Deep Sky Memories

横浜の空で撮影した星たちの思い出

木星状星雲を wavelet 処理

3月24日に撮った木星状星雲の写真、wavelet 処理はイマイチでボツにしたと言ってましたが、再チャレンジしました。

NGC3242 木星状星雲 (2020/3/24 21:49) (normal + wavelet)
NGC3242 木星状星雲 (2020/3/24 21:49) (normal + wavelet)
高橋 ミューロン180C (D180mm f2160mm F12 反射), ZWO IR/UVカットフィルター 1.25" / Vixen SX2 / ZWO ASI290MC (Gain 350) / 露出 4秒 x 250/1000コマをスタック処理 / AutoStakkert!3 3.0.14, RegiStax 6.1.0.8, Photoshop CC, Lightroom Classic CC で画像処理

リング状の構造がくっきり浮かび上がってきました。淡い部分の濃淡も若干見られますがもやもやした構造までは出てきませんでした。

wavelet 処理は光学系と対象が違うと毎回適正なパラメータが違って戸惑います。今回は以下のパラメータで wavelet 処理したものを、ノーマルのものと 65:35 の比率でブレンドしました。

  • Waveletscheme: Linear
  • Initial Layer: 2
  • Step Increment: 0
  • Wavelet filter: Gaussian
  • Use Linked Wavelet Layers: ON
  • Contrast: 100
  • Brightness: 0
Layer Denoise Sharpen 設定値
1 0.15 0.100 8.5
2 0.15 0.100 7.3
3 0.15 0.100 3.6
4 0.10 0.100 1.1

ノーマル画像をブレンドしたのは wavelet 処理で淡い(暗い)部分の濃淡のコントラストが上がってかすれたようになってしまったのと、空間周波数が低めの斑点状のノイズが目立たないようにするためです。*1

ちなみに AutoStakkert! の選別はイマイチで手動選別した方が良い結果が得られるとの噂を聞いて、実は頑張って500コマから手動で144コマの良像を選別、そこからAS!3で上位125コマをスタックして、AS!3 の自動選別の結果と比較してみたんですが…*2

NGC3242 木星状星雲 (2020/3/24 21:49) (手動選別125コマ, wavelet)
NGC3242 木星状星雲 (2020/3/24 21:49) (手動選別125コマ, wavelet)

NGC3242 木星状星雲 (2020/3/24 21:49) (AS!3 125コマ, wavelet)
NGC3242 木星状星雲 (2020/3/24 21:49) (AS!3 125コマ, wavelet)

ご覧のようにほとんど変わらない、というか手動選別の方が若干ぼやけてるかな?という有様だったので、最初の写真では AS!3 に全部任せた結果を使いました。少なくとも僕の目よりは AS!3 の方が確かな判断ができるようです。

*1:wavelet 画像のノイズ対策には CameraRaw のノイズ軽減も使っています。

*2:wavelet パラメータは試行錯誤中のもので上のものとは異なります