GSO 2インチ2X EDレンズマルチバロー (合成F41.4), ZWO IR/UVカットフィルター 1.25", ZWO ADC 1.25" / Vixen SX2 / ZWO ASI290MC (Gain 315), SharpCap 4.0.9268.0 / 露出 1/125秒 x 1500/3000 コマをスタック x3 を derotation / AutoStakkert!3 3.0.14, WinJUPOS 12.1.2, RegiStax 6.1.0.8, Lightroom Classic で画像処理

ここはほぼ連続してそこそこ写ったので、3本 de-rotation して仕上げました。大シルチスが正面を通過して西側に回った後で、西側にはサバ人の湾が見えています。*1 北極冠が大きく見えています。2年前の準大接近では地球との位置関係で北極付近が見えなかったのですが、今回はよく見えています。

もう一つ、前後の動画の写りが悪く de-rotation はできませんでしたが、一番よく写った動画から仕上げたもの。

火星 (2022/12/10 20:36)
火星 (2022/12/10 20:36)
高橋 ミューロン180C (D180mm f2160mm F12 反射), AstroStreet GSO 2インチ2X EDレンズマルチバロー (合成F41.4), ZWO IR/UVカットフィルター 1.25", ZWO ADC 1.25" / Vixen SX2 / ZWO ASI290MC (Gain 315), SharpCap 4.0.9268.0 / 露出 1/125秒 x 1500/3000 コマをスタック / AutoStakkert!3 3.0.14, WinJUPOS 12.1.2, RegiStax 6.1.0.8, Lightroom Classic で画像処理

よく写ってもこんなもので、視直径も17秒角弱ですし、なかなか厳しいです。

途中から雲が出てきて22時前には撤収しました。今月はチャンスがあれば懲りずに撮ってみるつもりですが、結果はあまり期待できなさそうです…

*1:惑星面の東西は、惑星の北極を上にした時に右側が東、左側が西、としています。惑星面上に日本地図をイメージするとわかりやすいと思います。