12月21日は早めに仕事を終えて最接近の木星と土星を撮りました。SCW では夕方から雲がかかる予報でしたが結果としては夜までずっと快晴でした。
15:00から機材の設置*1、また月面でピントを合わせてそのまま待機し*2 16時頃から鏡筒を木星に向けて16:15頃からファインダーで木星を視認できるようになり撮影開始。
撮影の合間に Twitter を見ていると天リフさんのこんなツイートが。
今日の #木星 と #土星 の超接近。成澤広幸さんライブ配信中。なんと中継機材をフィールドに持ちだした本格的なライブです!https://t.co/tbUHH16o12 pic.twitter.com/iCmK39G0pM
— 天リフ編集部 (@tenmonReflexion) December 21, 2020
せっかくなので成澤さんの楽しげなライブ配信をPCで流しながら撮影を続けました。
昨日は途中から雲が出て悔しい思いをしたので、とにかく見えているうちはどんどん撮ることにして、最終的には2300枚以上撮りました。結果はこうなりました。
1/30秒は3セット撮りましたがこれがベストです。シーイングが当たりでかなり解像しました。土星の輪はカッシーニの間隙まで写っています。拡大するとこうなっています。
スタックは AS!3 ですが、APは木星と土星にサイズ200のAPを1個ずつ置きました。最初は惑星面にサイズ80のAPを並べていたのですが、惑星面はうまくいくものの、なぜか背景に大きな継ぎ目や模様が浮いてきて使い物になりませんでした。AP1点置きではディテールが若干甘くなるのですが仕方がありません…
衛星狙いの長秒露出はこちら。
拡大するとこうなります。
土星の衛星は左からレア、エンケラドゥス、テティス、ディオネ、タイタン。ミマスは土星の輪の輝きに埋もれて解像できず。
木星の衛星は左からカリスト、ガニメデ、イオ、エウロパ。イオの上に見える星は恒星(HIP 99314)です。
惑星と衛星を合成しようかと思ったのですが、デジカメだとSDカードへの書き込みが重くて1セット400コマ撮るのに3分ぐらいかかります。そうするとその間に惑星や衛星が動いてしまってそのまま合成できません。かといって部分的に切り貼りしてしまうのも嫌なので結局合成は諦めました。1/30秒の写真の輝度を上げたものを合成する手はあるのですが、それだと土星の衛星はタイタンしか写らなくて寂しいので…
撮影後は正立プリズムとセレストロンの8mm-24mmズームアイピースを使って眼視でも観察しました。8mmの270倍で木星と土星が同一視野に見えてなかなかの迫力でした。その後せっかくなので月面と、火星と海王星、天王星を眺めました。
火星はもう模様はほとんど視認できず赤い円盤状の姿でした。海王星は微妙に青っぽい点、天王星は灰色で微妙に円盤状に見える気がしました。
というわけで何百年に一度だかしか見られないという木星と土星の大接近を無事撮影、観察することができました。22日は8cm屈折とCMOSカメラでの撮影を試してみようと思います。