Deep Sky Memories

横浜の空で撮影した星たちの思い出

M22 (2020/4/24)

4月24日の夜、無性に球状星団が撮りたくなって、深夜から M22 を撮りました。もちろん自宅のベランダから。Stay Home が叫ばれる昨今、天体撮影のための遠征の是非についても議論のあるところですが、個人的にはここ2年ほどベランダからしか撮影してない(できない)ので普段通りというわけです。

M22 は4年前に 8cm F6 + 0.6倍レデューサーで初めて撮影してそのデカさに驚いたものでした。

8cm F6 直焦での撮影は3年前に試みたのですが雲が出て失敗してしまいました。

今回はそのリベンジということになります。球状星団は周辺部の微光星がはっきり見えるように強調すると中央の星が密集した部分が白飛びしやすいので多段階露光で撮影しました。

ガイドは乱れがちで、最初は蛇行はないもののシーイングが悪いせいか細かいゆらぎの多い状態が続き、その後安定してきたと思ったら蛇行が始まるという有様で、途中から過修正を防ぐため断続的に赤緯ガイドを Off にしてガイド星がドリフトで自然に中央に戻るのを待ってみたり、ほとんど半自動ガイドみたいなことをしていました。

それでもガイドが流れたコマが出てきて、予定より少ないコマ数でコンポジットするはめになりましたが、対象が球状星団なので強調処理も控えめでノイズもあまり目立たずに済みました。結果はこちら。

M22 (2020/4/25 02:00)
M22 (2020/4/25 02:00)
笠井 BLANCA-80EDT (D80mm f480mm F6 屈折) / Vixen SX2, D30mm f130mm ガイド鏡 + ASI290MM + PHD2 による自動ガイド/ OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II (ISO200, RAW) / 露出 1分30秒 x 2コマ + 3分 x 6コマ + 6分 x 6コマ 総露出時間 57分 / DeepSkyStacker 4.2.2, Lightroom CC で画像処理

等倍で見ると星像が肥大気味でキリッとしない感じですが、鑑賞距離で見る分には悪くないと思います。

M22 は写真では黄色みがかった星が多くて金色の星団に見えるのが好きなのですが、他の人の撮った写真を見るともっと白っぽく仕上げている人が多いようです。普通に背景をニュートラルグレーに寄せると黄色くなるんですが、みなさんどうやっているのでしょう?

そもそも M22 の星の実際の色はどうなっているんでしょうか。単に高度が低いから黄色っぽく色付いて見えるだけで本当は白かったりするんでしょうか?でも周囲の恒星を見るとちゃんと白い星もあるから本当に黄色っぽい気もするんですが…

ところで球状星団を構成する恒星って球状星団の中心の周りを公転していたりするのでしょうか?もしそうなら何十年かかけて球状星団が回転するタイムラプスムービーとか撮れるのかなーとか思って気になりました。

この記事を見ると M22 の中心部にはブラックホールが複数あるようですし、星団の中の恒星の運動とかややこしいことになってそうですが、そういうのがアマチュアの機材でも観測できたらおもしろいのですが。