Deep Sky Memories

横浜の空で撮影した星たちの思い出

ウィルタネン彗星 (2018/12/13)

体調が悪い間は考えるとつらくなるのでずっと考えないようにしてきたウィルタネン彗星、やっと撮りました。

GPVの予報では22時頃から晴れるとのことで、21時前にベランダに出ると南天の半分くらいが晴れていたのでこのまま晴れるのだろうとSX2を設置。いつものようにドリフトアライメントで極軸を合わせようとしたのですがとたんに一面の曇り空に。

雲の切れ目ごとにドリフトしては中断ということを繰り返して結局極軸が合ったのは22:40。でもまた雲。雲の隙間から見えたアルデバランでピントを合わせましたが、雲で中断。

23時過ぎに晴れ間が広がってきたのでアルデバランから星を辿って手動でウィルタネン彗星の導入を試み、構図確認用の60秒露出の一枚に彗星を確認したものの、また雲で中断。10分後、雲が切れてきたのを見て見切り発車で撮影を開始しましたがすぐに雲が出てきて撮影中断。

さらにその10分後、晴れ間が広がってきたのを見て撮影を開始。途中薄雲が横切ったのには目をつぶって今度は最後まで撮りました。

8cm F6 + 0.6x レデューサー(288mm F3.6)で60秒露出を32枚撮影。はい、このへんは HIROPON さんの設定をパクりました…

こちらはカメラが E-M5 で適正ISOが200になる分露出が不足するので、本当は90秒露出ぐらいにしようと思ったのですが、Stellarium で見ると彗星の動きが思ったより速くてブレそうだったので60秒にしました。そのかわり光害カットフィルターはナシにしました。色的にあまり効かないんじゃないかとも思ったので。

結果はこちら。

46P ウィルタネン彗星 (2018/12/13 23:25-23:58 彗星核基準コンポジット)
46P ウィルタネン彗星 (2018/12/13 23:25-23:58 彗星核基準コンポジット)
笠井 BLANCA-80EDT (D80mm f480mm F6 屈折), 笠井 0.6倍レデューサー (合成F3.6) / Vixen SX2, D30mm f130mm ガイド鏡 + QHY5L-IIM + PHD2 による自動ガイド/ OLYMPUS OM-D E-M5 (ISO200, RAW) / 露出 1分 x 32コマ 総露出時間 32分 / DeepSkyStacker 3.3.2, Lightroom CC で画像処理, フルサイズ換算 800mm 相当にトリミング

DSS で彗星核基準でコンポジットしています。要は彗星の動きを追って流し撮りしたような写真になっています。

恒星基準でコンポジットするとこうなります。

46P ウィルタネン彗星 (2018/12/13 23:25-23:58 恒星基準コンポジット)
46P ウィルタネン彗星 (2018/12/13 23:25-23:58 恒星基準コンポジット)

30分あまりで彗星がこれだけ動いているわけです。

DSS の彗星核基準コンポジットでは彗星核の指定は手動です。ホシミスト3013さんによると彗星核は最小で3コマ指定すればOKとのことだったのでやってみたのですが、何故か壊れたTIFFが出力されてしまったので、結局全コマ指定しました。

色の出がいまいちなので「DSO 写真の画像処理方法の変更」の方法で再処理してみたのですが、何故かTIFFのスタックだと位置合わせがうまくいきません。恒星基準と彗星基準が混ざったような結果になってしまいます。TIFFにする前のDNGでスタックするとうまくいったのですが…

オートガイドは不調で赤緯RMSエラーは±2秒を超えました。赤緯ガイドの積極性を50に落としたせいもあるのかガイドエラーをすぐには補正しきれず大きくうねるようなガイドグラフになっていました。今回は1分露出なので大事には至らなかったものの、これでは長時間露出は無理です。一体何が原因なのか…