Deep Sky Memories

横浜の空で撮影した星たちの思い出

Galaxy Annotator v0.6 (不具合修正版)をリリースしました

昨日公開した Galaxy Annotator の不具合修正版(v0.6)をリリースしました。

写野に等級データのない銀河があると、-m オプションを指定した leda-votable-to-galaxy.py がエラーで落ちるというものです。v0.6 でもデフォルトはエラーで止まる仕様ですが、どの天体でエラーになったか出力するようになりました。

そして -s オプションでエラーになる天体をスキップする(出力に含めないようにする)か、-i オプションでエラーになった天体もエラーを無視して出力するかを選べるようになりました。

エラーになるのはほとんどが小さくて暗い銀河ですし、赤方偏移データもない(距離が計算できない)場合が多いので、基本 -s オプションでスキップしても構わないと思います。表示したい銀河を個別に選びたい場合は -i オプションで全部出力してから、出力した JSON ファイルを手で編集することになります。写野が広いと大変ですが…

あと、等級のチェックの際に it (I magnitude)がなければ vt (V magunitude)を使っていたのですが、念の為それもなければ bt (B magunitude)も使うようにしました。


ところで、タイミングの悪いことに今朝から astrometry.net に障害が発生していて(画像のアップロードはできるものプレートソルブのジョブが開始しない)、Galaxy Annotator を試そうとした人が試せない*1という状況でした。今は復活していますがWebサービスだとこういうことがあるから困りますね。

wcs.fits はローカルにインストールした astrometry.net でも出力され、Galaxy Annotator でも利用できる事を確認しました。All Sky Plate Solver (ASPS) も wcs.fits を出力できるそうで、まだ試せていませんが、たぶんこれも利用できると思います。ASPS も中身は astrometry.net のコードを使っているようなので。*2

astrometry.net も ASPS もインデックス(星表データ)のダウンロードが大変でなかなかローカルにインストールするのもお勧めしづらい状況です。astrometry.net はインデックスを全部インストールしたら 30GB 越えました…

ASPS は機材の焦点距離等に合わせてインデックスを選別してインストールする機能があるのですが、ネットワークエラーでダウンロードに失敗するたびダイアログが出て処理が止まるので放置してるとインストールが終わりません…

あと、出力した SVG がブラウザ以外だと Inkscape ぐらいでしか開けないという問題ですが、PixInsight でも開けるそうです。*3

*1:過去に astrometry.net を使ってても wcs.fits をダウンロードして取ってある人は滅多にいないでしょうからね…

*2:ぐらすのちさん(id:fornax)の見せてくれたFITSヘッダを見る限り使えそうです。

*3:PixInsight は持っていないのですが、だいこもんさん(id:snct-astro)に教えていただきました。