天文はかせ序二段(仮)さんのエントリ「raw現像を取り入れた画像処理の流れ」で、DeepSkyStacker で処理する前にRAW現像をする処理方法が紹介されていたので僕も4月に撮った三裂星雲の写真で試してみました。
スタートがオリンパスのRAWなのでこんな手順になりました。
- Adobe DNG Converter でライト・ダーク・フラットの各RAW(.ORFファイル)をDNGに変換
- RStacker (RS)でDNGをダーク・フラット処理(DNGを出力)
- Lightroom (LR)で RS の出力したDNGを読み込み、カラーバランス調整、レベル補正等を施してTIFFに書き出し。
- DeepSkyStacker (DSS) でTIFFをスタック(TIFFを出力)
- DSSの出力をLRに読み込んで仕上げ
RSを使うのは便宜上とのことでしたが、とりあえず同じようにやってみました。
1 は LR のDNG書き出しで出力したDNGだとRS で UNSUPPORTED COMPRESSION METHOD 云々のエラーが出て一切処理ができませんでした。Adobe DNG Converter で環境設定から互換性でカスタムを選びDNG1.3、非圧縮、に設定して変換する必要がありました。LRではこのカスタム設定ができないんですよね…
3 では最初トーンカーブを操作する強調処理もしていたのですが、それだと 4 の DSS の出力が白飛びしたハイコントラスト & 露出オーバーなものになってしまい階調が失われてしまったので、レベル補正で背景カブリの輝度を落とすだけでトーンカーブはリニアなままにしました。カラーノイズ軽減は25、シャープネスは0に、あと恒星の白飛びを抑えたくてハイライトを-30に。彩度は0のままで十分色が出ました。
3 の処理はコンポジットする枚数分必要です。1枚処理してあとは現像設定のコピーで済みそうなものですが、実際にはカットごとに高度が違って光害カブリの程度が違うせいか、同じ輝度に揃えるためにはカット毎に露出補正が必要でした。
まず 4 の DSS の処理結果を比較してみます。こちらが before (DSS で RAW を処理)。
こちらが after (RAW現像後のTIFFを DSS で処理)。
全然違いますね。この後の処理は after の方が全然楽でした。before の方だとトーンカーブがものすごい急カーブになるので階調の出方をコントロールするのが難しいです。
仕上げた結果はこうなります。こちらが before。
こちらが after。
やはり after の方が星雲の階調が綺麗に出ているようです。色調も若干豊かになっているようです。
手間はかなり増えますが、これはやる価値はありそうですね…